06.28
続報が書けませんでした
「大道さん、どうして続きを書いてくれないのよ」
今日午後、知り合いの女性から突然問いかけられた?
はあ、続き? 一体何のこと? あなたにラブレターを出した記憶はないのだが。
「私ねえ、先日『らかす』をお書きになっているという話を聞いてから、読者になったんですよ」
ん? らかすの読者? ということは、続きとはあのことか?
「あの事件、『らかす』の記事が一番分かりやすいんです。だから、早く続きが読みたくて」
いや、まともな取材もしない私の駄文が一番分かりやすいとは、多分半分、いや7割はお世辞である。それは重々承知しながらも、ともすれば笑みがこぼれそうになる。
「それはそれは。そうですか、読者になったいただいた。ありがとうございます」
とりあえずは謝辞から始める。私は常識人である。であれば、謝辞が終われば続編がなかなか出てこない理由を説明しなければならない。
「いや、私もね、早く続編を書きたいと思っているのですよ。ほら、週明けに事件は動くなんて言った人がいたことは書いていたでしょう。だから、事件が動いたら書こうともって毎日NHKのデータ放送やネットニュースで確認しているのですが、事件がちっとも動いてくれない。まだか、まだかと待っているのは私の方なんです」
遠くの方のために、その後のかすかな動きをここでご紹介しておこう。
毎日新聞によると、相沢県議が逮捕された19日から、桐生市の森山亨大副市長が登庁していない。警察のヒアリングに応じているのだという。ヒアリング? サンズイ事件では耳慣れない言葉である。森山副市長が被疑者であれば「取り調べ」になり、単なる参考人なら「事情聴取」と書く。ヒアリング? いったいどっちなんだ?
森山副市長は桐生市契約等業者指名選考委員会の委員長である。相沢県議の容疑は、関東建設工業が入札で有利になるように桐生市の「技術評価」の基準を変更させたというものだ。「技術評価」の基準を決めるのは桐生市の、森山副市長が委員長である契約等業者指名選考委員会の仕事だろう。とすれば、相沢県議の働きかけで、桐生市側の誰かが「技術評価」の基準を変えたことになる。さて、誰が変えたのか? それがはっきりしないと事件の全体図が見えてこないのだが、群馬県警は相沢県議逮捕から10日にもなるのに、事件の全体図を読み取れないらしい。大丈夫か、群馬県警?
相沢県議は自民党を離党した。25日のことである。だが、辞職はしていない。
山本一太群馬県知事が、相沢県議を切り捨てた。当初は
「私の知る限り、相沢さんは信義の熱い熱血漢。ちょっと信じられない。今、初めて聞いたので、コメントしようがない」
とどっちつかずのスタンスだったが、26日の記者会見で、相沢県議を介して関東建設工業から食事の誘いを受けていたことを明らかにした。そして、面白いコメントをしている。
「(社長)本人が電話してくればいい。(県議が)まるで使いっ走りに見えると皆が言っていた。手先のようになってアポを申し入れるやり方は良くない」
ーー社長本人が電話してきたら食事会に応じたの?
相沢県議が関東建設工業かと関連企業から寄付を受けていたという話(私は初耳)には
「もっともらっていた人だっているわけでしょう。誰なのか知りたいよね」
ーー県民はあなた以上に知りたがっている。奮起せよ、群馬県警!
登庁しないで「ヒアリング」を受けている森山桐生市副市長については
「私だったら辞めます。議会にも来られず、任意の事情聴取を受けている。市民の信頼を取り戻せない」
ーーこれは全く同感! ま、もともとそれほどの信頼があったかどうかは別にして。
このあたりが「かすかな動き」である。
あ、山本知事、発言を自分のブログで修正したらしい。誘われたのは
「私ではなく、(当時の)宇留賀敬一副知事だった」
とか。
あわせて、事件の背景には
「群馬の古い利権構造がある」
と書いているそうだ。知事自身が、その古い利権構造の一部でないことを祈るばかりである。
という次第で、前回の続編は書きたくてもまだ書けないでいたのである。突然問いかけられたので、この「中間報告」を書いた次第である。
事件が展開したら、書こうと思っていることがある。いましばしお待ちいただきたい。あ、待っていても群馬県警の仕事ぶり如何では書けなくなることもありうるが……。