2025
04.28

なぜかこんにゃくパークに行ってしまったのであった

らかす日誌

あかり接待のスケジュールは、やってくる1週間ほど前から決まっていた。1日目の土曜日は書店である。誕生日のプレゼントを買うのだ。ま、誕生日でなくても、会うたびにあかりには本を買っている(それも、いつもかなりの額に上るのです!)から代わり映えしないが、あかりが

「本がいい」

というから仕方がない。そしてそれを実行したことは昨日書いた。

2日目の昨日日曜日は、伊勢崎の華蔵寺遊園地に行くはずだった。あかりがまだ小さなうちは、桐生に来るたびに桐生が岡遊園地に行ったものだが、小学3年生ともなると、ここではやや手狭である。そこで1つ格上の華蔵寺遊園地で楽しませようと、長男夫婦と合意していた。
ところが数日前になって突然目的地がかわった。甘楽郡甘楽町の

こんにゃくパーク

である。
ショートメールで

「(あかりは)こんにゃく作って、こんにゃくを思いっきり食べて、たーくさん詰め放題して帰りたいと」

と知らされた私は、思わず返信を書いた。

「コンニャクって、美味いか?」

コンニャクは、少なくとも私の好む食べ物ではない、そりゃあ、体重がリバウンド中の私の体形維持には主食をコンニャクに変えれば効果はあるだろう。しかし、コンニャクのラーメンやジャーキー、せんべいなんて食べたいか?

思わぬ返信が返ってきた。

「美味しいですよ😊 特にあかりはものすごく好きです」

とあればやむを得まい。それでも昨日朝、BB弾のピストルで遊ぶあかりに最後の説得を試みた。

「遊園地の方が楽しいと思うんだが」

「こんにゃくパークがいいもん!」

これでこんにゃくパーク行きが最終決定した。しかし、こんにゃくパークに来るのはいったいどんな奴らだ? ほかにもっと楽しいところがたくさんあるだろうに、選りによってこんにゃくパークとは…。

桐生からは高速を使って1時間強の距離である。ナビに導かれて車を進めると、やがて見えてきた、こんにゃくパークが。その瞬間、度肝を抜かれた。多いのだ、客が。広い駐車場はほぼ満車状態。我らが車を止められるのは入場口からはるかに離れた場所であった。
止めてある車のナンバーを見て、さらに驚いた。群馬県のナンバーがあるのは当たり前として、埼玉がある、栃木がある、千葉がある、東京がある、横浜がある…。

「おい、この車、名古屋ナンバーだぞ!」

日本は変わり者の集合体と化してしまったのか?

中に入った。人の波である。こんにゃく料理の無料バイキングには長蛇の列ができていた。あかりとあかりのママはこの列に並んだ。さて、バイキングに行き着くまでにどれほどの時間がかかるのだろう? しかし、このバイキングと、こんにゃくの詰め放題があかりがここまでやって来た目的とあれば、並ぶのも仕方がないか。

が、私と長男の男2人は、そんなことまでしてこんにゃく料理を食べたいとは思わない。いやそもそも、こんにゃくなんて食べたくない。
よって2人で昼食をとれる場所を探しに出た。パークを出るとすぐに小さな居酒屋があった。昼食もやっていると看板が出ている。ここでいいか、と入って長男は刺し身定食、私はちらし寿司を頼んだ。山の中であるにもかかわらず、新鮮な刺し身が出てきた。みそ汁がお代わりをしたくなるほど美味しかった。ここで酒を飲みたくなったが、飲めば桐生まで帰ることができなくなる。あきらめざるを得ない。

こんにゃくパークに戻って、あかりとそのママが出てくるのを待った。待ちながらパーク内を眺めた。足湯がある。遊具がある。野菜のたたき売り(キャベツ一抱え500円、など)がある。それにこんにゃくバイキングがあり、こんにゃくの詰め放題がある。詰め放題ではないが、新鮮な野菜を並べた売店もある。しかも、安い。あかりがやりたかった「こんにゃくの手作り体験」は満杯でできなかったが、ここはこんにゃくをキーワードにして家族が楽しめるプレイランドになっている。

こんにゃくパークは2014年にこんにゃくを製造するヨコオデイリーフーズが開園した。これほどの集客力を持つまでに何年かかったか知らないが、こんにゃくという、どちらかといえば地味な、あまり人の口に上ることがない食べ物を中核にしてこれほどのプレイランドを作り上げるとは。よほど優れた企画マンがいるのだろうか? 正直、恐れ入った。

さて、あかりである。こんにゃくバイキング、こんにゃくの詰め放題と、2つの願望を満たし尽くしてすっかりご機嫌であった。
そして大人組は、買い出しに忙しかった。そう、新鮮な野菜を安価に売っている売店で大量に買い込んでしまったのである。まさかこんな売店があるとは思わないから、買い物袋は車に入れっぱなしである。やむなく段ボール箱に詰めたのだが、あれ、段ボール箱はいくつになったんだっけ?

こうして桐生に帰り着き、あかりは三たびBB弾のピストルで遊び、やがて帰っていった。そうそう、あかりに「第2回桐生子供新聞コンテスト」の応募作品のコピーを持たせてやった。あかりは桐生の子ではないからこのコンテストに応募する資格はないが、同年代の子供たちが作った作品を見てみるのは成長の一助になるのでは、と思って持たせた。

あかりは読んでいるかな? それとも、ボスに買ってもらった大量の誕生日祝いの本に読みふけっているかな?

あかり、また遊びにおいで!