2008
02.27

2008年2月27日 コンドロイチン

らかす日誌

私の頸椎が変形し、ために右肩から右腕にかけて時折しびれが走ることは、すでに昨年12月6日の日誌で書いた。昨夜、飲んだついでにH氏に見解を聞いた。彼には医者の友人が複数いる。だけでなく、椎間板ヘルニア持ちで、手足の痺れに関しては私のはるか先輩なのである。

論敵ではあるが、この日のH氏は頼りになる先輩であった。直ちに回答が出てきた。

「コンドロイチンだよ。私も最近飲み始めたんだけど、右手の痺れが消えてきてさ。ネットで買うと、1万円ぐらいで3ヶ月分ばかりあるから、飲んでみなよ」

彼の口からこれほど明瞭で、キチッとした根拠のある話を聞くのは久しぶりである。なにしろ、自分の体で実験したのだから、これほど確かな話もない。でも、そんなもの、何で飲み始めたんだろう?

「お袋の遺産でね」

彼のご母堂がコンドロイチンを飲んでいらっしゃったらしい。亡くなった後にコンドロイチンが残された。効能を調べて、ひょっとしたら自分にもいいかも、と思って飲み始めた。そしたら、効いた。

母の恩は海よりも深い。彼のご母堂が亡くなったのは、確か1ヶ月ほど前のことだ。82歳だったと聞いた。合掌。

そうなのである。昨夜の飲み会も、葬儀を終えて一段落したH氏の日程に会わせて開いたのである。ために、私は御霊前を用意していた。ご母堂とはお目にかかったことがない。彼の自宅まで訪ねていくのはやりすぎだと考えてのことだ。

顔を見てすぐ、

「酔って忘れるといけないから」

と御霊前を渡そうとした。酔うと記憶力が極端に落ちる私としては、当然の対応である。

が、頑として受け取らない。

「申し訳ないけど、すべて断ってるんだ。長年の親友にも断った。あなたからだけ受け取るわけにはいかない。頑ななようだけど、申し訳ないけど、これは持って帰ってよ」

 「いいじゃん、今日の飲み代の一部にすればいいんだから。どうせたいした額じゃないんだし」

 「いや、そんなことはできない。お袋の遺言でもあるんだ。申し訳ないけど受け取れない」

御霊前は彼の手と私の手を行ったり来たりした。最後に私の手に残った。彼はとうとう受け取ってくれなかった。

ふむ、H氏、なかなかの硬骨漢である。

ちょっぴり、H氏を見直した日でもあった。

私? H氏に渡したと妻にいえば、この袋の中身は私のものになる。そんな考えが一蹴たりとも浮かばなかったと書いてしまえば、私は嘘つきになる。まあ、実行はしなかったけどねえ。

惜しいことをした、のかな?

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