2020
10.07

Make Trump great again!

らかす日誌

我らがトランプ氏が、残念なことに幸いなことに退院されました。ホンマ、新型コロナにも負けない強い大統領であらせられます。病を押して職務に邁進されるトランプ氏の勇姿をを様々なメディアで目にしたアメリカ国民はさぞ心強いことでしょうなあ。

ただいま、アメリカの新型コロナ感染者772万6175人、死者21万5909人。感染率は2.36%、感染者の死亡率は2.79%です。トランプ氏は2.36%の一員となり、いまのところ2.79%に加わらずに済んでいるわけです。
しぶとい!

もっとも、医師団は

「まだまだ安心できない」

と警戒されておられるようですから、私は期待を繋いで心配でございます。トランプ氏は15日の2回目の討論会を楽しみにしているとアナウンスされている模様で、さてこの勝負、トランプ氏の勝ちか、医師団の懸念が押し切るのか。結果は見てのお楽しみというところで。

それにしても、である。政治家の執念とはこのようなものなのか。いや、トランプは政治屋と呼んだ方がいいようだが、いずれにしても、ホワイトハウスの階段を上ったトランプはかなり息切れしていたと報じられている。そりゃあそうだろ、高熱を発し、酸素吸入を受け、しかも

「新型コロナういするは去った!」

というご託宣を医師団からもらえないままなのだ。いまでもウイルスが体内にいて、トランプの身体を攻撃していてもおかしくない。それでも

「こんな時にベッドに寝ていられるか」

と起き上がり、ホワイトハウスに戻り、仕事をしている振りまでする(彼が向かっていた書類は、実は白紙だった、とアメリカのメディアは報じた)。まさに執念と呼ぶしかない。大統領の椅子って、そんなに座り心地がいいのかな?

トランプにしてみれば必死にならざるを得ないことは分かる。大方の予想を覆して大統領なったのが4年前。メキシコとの間の壁がどうなったのか私は知らないが、この4年間、イラン核合意から離脱し、地球温暖化を防ごうというパリ合意からも脱退した。逆らう閣僚、官僚の首は次々と切り、いまやかつての閣僚に、いかにトランプという男がアホウで自分のことしか考えない利己主義者であるかを暴露した本を出版され、姪っ子にまで批判本を書かれた。次の大統領選挙に負けるようなことがあれば、アメリカは国を挙げて

「トランプの馬鹿!」

一色に塗りつぶされるはずである。

「こちとらは恐れ多くもアメリカ合衆国の大統領だぞ。何をたわけたことを。革命勢力に死を!」

と力み返ったところで、屁の突っ張りにもならない。自分が馬鹿でないと証明するには大統領選挙に勝って2期目に突入するしかないのである。

ところが、今年に入ってマイナス材料ばかり。コロナ感染の拡大を赦し、あたふたと感染拡大を抑えるのではなく、コロナ感染拡大を放置した大統領との悪評を消そうと四苦八苦しているところに、税金をほとんど納めていなかったという報道が襲いかかった。支持率は急落し、いまや民主党のバイデン候補に水を開けられている始末である。

「このまま行けば選挙で負ける」

程度の正しい認識は持っているのだろう。だからコロナ感染、入院治療、という思いもしなかった逆風に、息切れする身体で敢然と立ち向かおうとしているのである。いや、後世の歴史に

希代のアホ大統領、無能大統領

と書かれないためには、ここで必死をコクしかないのである。

74歳。肥満気味。高コレステロール。心臓病。こんなガタガタの身体で、階段を上るだけで息が切れる状態で、ホワイトハウス内にコロナウイルスをまき散らす危険性を顧みることなく(ま、自分のことしか考えないあの性格だったらそうだろうなあ)、トランプは戦う、己のために。Make Trump great again!

ご苦労さん。