2019
02.20

2019年2月20日 連載終了挨拶

らかす日誌

長くなるのではないかと危惧しながら始めた連載「総支配人」だったが、悪い予感とは得てして当たるもので、案の定長くなった。23回。ずっとお読みいただいた方々、誠にお疲れ様でありました。

できれば面白おかしく読んでいただきたいというのは物書きの性のようなものかもしれないが、いかがでありましたか? ひょっとしたら、長すぎて途中で投げ出された方もいらっしゃるのではないかと心配しております。

ただ、書いたことはすべて事実であります。匿名にしたのは当事者のことに気を回したからで、匿名にして、あれもこれもひとりの個人に押しつけて表現するなどということはしておりません。実名に変えれば、そのまま通用するお話しです。

と、ここで文体を変えて。

もっとも、「事実」といっても、私から見た事実である。ご本人の了解も取らずにご登場いただいた方々には、それそれぞれの立場からの事実があって、

「それは違う!」

と異を唱えられるかも知れないが、そこはお許しいただくしかない。
ねえ、私の

「ハーモニカを少々」

という返答に絶句された美智子皇后は、何をお感じになったであろうか? に立っておられた平成天皇の思いやいかに?
まあ、お二人のご記憶にはかけらも残っていないかも知れないが。

いくつか反省点もある。
あとで見ると、結構誤字・脱字がある。気がついたところは直したが、まあ、そこはそこ。流れに乗って読み進めていただければ何とか読みこなすことはできたのではないかと思うが、それは私の勝手な思い込みか?
それぞれの回にサブタイトルをつけなかったのも手落ちだと思う。途中で気がついたが、ずいぶん回数が進んでいたので無視した。ために、見出しを見ただけでは何が書かれているのか分からないシリーズになった。
いずれにしても、私のタイトルはいつもわかりにくいから同じことかも知れないが。

という訳で、この1ヶ月半ほどの間、日常雑記は一切書かなかった。まあ、たいしたことが起きなかったこともあるが。

この間に起きた最大のできごとは、瑛汰が無事、志望中学に合格してくれたことである。

瑛汰の試験は2月1日から始まった。
1日は午前、午後と別の学校を受け、2日が志望校、3日は第2志望校、4日、5日はすべてダメだった場合の滑り止め、という位置づけであった。

私が横浜に行ったのは、1月31日である。今回の役割は留守番。下の璃子がまだ小学2年生とあっては、ママと瑛汰が試験会場に出かけたあと、一人で留守番をするのは無理であろうということで、私に留守番役が回ってきた。
1日はパパも仕事を休み、ママと一緒に試験に付き合った。この日は金曜日。璃子は学校がある。3人を見送り、璃子と朝食を済ませて璃子を学校に送り出し、あとはひたすら読書。昼食は近くの中華料理屋で済ませ、夜は璃子と二人でディナー・デートである。

「璃子ね、浜寿司に行きたいの」

浜寿司とは、お寿司が回るお寿司屋さんである。

「璃子、浜寿司はきっと美味しくないよ。川崎に出かけたらもっと美味しいお寿司屋さん、回らないお寿司屋さんがあると思うぞ」

「いいの、璃子は回るのがいいの。浜寿司に行きたいの」

てなやりとりのあと出かけ、とりあえず腹が膨れるほどの寿司とラーメン(お寿司屋さんにラーメン!)を胃袋に納め、

「お兄ちゃんにお土産を持っていく!」

という璃子にお土産の品定めを任せ、締めて確か2200円
ま、これで美味かったら高い寿司屋は詐欺である。高い寿司屋が詐欺を働いていない証拠に、味はそれなりでしかなかった。

1日夜、その日午後に受けた学校の発表。無事合格しており、翌2日は瑛汰とママは本命の受験に、パパは仕事に、私と璃子は合格証書を受け取りに、と3方向に分かれて行動した。
私が向かったのは成城学園前である。川崎から南部線に乗り、登戸で乗り換え。無事合格証を受け取り、ショートメールでその写真を瑛汰と一緒にいるはずのママに。

しかし、である。成城学園とは大変な町である。恥ずかしげもなく

「うち、金持ちだもんね!」

と道行く人に見せびらかすに等しい家がずらりと建ち並ぶ。こんな処には済みたくても住めず、幸いなことに住みたいとは全く思わない私は

「ふむ、この人たち、どんな働きをしたからこんなところに住めるのかね?」

と首をひねりながら、璃子と二人で引き上げてきた。
璃子も、こんなところに住むような人にはならないよな?
横浜の自宅に戻り、璃子と2人でババ手製のビーフシチューで昼食。ついでに、ボス特性の野菜炒め。

3日は、第2志望の中学の受験日である。横浜の家から近いため、私が車で送っていく。
午後からは、1日に受験した学校と、2日に受験した学校の発表である。この時代だというのに、どちらもWeb上での発表はせず、校庭の掲示板のみでの公表である。

パパが、1日の学校に見に行った。ママと受験を終えた瑛汰が2日に受験した第1志望の学校の発表を見に行った。私と璃子はまたまた留守番である。璃子と、カラーロウソクを作ったのは、この日だったか、いやひょっとしたら2日だったか。

ママ(私の次女)から一報が入ったのは午後4時前だったと記憶する。

「やった! 受かった!

直ちに、桐生で留守番をするわが妻女殿に電話をし、四日市の長女に知らせ、長男にも連絡を入れた。
へーっ、ほーっ、受かったんだ。瑛汰、よくやったな。うん、ボスも嬉しい!

実は、5日夕、桐生で仕事があった。とある会議への出席である。が、第1志望に失敗し、5日まで勝負がもつれ込めば私は5日も横浜で留守番ということになる。そのため、1月末はかなり働き、私が出席できなくても何とかなるよう準備を整え、事務方にあとを託してあった。ところが、喜ばしいことに、私は5日まで横浜にいる必要がなくなった!

その夜は祝勝会である。瑛汰と璃子のリクエストで鶴見の焼き肉屋へ行った。ビールを飲み、肉を食らい、仕上げはスープにご飯を入れてかき混ぜ、スプーンで口に運んだ。

瑛汰、お疲れさん。よかったな!

という3日の夜であった。

4日に桐生に戻り、ふと思い出した。そうだ、うちにはもう一人受験生がいる! 四日市の啓樹である。この春から中学3年生。何とか行きたい高校に行かせてやりたい。

「啓樹、瑛汰が一段落したんで、今度はお前だ。ボスと勉強をするか?」

ということで、いま、同じ数学の問題集を四日市と桐生で解き進めている。公立高校の受験問題を整理したものだが、解きながら

「公立って易しいいな」

と思う。もちろん、使っている問題集が基礎固め編であるせいもあるが、私立中学のようなひねった問題は皆無である。基礎的な理解力を見る問題、といったらいいだろうか。

そのため、啓樹には、まだ授業で出てきていないところもこの問題集で身につけ、4月からはもう一段難しい問題集に取り組むぞ、といってある。より難しい問題が解けるようになれば、易しい問題ははるかに易しくなるからである。

しかし、頼まれてもいないのに押しかけ家庭教師。これも私の性格の表れか。
瑛汰は一段落したが、またまたやることを見つけてしまった私であった。