2011
06.09

2011年6月9日 暇

らかす日誌

である。
まるで、夕刻からの飲み会のために昼間の時間をつぶしているような日々だ。
そう、今週は火曜、水曜、そして明日金曜と、3回も飲み会が設定された。それぞれ相手は違うのだが、その3回にすべて顔を出し、酒を飲むのは私である。

他人事なら、心から

「ご苦労様」

という。自分のことだからそうもいかず、

「さあ、今日も飲まなくっちゃ。頑張らなくっちゃ」

と自分で自分に言い聞かせる今週である。

週3回の飲み会を負担に感じ始めたのは、いつ頃からのことだろう?

といいながら、飲み会の席で

「じゃあ、次はこんなメンバーでやろう。日時と場所、設定してよ」

と自分で言い出すのだから始末が悪い。
おかげで、来週火曜日も飲み会になってしまった。
頑張れ、大道!

 

で、2日連続の飲み会の次の日、つまり今日は健康診断の日であった。

「あのね、健康診断に合わせて体調を整えるなんて、おかしくない? いつも通りの暮らしをしながら健康診断を受けるのでなければ、健康的な日々を過ごしているかどうかなんて分からないじゃないの。一番いいのは、最も不健康な暮らしをしている間に健康診断を受けることさ。そうすれば、自分の最悪の体調が数値で出る。それを見て、やばいと思ったら暮らし方を変える。こんなもんか、と思える数値なら、同じ暮らしを続ける。それが知恵ってものでしょう」

と人様には説く私ではあるが、さて、自分の事となると……。

昨夜は午後6時のスタートであった。飲み、食い、語る。とりあえず一段落したのは午後10時過ぎである。
その時、ふと思い出した。

「そうか、明朝は健康診断が終わるまで食事できないんだよな。口に入れていいのは水だけだったはずだ」

思いついたとき、口から言葉がこぼれていた。

「ラーメン食って帰ろ!」

かくして3人、ラーメン屋に入り、チャーシューとピータン、それにビールを3本頼み、酒の部を仕上げた。酒の部が終わったら腹の部である。

「ラーメン3つね」

完食して自宅に戻ったのは11時半である。
やはり私は、言行一致の人である。

 

今朝は7時前に目覚め、水を飲みながら新聞を読み、読み終えてシャワーを浴びた。前夜、風呂に入っていないからである。8時半、診断してくれる病院に向けて出発した。

私の場合、健康診断で正常値から外れた数字が出るのは血圧と中性脂肪値である。
右耳の高域性難聴も毎回指摘されるが、これは何ともしようがない。30代に大学病院で検査をしたが原因不明、従って治療も不可能という判定を下された代物である。
いつも

「チーッ」

という音が右耳で鳴り響き(これは耳が外部の音を拾えないため、体内の音が聞こえているとのことだ)、人の話が聞こえにくい。だから電話を右耳にあてることはなく、酒席ではいつも右端に座る。私の右に人がいると、その人の話が聞き取りにくいからである。
問題があるとしても、その程度のものだ。

が、血圧と中性脂肪はそうはいかない。
血圧が高いとのぼせるし、赤ら顔になる。たまには、頭痛も発生する。

「心臓肥大、脳梗塞の危険もある。降圧剤を飲みなさい」

という医者もいる。

そういう話に、一切耳を傾けないのは私の学識故である。

何の理由もなく血圧が上がるはずがない。身体は必要を認めて血圧を上げているのである。血圧を上げないと、必要なところに血液を送り届けることができないからである。
それを、薬の力で無理矢理下げたらどうなるか。必要なところに血液が届かない。身体の末端は栄養不足になり、冷えなどの症状が出る。脳に血液が不足すればいつも頭がボーッとする。
それは暮らしの質を下げる。
降圧剤を飲まない理由である。

降圧剤を飲まずに血圧を下げようと考えた。だから散歩を日常にしていた。

だが、今回の検診は不安である。
腰にヘルニアが出て、医者に散歩を止められているのだ。常時携行している万歩計によると、散歩しなくなってからの1日あたりの歩数は少なければば2000歩未満、多くても5000歩止まりである。ちなみに本日は2935歩だ。
これが、血圧にどう出るか?
数字を見るのが嫌で、自宅での血圧測定も辞めているのである。

おまけに、だ。前日、前々日と飲み会が続いた。飲み会の始めは

「そういやあ、健康診断だよな」

という緊張感がある。だが、そんな緊張感が長続きするはずがない。量を控えようという気持ちなど、30分もすればどこかに行ってしまう。挙げ句に

「明日は朝飯食えないから、ラーメン食って帰ろう!」

である。身体に、血圧にいいはずはない。
ドキドキしながら、というのは大げさだが、大いなる関心を持って血圧を測った。

148ー94。

確かに、やや高めである。だが、目を向くほど高いわけでもない。 なーんだ、たいしたことないじゃないか。

「では、胸を見せてください。ちょっと聴診器をあてさせてもらいます」

胸のレントゲン写真を見ながら医者がいった。

「何か、胸の病気をしたことがありますか?」

いいながらあちこちに聴診器をあてる。

「はい、いっぱい吸い込んで、吐いて」

指示に従いながら、でも、医者の言葉が引っかかった。レントゲン写真で何か出たのか?

「いや、これまでは何もありませんが」

どういわれようと、これが事実である。だが、医者の言い方が気にかかる。何か異変を認めたのか?

「はい、結構です。レントゲン写真を見ると、肺も綺麗だし、心臓も正常ですね」

おいおい、だったら、さっきの質問は何よ! いらざる心配をさせて!!

 

身長181.5cm、体重84.6kg。身長が縮むのは一休みだし、全く散歩をしなくなった割には体重もそれほど増えていない。それに、着衣のままで量った体重で、ポケットには財布やキーホルダー、車のキー、ライターなどが入っていた。衣服と合わせて2kgまではないだろうが、ま、実質体重は83kg前後であろう。許容幅の中である。

 

とりあえずのところは心配なかろう、というのが自己診断である。
あとは血液検査の結果を待つしかない。

 

ギター教室の帰り、車の距離計が50000kmになった。5年で5万km。あと10年は乗るつもりの車だから、そのうち10万kmも超すのであろう。
しかし、これだけ乗っても飽きない。

「美人は3日見たら飽きる。ブスは3日見たら慣れる」

という。
だが、そうか?

本当にいい女は3日で飽きることはない。5年乗って、ますます愛着がわく。思い入れが深まる。3日で飽きる美人は、実は美人ではなかったのである、と考えたのは、5年を経過した我が車への愛着が一段と深まったからである。

そして思う。
5年見続けても飽きない美人に出会いたいなあ。