2010
12.11

12月11日 ほぼ全滅

らかす日誌

またまた間があいてしまった。申し訳ない。
サボり癖がついた、とは思いたくない。様々な事情が重なった、と言い訳しておく。

さて、横浜の次女一家である。

6日月曜日、横浜に向かうことは前回ご報告した。

到着すると、次女一家は惨憺たる有様だった。次女はフロアソファでぐったりしながら、璃子をあやしている。その璃子は、比較的元気なものの、鼻水垂れ流し状態。瑛汰は顔色が悪く、動きにもいつもの切れがない。抱き上げても、軽い。それはそうだろう。昼間は下痢をし、夜は嘔吐する。しかも、食欲はない。瑛汰は意図せざるダイエットの最中なのである。
横浜のリビング・ダイニングは病人の巣窟であった。

まずは次女に立ち直ってもらわねばならない。すぐに車で近くの医者に運ぶ。一度自宅に戻り、次女の点滴が終わるのを待って迎えに行く。そして、昼食。蕎麦が食べたいという瑛汰のリクエストが通ったが、出てきても瑛汰はあまり食べない。
だが、顔色はよくなった。寝付くほどでもないらしい。これなら出かけても大丈夫か。

「瑛汰、双眼鏡買いに行こうか?」

瑛汰はその気になったが、次女に止められる。

「じゃあ、ボスが買ってきてやろう」

 「うん、買ってきて。黒いヤツだよ。黒い双眼鏡だよ」

ラゾーナのビックカメラへ。双眼鏡売り場でいくつか比較する。決め手は、黒と軽さ、それに視野の明るさだ。2万円ほど出すとなかなかいいものがあったが、子供に買うにはやや高い。だが、5000円前後だと性能がいまいちだ。
中をとって、ニコンの製品にした。確か9800円前後。軽く、レンズが明るく、倍率は8倍。

ついでに、iPodも買い求めた。車で音楽を聴くのに使っているヤツが、最近調子が悪い。時折、音が止まってしまう。ハードディスクを使ったものなので、車の振動が悪かったのだろうか。
と考えて、記憶媒体にチップを使ったiPod Touchにする。32G。私の使用目的にはこれでも多すぎるが、まあ、大は小を兼ねるだろう。

島村楽器でクラプトンの楽譜を2冊。

次は瑛汰を小児科に連れて行かねばならない。午後の診察は3時からとのことなので、2時半頃から並ぶ。菌が耳にまで入って中耳炎をひきこしているため、抗生物質と吐き気止めの薬を手にして帰宅。

瑛汰と双眼鏡で遊び、一緒に風呂に入り、夕食。すぐに眠気を訴えた瑛汰と添い寝。

 「寝るのはボスとだけど、あとでママと寝たい。パパとも寝たい」

というので、午後10時頃パパのベッドに運ぶ。確かに、夜中に吐き気を訴えられては私では対処できないかも知れない。

7日は朝食を済ませ、妻女を横浜に残して桐生へ。以来、一人暮らしだ。

火曜日からの一人暮らしで、自炊の準備が整っていない。ために、ほとんど外食だ。夜は相手を見つけ、飲みながらの食事。金はかかるが仕方がない。

という次第で、やむなく毎晩出かけていたため、日誌を書く時間がなかったのである。ご了解いただきたい。

 

不幸はまとめてやってくる。愛車が故障したのは9日だ。
その日は仕事が遅くなり、前橋から応援に来た後輩の女性、他社の知り合いと3人で午後9時頃から食事に出かけた。私の車に3人乗り込んで向かおうとしたのだが、

「あれ? リモコンでドアロックの解錠ができない!」

やむなく、キーでドアを開け、運転席に乗り込む。

「さあ、乗って」

と声をかけたら、助手席のドアが開かない。ドアロックをまとめて施錠・解錠するボタンを押しても何事も起きない。普通なら車内のドアハンドルを2度引くとロックが解除されるのだが、それでも助手席のドアは開かない。
仕方なく、2人を後部座席に乗せて発車した。

食事が終わったのは午前1時前。運転代行を頼み、車のそばにいったが、助手席のドアは相変わらず開かない。仕方なく、3人で後部座席に乗り込む。

後ろのドアまで開かなくなったのは昨日の朝だった。これで、開くドアは運転席とトランクだけになった。
これでは使いづらい。若く美しい乙女が

「ドライブに連れてって!」

とかわいい声で迫ってきたらどうする?

「運転席から乗り込んで、助手席に移って」

と言う?
彼女がもし、ミニスカートをはいていたら?
それはそれで楽しい光景が眼前に広がるかも知れないが、その前に

「こんな壊れた車じゃいや!」

とそっぽを向かれる公算が大きい。せっかくのチャンスがフイになる。それは困る。

というのが妄想であることは、書いている私が一番よく知っている。起きて欲しいことは、なかなか起きないのが人生である。

ま、その妄想は横に置くとしても、ドアが一部しか開かない車は不便だ。仕方なく、昼時に太田市のディーラーまで出かけた。そこでいただいた納品請求書が手元にある。

不具合は

「集中ドアロックが作動しない」

これは私の訴えに基づいたものである。
で、何をしてくれたのか。

「ヒューズ15A切れ→20Aに変更、交換」

これだけである。
そうか、電気で制御されることが多い最近の車は、ヒューズが切れるとドアが開かなくなるのか。便利なようで不便な時代である。

で、修理代だ。

 「ヒューズ 20 A 126」

そうか、たった126円の部品でドアが開かなかったのか。
そこまではよかった。もうひとつ項目があった。

「診断システム メモリー呼び出し 4725

思わず絶句した。いまの車はコンピューターで制御されている。故障はコンピューターに情報として残る。だから、その記録を読めばどこが故障したのかが分かる。専門の技術者が

「ここではないか。だったらこちらか」

と経験と勘に頼って不具合箇所を見つけ出すのに比べれば遙かに便利で早い。
それは分かる。だけど、俺の車、ヒューズが切れていただけだろう? そんなこと、症状を聞けば想像できたんだろう? コンピュータの力を借りるほどのことか? コンピューター制御されていない車だったら、とりあえずヒューズを交換して、

 「あ、治りましたわ。まあ、時間もかからなかったし、部品代込みで1000円もらっておきますか」

という程度だろう?
それが、部品代込みで4851円
技術の進歩。それはいい。だけど、技術の進歩は消費者から大量の金を巻き上げることによって支えられているらしい。
ヒューズ交換が5000円ね……。

 

9日はもうひとつニュースがあった。
妻女が感染したらしい。
それはそうだろうな。私だって、桐生に戻ったあとは何となく熱っぽく、昨日は下痢をした。横浜にはたった1日いただけなのに、瑛汰菌が私にも飛び移ったらしい。
ましてや妻女は、6日から居続けだ。私より長い間菌にさらされている。それに、持病のために免疫抑制剤を飲み続け、感染に弱くなっている。
瑛汰のパパも、どうやら熱っぽいらしい。加えて、璃子にも中耳炎が発見された。我が家と次女の家族はいま、全滅の危機に瀕している。

次女が回復すれば、次は次女が妻女の看病をするのかなあ。

ハックショーン!

いかん、くしゃみだ。鼻水も出始めた。今日になって下痢は止まったが、私もまだ完全回復には至っていない。

この体調での一人暮らし。まだしばらく続きそうである。