2017
10.19

2017年10月19日 小池百合子

らかす日誌

昨日、「ヒトラーとは何か」という本をご紹介した。あれを書いた後で、後書きを読んだ。昨日の原稿に、いくつか付け加えたいことがある。

・筆者のセバスチャン・ハフナー氏は1907年生まれ。ヒトラーの時代を呼吸したジャーナリストである。1999年没。

 ・使っていたのはペンネームで、セバスチャン・バッハと、モーツアルトの交響曲、「ハフナー」からとった。生粋のドイツ人である。

 ・ドイツで執筆活動をし、8歳年上、バツイチのユダヤ人女性と恋に落ち、ユダヤ人への迫害が強まってイギリスに亡命。

 ・イギリスで最も古い伝統を持つオブザーバー紙のコラムを担当。

 ・戦後、ドイツ問題で経営陣と対立、ベルリンに左遷された後退社。

 ・西独の全国紙ヴェルトに職を得るが、ここでも経営陣と対立、退社。

 ・リベラル左派の週刊誌主手るんんい拾われ、活躍。

職を辞すことをいとわない、筋金入りのジャーナリストであった。そのような人種が国内には枯渇している現状なので、「らかす」読者に皆さんに、その一時を是非知っていただきたかった。

 

昨日の続きは以上として、本日は小池百合子である。特集していた「新潮45」を興味深く読んだ。読んで、私の小池嫌いはまだまだ底が浅かったと反省した。

「空っぽの独裁者『小池百合子』」

の著者は作家・作詞家の肩書きを持つ適菜収氏である。この人、鋭い筆で世を読み解く。時折週刊誌で目にして、小気味よさを感じた人だ。

その適菜氏は、実によく小池百合子とという政治家を観察している。

 ・小池は徹底的に大衆を侮蔑し、そして、そのことにより大衆の支持を集めた。

 ・築地市場問題で、「安心の明確な基準はない」といいながら、「安心の確保が欠かせない」という。すべては小池の胸先三寸で決まるということだ。

 ・かつて原発推進派であった小池がいま「脱原発」を掲げる。小池にとって言葉とは世の中を欺くためにだけ存在する。

 ・小池は究極の風見鶏である。

 ・「せーの、で一斉に社会を変える」と小池はいう。同じことをやったのがフランス革命だ。

 ・オリンピックの期間、ラジオ体操を都庁職員に押しつけた。「都民、国民が一つになれる」と。ファシズムとは「一つに束ねる」ことである。小池はファシストだ。

 ・しがらみのない政治とは恩知らずということである。小池は恩を受けた人を何度も煮え湯を飲ませてきた。

 ・都庁での小池の評価は、桝添、石原に比べてもはるかに低い。

少しページをめくっただけでも、これだけの材料がある。ふむ、この観察力、分析力は凄い。豊富な材料を縦横無尽に使い、小池にすり寄る若狭は、元検事のくせに2院政の意味を理解しないまま「一院制への改革」を唱える極めて悪質な人間と唐竹割にし、細野を「路チュー不倫で女房を裏切」った卑劣な男と切って捨てる。
この論文を読むのは快感である。

「新潮45」はそれだけでは済ませない。「落選させたい政治家13人」を名指しで挙げる。直撃を受けているのは

・山尾志桜里

 ・稲田朋美

 ・野田佳彦(かつてのドジョウ)

・菅直人

 ・小沢一郎

 ・小渕優子

 ・若狭勝

 ・安倍晋三

 ・蓮舫

 ・今井絵理子

 ・福島瑞穂

 ・松井一郎(大阪府知事)

・翁長雄志(沖縄県知事)

・豊田真由子(なぜかこの人は「番外編」で、生き恥をさらして生き延びよ、とある。褒め殺しなのだろうと思うが、文章が曖昧でよくわからない)

まあ、衆議院選挙を前に、参議院議員や知事さんが混じっているのが不可解だが、応援弁士に飛び回っているから、ということか。この人選に違和感はない。私もかつて、野田ドジョウ、イラ菅を口を極めてののしったことがあるので、我が意を得た思いである。
まあ、不倫疑惑の山尾志桜里だけは

「罪はそこまで深くはないだろう」

と思う程度である。

そうそう、小沢一郎氏についても、疑問符をつけさせていただく。かつて私が期待した政治家であるからだけではない。筆者が信用ならないからである。
私、この筆者を個人的に知っている。知っていて、信頼関係を裏切られた苦い思い出がある。彼が何を書こうと

「あんたにだけは言われたくないよ」

という思いを抱きながら齢を重ねている。
彼が叩く小沢一郎。

「ほんとかよ?」

ということである。

さて、22日、投票に行こうと思っている皆さん、書店に立ち寄って「新潮45」を立ち読みしてみましょう。誰に投票をするかは、それから決めても決して遅くはありませんぞ。