2024
10.12

このところ、少しばかり多忙です

らかす日誌

このところやや多忙である。一方で電子出版の準備をしつつ、他方で昨年から始めた「桐生子ども新聞コンテスト」の審査を始めたからだ。

電子出版は、もう20年ほど前に書いた「シネマらかす」を電子ブックにするのである。「シネマらかす」の出版は昔、知人を介して1、2の出版社に打診したことがあったが、

「面白いけど。この出版不況、著者によほどの知名度か肩書きがなければ売れない」

と断られた。そんなものかと諦めていたところ、桐生市のIT企業の知人に

「大道さん、電子出版という手がありますよ。私も手伝いますからやりませんか」

とお持ちかけられ、その気になった。何でも、欲しい人は紙の本でも買えるし、Kindle版としても買えるのだそうだ。「らかす」に来れば無料で読めるものを、本の形にしたからといって金を出してくれる人がどれだけいるのか。まあ、売れなくて元々、少しでも売れればハッピーという気楽な試みである。

いや、気楽なつもりで始めたが、なかなか手間がかかる。まず「シネマらかす」の原稿をすべてPages(iMac付属のエディターソフト)にコピペし、形を整え、不充分な記述や変換ミスを潰す。時には幾分書き加え、時間を2024年に合わせる修正も必要だ。長い原稿が多いので、小見出しも付けた。

手伝ってくれる仲間もいる。私にこの話を持ちかけたIT企業の知人は、出版用のフィアイルができ上がったら、それから先の作業を引き受けてくれる。本や入金先などをどこかに登録したりの事務作業である。
電子出版するには表紙がいるといわれ、最近知り合ったブックデザイナー、桐生在住のMi氏も仲間に引き込んだ。彼が表紙をデザインしてくれるとともに、私の原稿を体裁を含めてチェックしてくれる

85本の「シネマらかす」はとても1冊の本では入りきらず、全体を4冊に分けた。いま作業が終了に近づいているのは第1巻。総ページ数は320ページ近いから、堂々たるものである。遅くとも年内に第1巻を出し、続いて2巻、3巻、4巻と続ける予定である。

「売れてくれればいいな」

というのが3人に共通する願いであることはいうまでもない。
で、売れたらどうするか。3人で話し合い、利益の半分を私がもらい、2人には4分の1ずつとってもらう。利益が100円だったら50円、25円、25円。1万円だったら5000円、2500円、2500円である。

「ねえ、1億円儲かったら5000万円と2500,万円ずつだぜ!」

そんな捕らぬ狸の皮算用で盛り上がっている3人である。

そうそう、書名は決まった。

「映画と添い寝した男のつれづれエッセイ集 CINE MAKURA ぜひ見ていただきたい映画+α」

この洒落た書名はMi氏の作である。

出版したら、「らかす」でお知らせする。多数の方にお買い上げいただきたい。特に、紙の本でお読みいただければ、ディスプレーで読むのとはまた違った感想を持っていただけるのではないか、と思う。

「桐生子ども新聞コンテスト」は昨夜審査員会議を開き、今日から審査員全員が子どもたちの力作を読み始めた。昨年の第1回より応募数が50ほど増え、270を超えた。これを読んで審査するのは一仕事である。

昨年の第1回は、審査員全員が驚く秀作が、私の見方では3作あり、うち2つをグランプリに選んだ。そのうちのの1作は、

「この子をいますぐ、朝日新聞に採用したい。いまの新聞記事より余程面白い記事を書いてくれるぞ!」

と私が思わず口走ってしまったほどの出来映えだった。

それに比べれば、ざっと目を通したところ、今年はやや低調のようである。宿題としての作文、あるいは感想文の域を出ないものが多いのである。
新聞の記事は、多数の読者に伝えたいことがなければいけない。宿題としての作文、感想文は自分がいかに熱心に勉強したかを先生に知ってもらうために書くものである。つまり。たった1人の読者に自分を売り込むのが目的である。文章としてはほんの少しの違いかも知れないが、でも極めて大きな違いでもある。

審査員にはもと子ども新聞作りに熱心だった元小学校の先生がいる。桐生市教育委員会の課長、中学校の校長を経てきた人もいる。だから昨夜の審査委員会議では

「いま小学校で、どんな新聞教育をしているのか」

が話題になった。

そういえば、新聞は軒並み部数を減らしている。子供たちの家庭でも新聞を購読している家庭は少ないのかも知れない。それどころか、子どもたちを指導する小学校の先生も新聞を読んでいないのかも知れない。
だとすれば、私たちはどんな審査をしたらいいのか。教育現場にどんな働きかけをしたらいいのか。そもそも、私たちは教育現場に働きかけることができるのか?

「桐生子ども新聞コンテスト」は早くも2回目で、様々な課題を私たちに突きつけてきた。

妻女殿はまだ入院中である。退院の見通しはまだ聞かされていない。すでに2ヵ月を越えた独り暮らしが、まだしばらくは続きそうである。