02.23
2013年2月23日 喫煙問題
またまた禁煙派と、それに肩入れする朝日新聞が、我ら愛煙家に脅しをかけてきた。
今日の朝日夕刊に、
「飲食店の受動喫煙、北京並み」
という見出しの記事が出た。何事ならんと読むと……。
中国で、PM2・5と呼ばれる微細粒子状物質(直径が2.5マイクロメートル、つまり0.0025ミリメートル以下の浮遊物質。工場の排煙や自動車の排ガスに含まれているそうだ)が、大気汚染の原因、ひいては健康被害の大本と問題化しているが、おっとどっこい、日本はもっと大変なことになってまっせ。
あんたら知らんかもしれへんが、日本で喫煙可をうたってる料理屋やカフェの汚染度、大変なもんでっせ。福岡の喫茶店は1立方メートルあたりで平均371マイクログラムもあるし、横浜のカフェで測ったら200~700マイクログラムもありましたんや。
よろしいか、これ、中国の屋外と同じでっせ。わてら、スモッグがあんなになるまで放っておくなんて、中国人はアホや、いうて笑っとる場合やおまへん。ここで働いてる兄ちゃんや姉ちゃんは、中国・北京のホームレス並みの呼吸しかできてまへんのや。
何とかせなあきまへん!
と書いてあった。
素直な読者なら、
「それは大変だなあ。やっぱり禁煙を徹底しないと、日本人はみんな健康を害してしまうぞ」
と眉間を曇らせるのであろう。
が、私は名だたる「素直でない読者」である。
「この記事、変だ! ふざけんじゃねえ!!」
と直ちに思ったのである。
まず、数値の取り方がでたらめだ。福岡では平均371マイクログラム。横浜では200~700マイクログラム。これだけ幅のある数字を示されて、
「中国の屋外の濃度と同様の濃度」
といわれても、頭を抱えるばかりではないか。中国の屋外濃度はどれほどあるのか。200なのか700なのか。「同様の濃度」と書くからには、日本が中国を上回っているのではなかろう。もし上回っているのなら、
「中国の屋外以上の濃度も」
と書くはずだ。
とすれば、中国の屋外濃度は、少なくとも700以上である。例えば、中国を800マイクログラムとしてみよう。これに比べて、371マイクログラムは「同様の濃度」なのか。200マイクログラムはどうか。
一見科学的な記事であるのに、この数字への無頓着ぶりは見事である。
それに、だ。
ここに書かれている、タバコによる微細粒子状物質は、本当に健康に悪いのか?
私が子供のころ、というか、大学生になってからもそうであったと思うが、日本のバス、電車、汽車は、すべて喫煙可であった。流石に満員の車内でタバコを吸う人はほとんどいなかったが、多少混んでいるぐらいなら、愛煙家は遠慮せずにタバコを取り出し、マッチで火をつけた。当然、車内中に副流煙が行き渡る。バスに乗る、電車に乗ると言うことは、タバコの香りをかぎに行くことと同じであった。
つまり、私の世代は、子供のころから副流煙にまみれて生きてきた。私より年長の方々も同じである。
なのに、日本人の平均寿命は縮まることを知らず、一貫して伸び続けて、いまや男も女も世界のトップクラスである。
タバコの副流煙とは、本当に健康に悪いのか?
「当時は、世界中がタバコを吸っていました。その中で日本人の平均寿命が延びたのは、豊かになって栄養状態がよくなったこと、環境衛生が徹底して極めて清潔な町になったこと、医療制度が充実したこと、などに寄ります。いま、世界の潮流はタバコ離れです。日本も禁煙を徹底しなければ、日本人の平均寿命はやがて、禁煙を徹底した欧米に抜き去られます」
という反論が直ちに返ってきそうだが、それって本当か? 単なる思い込みではないか? あの、脂ぎった欧米の連中の寿命が今以上に延びると、本当に信じてるの?
そんなこというの? だったら俺、タバコを吸いながら120歳まで生きてやろうか?
そうだな、そうすれば、ほら、貴女、貴女とは30歳の年の差があるが、私が120歳になれば貴女は90歳。ね、年の差なんて関係ないだろ?
いずれにしても、である。
テレビが流す北京の町の様子は衝撃的だ。モヤで先が見通せない。少なくともテレビに映る人たちはマスクをし、日本製の空気清浄機が奪い合いになっているという。
日本国民全体に、
「北京は人が住める状態ではなくなった」
という思いが強まったいま、
「タバコが吸える日本の屋内の空気は、北京以上にひどい状態です」
と、比較可能な数値も示さずに喫煙の害を訴えかけるのは、
「この薬なあ、ほんまによう効くんでっせ」
といいながらジャケットの前を開け、肩から吊したホルスターに収まった拳銃を見せるやくざ商法である。品がないこと、この上ない。
科学を標榜するのなら、科学的に読者を説得せねばならぬ。
朝日新聞殿、ご一考願いたい。
にしても、記事の元になった学者さんたちも、これでいいのかねえ……。