2020
11.08

結果がやっと出ましたね、大統領選挙。まずはよかった!

らかす日誌

土曜、日曜も働く。平日も働く。
土曜、日曜もサボる。平日もサボる。
なんだか最近、生活に日々のリズム感がなくなった。

「週末だから仕事しなくていい!」

と躍る心がなくなった。平日も週末も、仕事があればやる。なければいろいろなことで時間を潰す。そんな平板な暮らしである。

今日も朝から原稿を書いた。シャーリングという、聞いたこともない仕事についての原稿である。
シャーリングとは「刈り揃える」という意味である。何を刈り取るのかというと、刈り取るために布に織り込まれた糸を刈り揃える。そうすることでアップリケをくっつけたような生地ができたり、ベルベットのような肌触りが優しい生地ができたりする。繊維業界の特殊な仕事である。

とは、取材をして、ネットで調べて初めて分かったことだから、偉そうな顔はできない。とにかく、シャーリングという仕事では、多分全国で1、2を争う会社が桐生にあり、その会社を取材して文字にしたのである。

難しい。とにかく難しい。現場には様々な工夫があり、道具や機械も肝心なところは自主開発。それを文字と写真でどう表現するか。
時折、

「こんなもん、文章で表現できうるもんか!」

と投げ出したくなるが、私が諦めれば誰も文字にはしてくらないだろう。文字にしないことにはこの仕事の大切さ、面白さを知る人が増えず、私の仕事も完成しな。グッと踏ん張るしかない。
記者時代にも

「こんなもん、どう書けばいい?」

という仕事に何度も出っくわした。あのころは相談できる先輩や同僚がいて、全体の捉え方にアドバイスをくれたり、知識を分けてくれたり、間違いを正したりしてくれた。いまは、私1人。厳しさは当時の比ではない。
と泣き言を言いながら、桐生の繊維関係の職人さんたちを訪ね歩く仕事を進めていて、難しさに楽しさを感じている私である。

それはそれとして。
しかし、時間がかかるものですなあ、アメリカ大統領選挙の開票。投票日は3日だったというのに、結果が判明したんもはやっと今日になって。ずっと優位に立っていたバイデンがやっと当選悪実となった。ペンシルベニアとネバダでの結果が決め手になった。いよいよトランプの粘りというかいちゃもん付けというか、居座りというかがが始まるのか? それにしても、情報通を持って任じながらトランプが勝つと断言した木村太郎、どう辻褄を合わせるのだろう?

にしても、である。あのトランプにこれだけ票が入るとは驚いた。だって、トランプにとっては権力も制度も国民もすべて自分の為にある。所得税のないフロリダに住居を移すばかりか、数々の脱税疑惑は、トランプを支持しているプア・ホワイトと呼ばれる層から見れば裏切りだと思うのだが、あの方々は基本的な判断力を失っているのか? そういえば、トランプが経営する企業の従業員はトランプから見れば奴隷同然のはずだ。彼らはなぜ転職しないのだろう?

それにも増して驚いたのは、日本にもトランプ支持者が多数いることである。確かYahooニュースだったと思うが、

「どちらが勝つと思いますか?」

というアンケート調査の結果を出していた。投票が始まるころは

「トランプ」

が60%を超していた。
開票が始まるとさすがにその比率は下がったが、それでも58%。つまりアンケートに答えた面々の半数以上が、トランプが勝つ、あるいはトランプに勝って欲しい、と思っていたことになる。ネトウヨというのはこのような行動を取る人たちをいうのだろう。匿名の陰に隠れて世の中の平安を乱す言動をまき散らす。これも世の中の歪みが根底にあると思うと、いずれ日本もアメリカのような国になってしまいかねないという危惧を抱く。

さてバイデンさん、おめでとうございました。
しかし、あなたの前にある道は嶮岨な獣道ではないかと拝察します。
あなたはトランプが分断してしまったアメリカの再統合を掲げ、癒やしの時を唱えておられますが、あなたが統治するアメリカは、今回の選挙結果を見てもまったく分断されています。原因は経済システムの歪み、それを是正できない政治の非力、そこから産み出された貧困層にあるのだと思います。あなたは本当に、アメリカという国を再統合できると信じているのですか? それとも単なる選挙のスローガン?

民主党は社会の底辺にいざるを得なくなった人々の声を吸い上げる力が弱いといわれ続けています。基盤の1つであるインテリ層は社会の上層部を構成しています。そんな方々と日々接触する民主党の政治家も、いつしかエリート層の一員と自分を思い込みます。思い込んでしまうと、下層でうめく人々の、言葉にならない思いを吸い上げることができません。インテリの優れた頭脳が描き出すきれい事だけが世の中ではないのです。そういう民主党の欠点を突いたのがトランプではなかったのでしょうか。
バイデンさん、あなたはトランプ支持者を振り返らせることができますか? あなたの陣営に迎え入れることができますか? 彼らは、反対意見を大事にする、反対意見を唱えるあなたの権利を命をかけて守る、なんて民主主義のお題目を頭から信じていません。民主主義とはエリートどもが唱える呪文である、という人々に、民主主義の大切さを埋め込むことができますか?

と書いてきて、アメリカの民主党も日本に一時あった民主党も、同じ欠陥を抱えているのではないか、と気がついた。要は社会的エリートだけが寄り集まった政党であり、日々暮らしを立てている民衆の心の底を読み取る力がなかったから、日本の民主党は崩壊したのではなかったか?

まあ、私は両国の民主党に期待する者ではない。今回のアメリカ大統領選挙はバイデン、民主党が勝ったのではない。トランプが負けたのである、と考える。その一事を持って

「よかった!」

と胸を撫で下ろすのが私なのである。