07.11
2014年7月11日 カメラ
瑛汰は来週から米国に行く。
伯父さん(つまり、私の長男)がこの春、サンフランシスコに転勤した。そこから
「遊びに来いよ」
という誘いがあった。
瑛汰と璃子と、そしてそのママが誘いに乗った。
瑛汰と璃子のパパは
「俺、仕事休めないからさあ、3人で行ってこいよ」
という話になったらしい。
そういう話になったら、サンフランシスコから
「来るんならさあ」
と数多くのリクエストが入った。
まず、桐生黒保根の米5kg。
ネットショップ「金沢屋」で売っている「プロだし」。
ラーメン。
海苔。
機動戦士ガンダムのブルーレイディスク。
…………。
いくつかは桐生で用意し、いくつかは瑛汰と璃子のママが買い集めた(はずだ)。23kgまでの荷物を持って行けるという。その範囲には収まろうが、何のことはない、これは運び屋である。
現地で瑛汰は、伯父さんにメジャーリーグのベースボール、米国のサッカーの観戦に連れて行ってもらい、また全員で本場のディズニーランドを訪ねるそうである。恐らく、ロサンゼルスであろう。
滞在期間は約10日と聞く。せっかく高い航空運賃を使って重い荷物を運ぶのなら、ゆっくりして来なきゃ。なにしろ宿代はただなのだから、滞在を延ばせば延ばすほど割安になる仕組みなのだ。
で、本日夕方、瑛汰から電話があった。
「ボス、あのさ、瑛汰がアメリカ行くの知ってるでしょ」
うん、知ってるよ。
「それで、瑛汰、明後日誕生日なんだよね」
そうだな。プレゼントは本がいいっていってたな。
「うん、だけどね、ママとも相談したんだけど、瑛汰、カメラが欲しいの」
カメラ?
「そう、アメリカでね、いっぱい写真を撮ってくるんだ」
なるほど。
「でね、カメラ高いから、瑛汰、クリスマスのプレゼントは本でいい、ってことにしたんだよ。いいでしょ?」
カメラといってもなあ……。どんなカメラが欲しいんだ?
「あのね、シャッターを押したらすぐに写るヤツ。シャッター押して少し立ってから写るカメラはいやなの」
ああ、なるほど。どれはカメラ選びにはぜったに必要な視点だな。
「ね、お願い、買って!」
うーん、カメラ選びは難しいからなあ。まあ、考えてみるわ。
せっかく買うのなら、できるだけ写りがいいカメラがいい。それに、シャッターボタンとシャッターが連動するとなると、これは一眼レフに限る。が、瑛汰はまだ小学2年生だ。一眼レフでは重すぎる……。さて、最近カメラを買う予定がなかったので、いま、どんなカメラがあるのか、俺、知らないぞ。瑛汰たちの出発は15日だから、カメラに行って選ぶ時間もないし……。
やむなく、ネットであれこれ見てみた。が、カメラともなると、現物を見なければ何とも判断しようがない。さて、どうする……。
ふと思いついた。そういえば、私はあまり使わない小型カメラを持っていたんだ。NikonのP6000である。ちょっと外に出るときに、一眼レフでは邪魔になる。が、そこいらのデジカメには片目をつぶって覗くファインダーがない。ファインダーなしのカメラは、携帯電話みたいで使い勝手が悪い。それだけを決め手に、小型にもかかわらずファインダーがあるこれに決めたのだ。
で、瑛汰に電話をした。
「瑛汰、カメラって、すぐにこれがいいとは決められないんだ。もう少し早かったらいろいろ選べたけど、もう間に合わないからボスが持ってるカメラを貸してやるから持っていけ。それでいいだろう?」
瑛汰が納得したので、早速カメラ本体、充電用の装置、説明書を箱詰めした。明日発送する。
同時に、amazonで16ギガのメモリーカードを2枚、瑛汰宛に発送した。いま入っている2ギガのメモリーでは足りないだろうが、合計32ギガもあれば、10日間程度の写真には十分なはずである。
というわけで、瑛汰の米国行きには十分協力した。
さて、瑛汰、ボスには何をお土産に買ってきてくれる?
8日に始めた薬の服用の工夫を断念した。
前回の日誌に書いたように進めたのだが、翌日から何となく腰の周りが重たくなった。3kgほどの砂袋を下げているような気分である。おまけに、どうかした瞬間に、何となく腰の中でどこかがひっかかってクキッという感じがある。当初は
「台風前の気候のせいだろう。湿度、気圧と腰痛が関係するのは、この世界の常識である」
と静観したものの、腰の重さは日を追って増し、台風が過ぎ去った今朝、とうとう
「こりゃいかん」
とロキソニンを服用した。1時間もすると、重さが薄らいだ。なるほどロキソニン、よく効く薬ではある。
ロキソニンの継続的服用をやめられるものなら、という試みだったが、とりあえずは頓挫した。さてどうしたものか。
次回の通院時に、整形外科医に相談してみよう。
台風一過で夏本番。
桐生にも本格的な暑さが来た。本日の最高気温は35.4℃である。
が、不思議なことに、今年の私は暑さにも比較的平然としている。もちろん、汗はかく。ハンカチでは間に合わず、大きめのポケットタオルを腰からぶら下げて、何かあればそれで汗を拭く。
「みっともない!」
と妻女殿は嫌われるが、見た目が悪いのと暮らしの利便性が高まるのを比較すれば、見た目を捨てるのは大人のたしなみである。無理して見た目を選択したところで、見た目で私にクラクラする若き乙女を期待するなど、渡良瀬川で砂金を探すようなものだ。あてにすれば泣きを見るのが落ちである。
それはいいのだが、今年、汗をかくのがそれほどいやではなくなった。何となく、あるがままに暑さを受け入れている感じである。
この歳になって、やっと暑さへの耐性ができたのか。
この歳になったが故に、暑さへの感性がすり減ったか。
いずれが正解であろうと、結果は変わらない。淡々と夏を生き抜くだけである。