2025
09.24

ホントに最後の西瓜

らかす日誌

何故か今、我が家の冷蔵庫に西瓜が入っている。中玉で、残りは4分の3だ。

一昨日のことである。すでに西瓜の季節は終わり、スーパーでリンゴや梨を買ってみたが、あまり美味しくない。やはり専門の果物店で買ったほうが美味しいかと考え、行きつけの果物店を訪ねた。店に入り、

「もう西瓜は終わったよね。これから美味い果物は…」

と言いかけた私の目に、なんと終わったはずの西瓜が見えた。

「あれ? なんと西瓜がある! 先日買った北海道産で終わりじゃなかったの?」

と聴くと、

「いや、もう一つ最後の産地がありまして。これ、信州の松本です。これが本当の最後です」

実は今年の夏、西瓜を欠かしたことがほとんどない。食が細い妻女殿が、西瓜なら口にするからだ。昼食後に

「西瓜、食うか?」

と聴くと、99%の割合で

「いただこうか」

という返事が戻ってきた。スーパーでも西瓜を買ったがあまりよろしくなく、ほとんどこの果物店で買い続けた。
当初は小玉西瓜である。これを4つに割り、そのひとつずつを毎日昼食後2人で食べた。だから、4日に1度は小玉西瓜を買っていたことになる。おおむね1個2000円見当だから、1日あたりのデザート費用は500円である。
狙いはあまり食べない妻女殿のお腹に何かを収めることだから、妻女殿に多めに行き渡るようにした。1日分500円とすると、私が200円食べ、妻女殿が300円食べるという割合だ。
8月も末に近づくと小玉西瓜は姿を消し、中玉、大玉しか店頭になかった。大玉は冷蔵庫に入れるのが難しいので中玉を買い、これを8等分して毎日昼食後に、たまには夕食後にも食べた。中玉は3000円ほどだから、8等分した1日分は375円

「そうか、最初から中玉を買っておいたほうが安上がりだったか」

と後悔したが、もう遅い。

という次第で、私は旬が過ぎた西瓜に代わる果物を探していたのである。それなのに、目の前に西瓜がある! 私としては

「これ、ちょうだい!」

というしかない。

「ありがとうございます。ただ、最後の産地なんで、少しお高いのですが」

「いくら?」

「3200円です」

その程度なら、私にも買える。
かくして、我が家に時ならぬ西瓜が一昨日持ち込まれた。昨日、今日と、昼食後に8分の1ずつ食べたから、残りは4分の3なのである。明日もまた8分の1食べるはずだから、そうすると残りは8分の5になる。
と書いていたら、何だか算数の勉強をしているような気になってきた。

いずれにしても、我が家は9月いっぱい西瓜を食べ続ける。しかし10月からは何を妻女殿に食べさせる?

「そろそろ柿が出始めました。いまはまだハウス栽培ですが、来週になれば普通の柿が出始めますよ」

とは、果物店種の言である。そうか、これからは西瓜に換えて柿を食う季節なのか。

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

そういえば、奈良にもずいぶん長い間行ってないなあ。