2017年11月7日 キョウキタ

らかす日誌

え−、今日のタイトルは、「アスクル」の次は当然「キョウキタ」、ということで‥‥。

午前9時過ぎに車を引き取りにいった。事務所前の駐車スペースに、薄いグレーのBMW320dが止まっていた。これが競り落としていただいた、今日から私のものになる車である。当然ながら、群馬ナンバー。長年横浜ナンバーの車を走らせてきたから、うん、ここは少し寂しいが致し方ない。

事務所に入って譲渡契約書にサインした。これで車は我がものである。自動車保険の手続きは昨日済ませてある。

まず、外見。グレーのスーツはたくさん持っていたが、車の色としては好みではない。が、いかんせん中古車である。しかも、できるだけ安く落として欲しいとお願いした中古車である。色の好みは抑えるしかない。

気に入ったのはホイールだ。太いリムが10本出ていて、リムトリムの間が広い。ということは洗車の時、洗いやすいということだ。昨日までの車はリム間が広いのと狭いのと入れ子になっていて、狭い隙間は実に洗いにくかった。

目立つ傷はない。フロントバンパーに薄いひっかき傷が、目をこらせば見える程度である。

外観のチェックが終わればいよいよ運転席に座る順番だ。

「よかった!」

と思ったのは、シートがファブリック(布)だったことだ。これまでディーラーが貸してくれた車はどれも皮のシートだった。余り高級感のない皮で、しかも座面のクッションが悪かった。ぺったんこの椅子、といった感じで、しばらく座っているとおしりが痛くなる。

「今度の車はシートの出来がよくないから、座布団と強いて座った方がいい」

とは、車の入れ替えを決めたあとで我が妻女殿に伝えたアドバイスであった。それはすべて、皮のシートの印象から来たものであった。
ところが、このファブリックのシートは悪くない。昨日まで乗っていた車とさほど変わらない。形はやや背中の部分がへこんでいるような感じもするが、皮のシートに比べればずっと座りやすい。
この車、320dを名乗る車の中ではもっとも価格が安いものだ。ディーラーが貸してくれたのは、それより20万円ほど高いものだった。20万円でシートを皮にしたり内装をオシャレにしたりしているのだろうが、安い車の方がシートの座り心地がいいとは、なんともはや、おかしな話である。
が、私にとっては

ラッキー!

である。

エンジンをかけるとナビがすっと立ち上がるのも、久々の体験である。昨日までの車はナビが動いたり動かなかったりで、ナビはもっぱらiPhoneに頼っていた。今日からはiPhoneは電話機としての役割を果たしてくれればよい。

走りはもう少し時間をかけなければきちんとしたことは書けないが、数十㎞走った印象は

「普通に走る」

エンジン回転が低い時はややディーゼル臭というか、ゴロゴロした音がするが、少し速度を上げれば気にならない。

新しい発見は、USBメモリーに音楽や落語をMP3で入れておけば再生してくれることだ。昨日までの車にはその機能がなく、ためにSONYのポータブルプレーヤーを使っていたが、不要になった。

もっとも、使い勝手はよくない。いまは落語を聞いているが、噺家別にフォルダを作って整理しているのに、そのフォルダを無視してしまう。では、とアルバムを選ぶと、そのアルバムしか再生しない。1枚のアルバムが終わったら次のアルバムの再生に移る、なんていう、ごく当たり前のことをやってくれない。
アーチスト別で選択すると、そのアーチストの音楽や落語を続けて再生するようだが、同じ三遊亭円生でも、「三遊亭円生」と「三遊亭 円生」は違ったアーチストになり、「三遊亭圓生」も「6代目三遊亭圓生」も、もちろん別のアーチストになってしまう。つまり、パソコン上でアーチスト名を揃えておかねば同じアーチストとしては扱ってくれないのである。
これ、一世代前のMP3プレーヤーなのか?

仕方なく、さて、数百枚に上っている落語のアルバムのアーチスト名を揃えなければな、と覚悟を固めているのだが、これが単にフォルダ名を書き換えれば済むという簡単な話ではなく、表面上には出てこないタグを書き換えるという作業になるので気が重い。

まあ、乗っていればほかにも不満は出てくるのだろうが、解決できるものは解決し、そうでないものは諦めて乗り続けるしかない。もっとも、これは新車で買ったところで同じことなのだから、元元の使い勝手の悪さを嘆くしかないのではあるが。

車内は幾分広くなった感じがする。

というあたりが第一印象である。
私のもとに来た時の走行距離は51900㎞。タイヤを2本交換し、エンジンオイル、ブレーキパッドを取り替えて、支払総額は188万円。町中の中古車屋なら300万円前後はするだろうという車がこの価格で手に入ったのだから、よしとしよう。

昨日までの車は、11年半で12万1000㎞乗った。年間走行距離は1万㎞強である。現役中のように走り回ることはないだろうから、これからの年間走行距離は8000㎞程度で済むとして、6年乗れば10万㎞である。
ガソリンエンジンより丈夫といわれるディーゼルエンジン。15万㎞は走れるとすれば、これから10年ほど乗ることになる。
いい買い物であったと信じたい。
ん? これが俺の最後の車?

さて、ここからは、オークションで落としてくれた整備工場で聞いた話だ。
車を整備していて、もっとも長持ちするのはトヨタの車だという。タクシーで使ってもなかなか壊れない。だが、日産やホンダの車は持ちが悪い。最近はベンツも良くないようで、走行距離が10万㎞前後になるとあちこち壊れる、というのである。

「うちで中古のベンツを買ってくれたお客さんがいて、10万㎞までは快調だったのに、突然エンジンマウントがおかしくなり、次にはリアのエアサスが壊れ、直ってきたと思ったらフロントのエアサスがいかれて、結局買った金額以上の修理代を払った方もいて」

まあ、機械のことだかから個体による違いもあるが、それが全体から受ける印象だろいう。

「へーっ、コストダウンの権化のようにいわれるトヨタ車が一番丈夫って、嘘みたいな話だね」

で、意見は一致した。世界に冠たるコストダウンをしながら耐久性だけは他の追随を許さないトヨタ車とは何者か?

もっとも、乗りたくなる車がないのもトヨタ車の現実ではある。

「そうですよね。レクサスだって、乗ってみればやっぱり『ああ、トヨタだよねえ』という車ですからね」

日常の道具として愛着が持てる車(私の場合、BMW)を選ぶのか、もっぱら長持ちを重視してトヨタ車にするのか。
消費者はその2つの選択肢の間で揺れなければならないようである。