01.28
天気予報は良く当たる。
桐生は昨日深夜から雪だった。昨夜12時前に外を見たら細かな雪がチラチラ降っていた。
「ああ、たいしたことはないな」
と高をくくっていたが、今朝起きたら車に3、4㎝の積雪。雪は降り続いていた。
天気予報によると、桐生での降雪は昨夜12時から今朝9時まで。あとは雨に変わるとあったが、その通り、午前9時頃には雨に変わり、1日降り続けている。
まったく、最近の天気予報はよく当たる。高速のコンピューターを使って衛星からの気象情報を元に計算するからだろう。あてにならないものの代表例だった天気予報が華麗に変身を遂げたということか。
今朝は赤城山中腹の桐生市黒保根町に取材に行く予定だった。天気予報を見ながら、
「雪か。スタッドレスタイヤは履いたが、標高500mだからなあ」
とモヤモヤ考えていたところ、向こうから
「体調不良。延期求む」
とのショートメールが入った。
ひょっとしたら、私がモヤモヤしていたのが伝わったか? おかげで雪山(標高500mだから、多分そうなっている)に登らなくて済んだ。助かった。
とはいえ、仕事は済んでいない。明日以降、再び日程を調整しなければならない。
それにしてもコロナウイルスである。死者数が100人を超し、猛威を奮い始めた。
震源地は中国・武漢市。と聞いて思いだしたのが2003年に恐れられたSARSというのは、多くの人が共有することだろう。しかし、なぜ中国発の感染症がこれほど頻発するのか?
黒死病とは忠誠のヨーロッパで恐れられた感染症である。ペストの別命だが、この感染症にかかると皮膚が黒くなり、かなり高率で死に至るところから黒死病(Black Death)と呼ばれた。14世紀には世界の人口を4億5000万人から3億5000万人に減らした、ともいわれる。全世界で1億人を殺したわけだ。
ネズミが主な感染源とされ、感染したネズミの血を吸ったノミが人に移したといわれる。
欧州の各都市では、ずいぶん長い間トイレが整備されず、大小便は部屋で桶に貯められ、窓から通りに放り出されていた。マリー・アントワネットが暮らしたあのベルサイユ宮殿にもトイレがなかったのだから、あとは推して知るべし、というところである。つまり、今の目で見れば、衛生環境は劣悪だった。それが感染症の発生源になったことは間違いなかろう。
ということは、である。21世紀になってわずか20年たらら図の間に、2度も感染症の発生源になった中国の衛生環境は相当に遅れていると想像できる。私は中国本土には行ったことがないが、どの程度整備されているのだろう?
これは人を介して聞いた話だから、必ずしも正しくはないかも知れないが、ご報告しておく。
群馬県庁で観光についての会議が開かれた。群馬県は多数の温泉を抱える観光地である。当時の知事は中国からの観光客誘致に熱心で、観光旅館の経営者を集めて誘致推進策を練ろうという狙いだった。
一人の経営者が発言した。
「中国から客を呼んでいただけるのはありがたいが、呼ぶのは金持ち、学者、政府高官などに限ってもらえないか」
なぜ、客の範囲をわざわざ狭めなければならないのか。いぶかる事務当局に経営者は答えた。
「一般客は温泉の中で、湯船に浸かりながら小便をする。だから、彼等が去ったあとの湯船は尿の臭いが漂い、湯を抜いて洗浄しなければ次の客を入れられないんです」
いい、悪いの話ではない。おそらく、中国のある地域には、湯船に浸かりながら放尿する生活習慣があるのだろう。だから、日本に観光旅行に来ても、慣れ親しんだ生活習慣を繰り返す。悪気はきっとないのである。
さすがに、世界と付き合わねばならない経営者や役人、学者たちは世界平均の生活習慣を身につけている。しかし、中国を初めて離れるような人々は、生活習慣をそのまま持ち出してしまう。
まあ、かつての日本もそうだった。農協の団体旅行客が海外に行き、ガイドが持つ籏の後ろに素直に並び、ゾロゾロと連れ立って売春宿に繰り込む……。これも私が現認したわけではないが、多くの媒体でレポートされていた、経済復興なった日本の一面である。だから、中国からの観光客を責めるつもりは全くない。今の日本人がそのような指摘を受けることがなくなったの同じように、時間がたてば、彼等も世界標準の生活習慣を知り、中国での暮らしにも取り入れるはずである。
ただ、衛生環境に関して、現時点ではそれだけ認識の違いがあることは確かだろう。コロナウイルスの発生源とされている武漢市は人口1100万人弱。中国の重要な工業地帯といわれるから、中国の中でも近代化が進んでいる都市だと思われる。それなのにコロナウイルスの発生源になってしまった。
目覚ましい経済発展ほどには進まない衛生面でのインフラ整備、そして長年の生活習慣がコロナウイルスの繁殖の温床になったのではなかったか。
これは、私の乏しい知識からひねり出した解釈に過ぎない。くれぐれも、このまま信じないようにお願いしたい。
しかし、1000万人を超す武漢市民を、事実上幽閉せざるを得なくなった中国。
閉じ込められた市民たちはさぞや不安を募らせているに違いない。一日も早いコロナウイルスの終息を願う。