07.08
2014年7月8日 よりよき
世界を求めて、人は試行錯誤を繰り返す。そして、私も人である。
今朝から、私は1つの試行を始めた。腰の薬の飲み方を変えたのである。
通い慣れた整形外科医が私に処方するのは4種類の薬だ。
・トラムセット。医師の説明によると、神経遮断薬である。痛みを感じる神経の感受性を下げる働きがある。これ、1日4錠。つまり、朝、昼。夜、就寝前、という具合に服用する。
・ロキソニン。最近は市販もされるようになった著名な鎮痛解熱剤である。当初、1日3回、朝、昼、夜’服用していたが、
「ロキソニンはできるだけ減らしたいんですよね」
という医師の勧めに従い、現在は朝、夜と1日2回の服用である。
・ガスターD。要は、胃薬である。ロキソニンは胃を荒らす。それを防ぐのが役目だ。だから、ロキソニンと同じく1日2回。
・テルネリン。悪名高き筋弛緩剤である。大量に服用すれば、全身の筋肉が弛緩し、心臓も鼓動をやめる。が、ご安心あれ。別に自殺をしようとこの薬を服用しているわけではない。首筋から肩、背筋にかけての凝りと痛みが甚だしく、私が依頼して処方してもらっている。当初は違った薬だったが
「効かないので、もう少し強い薬を」
と頼んだらこれになった。
朝、昼、晩、1日3回の服用である。
というスケジュールは、実に守りにくい。昼飯を外で食べるには、昼用の薬を持参せねばならぬ。トラムセットとテルネリンである。夜の飲み会も同様だが、問題は、飲み始めると薬のことなどとんと忘れてしまう私である。9時近くになって突然思いだし、テーブルにある日本酒で慌てて服用する。
「でも、この時間に飲んだら、4回目は何時に飲むんだ?」
という事態が何度も起きる。
だから1日4回なんて飲みにくい薬はいやなんだ!
というのは、本日の趣旨からやや外れる。
昨日、どうにも腰の具合が落ち着かなかった。悪いというのではない。痛いというのではない。重くて、何となく違和感がある。あ、このまま行けば、ひょっとしたら痛み始めるのではないか? という不安感を抱かせるような症状だ。いろいろと言葉を探したが、落ち着かないという表現が一番適していると判断した。NHKのニュースは、日を追って言葉の使い方が雑になる一方だが、私は正確な表現を心がけたいと思う。
それはそれとして、私は考えた。
「医師の処方通り、服薬を続けている。にもかかわらず、この腰の具合。何とかならないか?」
その時、ふと思い出したのは、その医師の言葉である。
「トラムセットは1日8錠まで飲めます。だから、痛みが強くなるようなことがあれば増量しますのでいって下さい」
そうか、トラムセットは、まだ服薬量を増やしてもいいのか。
「ええ、ロキソニンに比べれば、副作用ははるかに小さく、今のところ、軽い便秘が起きる、程度しか報告されていません。私としては、できるだけロキソニンを減らして行きたいのですが」
そうか、それならトラムセットの力量を試してやろうではないか。
と考えた私は昨朝、トラムセットを2錠服用した。ついでに、ロキソニンの服用をやめた。ガスターDを呑まなかったのはいうまでもない。それで様子を見た。
もちろん、痛みが増すようであれば、ロキソニンを呑むのである。それはいつでもできる。だが、医師が、できるだけ服用を減らした方がいいというロキソニンを排除して、我が暮らしは成り立つのか?
怖々の試行であった。が、昼間は何となく調子がよろしい。そして夜はO氏宅における飲み会に出かけた。腰にはあまりよろしくないのだが、ある目的のある会合だったのでサボるわけにもいかぬ。怖々参加すると、何と、我が腰は持ちこたえたではないか!
それで、当面、試行を続けることにした。
今朝。トラムセット2錠。
昼。トラムセット1錠。
夜。トラムセット2錠。
ロキソニンは一切なしである。
さて、我が試行は成功するか、単なる錯誤に終わるか。
しばらくは続けてみる。
リッピング人生が続く。
昨夜、O氏宅での飲み会から持ち帰ったのは、
「これ、リッピングしておいて」
というお言葉とともに手渡されたCD群であった。彼の好きなPeter, Paul and Maryあり、Johnny Cash、Sergio Mendes & Brasil 66あり、OLDIESあり。
「なんと不思議な好みであることよ」
とは思うが、まあ、蓼食う虫も好き好き。
男全員がたった1人しかいない絶世の美女に惚れるでなし。
「まさか、こんな女に惚れる男はいないよなあ」
という天性のブスが、
「えっ、あいつ結婚した? そんな男がいたの?」
という周囲の驚きがさめやらぬうちに
「何!? あの女が別の男を作って亭主を離婚した!!!???」
という実話(いま、この女はいま、国会議員である)もあるので、まあ、O氏の音楽の好みにあれこれいっても仕方がない。
で、本日、リッピングしたファイルを届けると、
「うちにはこんなんもあるんだよね」
出て来る、出て来る。セットボックスで買ったジャズ。レターメン、そして、
「ナイトクラブの片隅で」
目を丸くする私(「お前の細い眼を丸くするのは不可能である」というのは正当な指摘である。が、日本語に、他に適切な表現を見いだせなかったのである)に、O氏はいった。
「これ、なかなかいいんだよ」
かくして、リッピング奴隷の身に落ちた私は、この日誌を書いている間もリッピングを進めるのである。