01.30
2010年1月30日 ねえねえ
知ってた?
と言いたくなることが時々ある。嘘みたいな本当のことを知ったときだ。私は知った。驚いた。あなたはまだ知らないでしょ? ねえねえ、知ってる? 知らないんだったら教えてあげる! あんたも驚きなよ!!
日本の国歌は「君が代」であります。いわゆる右翼の人たちが何故か大好きな歌で、紆余曲折の末、1999年に、国旗及び国歌に関する法律、で正式な国歌になりました。以来、卒業式で「君が代」を歌うのを拒否した先生が処分を食らったり、なかなかに罪作りな歌です。
もっとも、一般的には卒業式の歌、お相撲の歌、メダルの歌、ボクシングの歌、程度にしか認識されていないかもしれませんが。
はっきり言って、私は嫌いな歌です。歌うことを強要されても、歌う気はありません。演奏されても、起立したこともありません。公務員ではないから、それで処分されることもないでしょう。
いやいや、本日はそんな好き嫌いの話を書こうというのではありません。
あなた、「君が代」を作ったのがどんな人か、知ってます?
歌詞は古今和歌集から取った、ということは私もうっすらと知っていました。では、曲は?
最初に曲をつけたのは、明治初年にイギリス公使館にいた軍楽隊長のジョン・ウィリアムス・フェントンです。
それは洋風の音階であってなかなか普及しなかったため、宮内省の伶人(れいじん=雅楽を演奏する人)が改作し、それをドイツ人フランツ・エッケルトがアレンジした。
というのが「君が代」ができた経緯なのだそうです。えっ、右翼の人たちがあれほど大事にする君が代は、Made by Japaneseではなかったの?
読み終えたばかりの「日本辺境論」(内田樹著、新潮新書)で仕入れた知識です。
ホントかよ? 私はネットで調べてみました。ウィキペディアに、同じ説明がありました。そうか、そんな事実、知ってる人は知ってるんだ。感心しました。
まあ、「君が代」って言われると、考える前にまず皇軍のテーマソングとして忌避するばかりで、その根元までさかのぼって調べたことがなかった私が、迂闊といえば迂闊でした。でも、私と同じように迂闊な人は世の中に多いと思います。
はい、今日の日誌を読んだ方はもう大丈夫ですね。知は力なり、です。
「国歌を斉唱したくない人間は日本から出て行け」
なんていう政治家がいたら、声を合わせて言いましょう。
「バーカ」
まあ、その馬鹿の小型版が全国の公立学校、教育委員会にいて、3月の卒業式では権力を振るうわけですが。
同じ本に、「日本」という国号の解説もあります。
それによると、日の本とは、あるところから見て東方に位置するところ、つまりお日様が昇ってくるところ、と言う意味なのだそうです。なるほど。頷けます。で、この場合、あるところ、とは中華の国、中国であることは当然です。つまり我々は、中国の東のはずれにあるところ、というのを国号にしているわけです。
内田先生は、アメリカ合衆国が、「メキシコ北」あるいは「カナダ南」というのを国号にするのと同じだ、とおっしゃっています。
ふむ。
読書って、面白いなあ!
という具合に、考えても見なかったことについて、様々な知識を与えてくれる本です。素直には頷けないところもありますが、それを含めて一度目を通されてはいかがでしょう?
本日は読書案内でした。