2025
07.21

日本はどうなるのだろうねえ……

らかす日誌

参議院選挙が終わった。投票所には足を向けなかった私だが、結果が気にならないことはない。そして結果を見て、

「トランプ問題があり、中国の脅威があり、景気の低迷が続いているこんな時期に、これでいいのかねえ」

と日本の先行きに不安を覚えてしまった。すでに衆議院でも過半数を割っている与党が、参議院でも大きく後退、過半数を割ってしまったからである。
といって、与党が勝てば良かったなどと考えているのではない。いまの物価高は与党に責任があるとは思わないが、数々のスキャンダルにまみれてしまった自民党に有権者が背を向けるのは仕方がない。公明党も、基盤である創価学会員が減っている以上、議席数を減らすのは自然の流れである。

平時ならばそれでも弊害は少ないだろう。しかし、いまはトランプという、少し頭がおかしい暴君に世界中が振り回されている時代である。日本はあの金髪の男に何とか対処していかなければならない。課題はそれだけではない。日ごとにきな臭さを増す中台関係がある。北朝鮮の核ミサイルだって現実的な脅威だ。国内に目を向ければ、物価高を牽引している円安は解消できるのか? 年々広がっているように見える経済格差を放置していいのか……。
こう見てくると、いまは決して平時ではない。そんな不安定な時代に、少数与党になって政治まで不安定になってしまった。それが私の不安である。

もちろん、これまでの自公政権は目前にある様々な課題を解決できなかった。解決への道筋さえ示せなかった。だから、

『あなた方は政権を担当してはならない」

ということはできる。だが、そういえるのは、現政権に代わることが出来る政党があってこそだろう。
数の上からいえば、それを担うべきは立憲民主党である。しかし、この政党は民主党であった2009年の選挙で政権政党になったまでは良かったが、間もなく馬脚を現してしまった。こんな奴らに日本の政治を任せておけるか、と有権者が怒った結果が自民・公明の政権返り咲きだった。
だからだろう、これだけ自民、公明が弱い今回の参院選でも、改選議席が22、新たに獲得した議席も22。つまり、自民・公明の退潮に乗ることが出来なかった。有権者は立憲民主党を、自民・公明に取って代わる政党として認めなかったことになる。

最も懸念するのは、その隙をぬって大幅に議席を伸ばした参政党である。あちこちの解説では、自民に飽き足らなくなった保守層の受け皿として票を集めたという。私はこの動きが恐ろしい。

この政党は、日本版トランプ、あるいはヨーロッパ各国でうごめくネオナチ、に似たものだと私の目には見える。現状に不満を持つ人々が、威勢よく現状批判をするこの政党に惹かれた構図は、トランプ現象に限りなく似ているのではないか。
トランプのメキシコとの間に隔壁を設けるとの公約は、不法入国するメキシコ人に職を奪われたと思い込んでいる貧困白人層へのアピールだった。いまの関税問題にしても、アメリカ人の職を奪っていると彼が決めつけている輸入製品を締め出して国内生産、国内消費を促し、プア・ホワイトと呼ばれる白人貧困層の支持を取り付けるのが狙いだろう。
だが、不法移民がいなければアメリカの経済は回転しない。タクシー料金ははるかに高くなるだろう。
外国製品の輸入を押しとどめれば国内物価は上昇する。それでなくてもいまや経済は世界を舞台として動いている。そもそも、賃金の安い国に製造施設を造ったのはアメリカ企業ではなかったのか?

少し頭が混乱してきた。参政党への懸念は後日の課題として、そろそろ寝ることにする。
イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙は参政党を

「極右」

と表現し、

「排外主義的な言説が支持を広げた」

と評したらしい。私の懸念と一脈通じるところがある。

おやすみなさい。