05.27
緊急事態が解除されて、皆様の暮らしは変わりましたか?
昨夜、友人2人と街に酒を飲みに出た。いつもなら5、6組の団体で賑わう店なのだが、午後6時頃入店して9時頃引き上げるまで、客は我ら3人のみ。あまりのことに気の毒になり、
「2割増しの料金でいいよ」
と思わず口走ったが、店主は
「いえ、それは」
と正規料金しか求めなかった。
それにしても、桐生の感染者は、伊勢崎市でウイルスを拾った2人だけで、その後は音沙汰がない。どう見ても、日本のチベットとも言われるらしい桐生はコロナウイルス安全地帯だと思うし、加えて緊急時代宣言が解除されたというのに、夜の客足はこの程度。
緊急事態が継続されていても解除されても、皆さんの心理は、まだ
「三蜜を避けなければ!」
にあるらしい。
慶賀すべきことなのか、悲しむべきことなのか。
そういえば、酒席が盛り上がる中(周りに誰もいない、たった3人の酒席でも、盛り上がるときは盛り上がるのです)、1人が
「この間一緒に飲んだNさんの工場を見てみたいね。染色の機械から液晶用の偏光フィルム製造機械を発想するなんて、あの人は天才だ!」
と叫び始めたので、その場でNさんに電話をし、工場見学の約束を取り付けた。そのNさんから
「ところで大道さん、何しているの?」
とご下問があったので、
「オヤジ3人で飲んでます」
と応じると、
「早いねえ。緊急事態宣言が解除されたばかりじゃない。もうやってるの!」
と驚かれた。いや、この程度で驚いていただいては立つ瀬がない。
「だって、桐生はどう見ても安全地帯でしょ。宣言が出ている間にも何度か町で飲んでますよ」
とご説明申し上げると
「……」
という話の延長で、この会社には、6月2日に訪問することにした。
「もうやってるの」
とおっしゃるぐらいだから、Nさんは極めてマジメに自宅待機をお続けになり、そろそろ堪忍袋の緒が切れかかっているのだろうと推測し、
「午後3時に工場に伺って、その後流れる、という段取りでいいですか?」
とお訪ねすると、
「おお、いいね!」
と嬉しそうな声が返ってきた。
宣言解除後の世の中は、このようにしながら少しずつ旧に復するのだろう。
「いや、旧には復さない。コロナウイルスは世の中が変わるきっかけになる」
とおっしゃる方もいらっしゃるが、さて、どこがどう変わるのだろう? ずっと前に書いた、生産拠点の分散が始まる、程度のことしか私は思いつかないが……。
そういえば、マスク愛用者が増えるのかな?
しかし、である。今日、外に出てみたら、我が家の前を通って散歩する人たちの顔からマスクが消えていた。これも宣言解除に伴う変化だろう。どこかにコロナウイルスを恐れる気持ちは持ちながら、でも少しずつ旧に復する。何しろ、マスクをしてると蒸れるもんね! なんだか、いまを時代に中のいまを象徴している図に見えた。
ところで。
数学の勉強、順列・組み合わせの勉強はなかなかはかどらない。はかどらないばかりか、困惑を増す日々である。
こんな問題があった。
トランプのダイヤのカード1そろい13枚を、よく切ったあと、1枚ずつめくって机の上に、左から右へと1列に並べていく。ただし、めくったカードがそのときの右端にあるカード(1枚の場合はそのカード)より小さいときは、めくったカードは捨てるものとする。
並べ終わったとき、7が机の上に残っている確率を求めよ。
うっ、と詰まった。13枚のカードを1列に並べる並べ方は、13!通りである(多分)。確率だから、それが分母になる。計算すると、分母は62億2702万800になる(電卓を叩いたから、多分正しい)。こんな巨大な数を分母にした計算をする? いや、これはどこか考え間違いをしている。第一、分母が分かったところで、では7が机の上に残る場合の数を出して分子にせねば確率の計算はできない。どうする? ……。
1時間ほど考えても何も思いつかない。まあ、私は学習中の身である。すべての問題を自分で解けるのなら学習する必要はない。であれば、分からぬ時は解答を見る。
……。
見て唖然とした。どんな解答があったと思います?
要約すると、7が残るのは、7から13までの7枚のカードのうち、7が最初に出たときである。7枚のカードのうちの1枚が最初に出る確率は皆同じで、7分の1。よって7が残る確率は7分の1。
いわれてみれば確かにその通りである。しかし、この問題文からそのような答に至る道筋を思いつく頭を、どのようにしたら作れるのか? 71歳のいまからでも間に合うのか?
日暮れて道遠し、を思い知らされた1問であった。
コロナウイルス、世界の死者数が35万人を超えた。アメリカはとうとう10万人の大台に乗り、ブラジル、ロシアの勢いはまだまだ止まりそうにない。
日本の26日の死者数は16人で前日より6人多かった。小康状態というところか。
明日も元気でありたい。