01.24
2015年1月24日 人質
イスラム国に捕まっちゃった日本人2人。身代金支払期限はすでに過ぎたのに、何の動きもない。いったいどうなっているのか。
この事件、分からないことが多すぎる。
イスラム国は身代金2億ドルを要求し、支払期限を示した。しかし、彼らはどうやって身代金を受け取るつもりなのか? 身代金誘拐で一番難しいのが身代金の受け渡しであることは、黒澤明の「天国と地獄」を見たことがある人ならおわかりのはずである。
現金を受け渡すとなると、犯人側は必ず現金のあるところまで出向かねばならない。自分を人目にさらさなければ、現金を受け取れないのだ。
加えて、今回は何せ2億ドルだ。現金での受け渡しなど、嵩張って、重たくて、到底不可能だろう。とすると、指定の銀行口座に振り込ませるのか。今時、イスラム国名義の口座を設けている銀行がどこかにあるのだろうか? そんな銀行がもしあったら、米国をはじめとする主要国の圧力で倒産するはずだが。
小切手? 現金化するときに足が着く。
となると、やっぱりトラックに札束を積んで指定されたところまで出向くと、目出し帽にカラシニコフという出で立ちのイスラム国国民が数人で待っていて、自分たちのトラックに積み替えて、運んできた連中を追い返すか、あるいはそこで射殺するか。
いずれにしても、いったいどうするんだろ?
それに、よくわからないのが湯川遥菜という人だ。
どういう訳か、民間軍事会社を起業した。もちろん日本人だから、戦闘経験はないはずだ。そんな全くの素人が、
「お金を出してくれたら、戦争してあげます」
なんてセールスして、本当に金を出す人間がいるとでも思ったか? もし万が一、
「わかった。とりあえず1年間契約しよう」
という客が登場したら、敵の銃弾に我が身をさらしながら、敵に照準を合わせて引き金を引くつもりだったのか?
軍事おたくのなれの果てとも思えるが、いずれにしても理解しにくいキャラクターだ。
加えて。
少なくとも、戦闘を職業に選んだ人である。戦闘とは、敵を倒すことあれば、自分が倒れることもある。つまり、彼は自分の命を金に換えようとしたのである。
であれば、敵に拉致されることも、敵の銃弾に倒れて死ぬことも覚悟の上の起業ではなかったのか?
それなのに、1億円の身代金と引き替えになる人質として現れる。先頭に立って戦うどころか、戦いの足を引っ張る役割しかしていない。
彼の「潜在顧客」たちは、
「雇わなくてよかった」
と胸をなで下ろしているかも知れない。
後藤健二さんは、報じられるところによると、世界の困難な地域にいる子供たちを取材して回るジャーナリストだという。紛争最前線に身を置く組織ジャーナリストが払底している中で、活躍の場は広かったようだ。
紛争や貧困の中で生きる子供たちの姿を世界に伝える。立派なジャーナリスト精神である。
が、だ。その後藤氏が、何故に湯川氏の救出に向かわねばならなかったのか?
湯川氏は昨年8月、シリア北部で拉致された。これまでの情報では、民間軍事会社を起業、
「まず現場を見なければ」
と現地に向かったのだという。何処で手に入れたのか武器を持ち、なんと、あの田母神おじさんと並んで写った写真もあるというから、まあ、その手の人である。
つまりこの人は、自らを戦闘現場に置いて命をやりとりすることを職業として選んだ人だ。徴兵されたわけでもない。国家の一員として期待されたわけでもない。職業選択の自由がある社会で、あえて「民間軍事会社」、つまり、傭兵会社を立ち上げた人なのである。
そのような確信を持った人を救いに行くより、選んだのでもないのに戦闘地域に生きざるを得ない子供たちの姿を、不気味さだけが伝わって実態がよくわからないイスラム国の本当の姿を世界に伝えることの方がはるかに価値がある、と思えて仕方がない。
と、様々な疑問を持ちながらも、2人の無事を祈らざるを得ない。変な人だから殺されてもいい訳はないし、理解できない救出行に出たからといって、見捨てていいはずがない。
だが、2人は無事救出されるのか?
そもそも救出する手立てはあるのか?
朝目が覚めるとまずテレビをつけ、NHKのデータ放送で2人関連のニュースを探す日々が続いている。
2015年、我が愛車の無故障を願って新しい年を迎えたのに、数日前、またまた警告灯が点いた。年末に悩まされたのと同じ警告灯である。
「やっぱ、ダメか?」
警告灯尽きっぱなしの車で家に戻り、さて、どうしたものかあれこれ考えた。
・やっぱりう、修理をする
・買い換える。ただし、できるだけ値落ちしない別の車にする。例えばBMWミニの中古。100万円で買って4年乗り、30万円で売ってBMWの次のモデルを買う
・仕方ないから、BMWに買い換える
さて、最も合理的なのはどれだろう? いまの車、修理がこれっきりであと4年乗れるのなら修理が一番いいわけだが……。
考えながら、夕方、酒を飲みたいとやって来た後輩を新桐生駅に迎えに行くと……、
消えたよ、警告灯!
警告灯が勝手に点いたり消えたり。点いても、エンジンの調子がおかしくなるわけではないし。わけのわからない車である。
31日、妻女殿の歯の治療で横浜に行く際に、この車を買ったディーラーによって点検してもらうことにした。殺し文句は
「4年後には必ず買い換えるから」
である。そういわねば、なるだけ新車を売りたいディーラーは親身なってくれない、と疑ってのことだ。ねえ、急がば回れって、知ってる?
さて、どのような結果になるか。