12.09
Raspberry Piが市場から消えておりますなあ。
手軽にネットワークオーディオを楽しむのに必須のRaspberry Piが市場からほぼ消えている。そのためだろう、あのAmazonでは、今でも在庫を抱えているらしい連中が、法外な価格で販売している。
例えば、従来5000円内外で変えたRaspberry Pi 3+が15980円。プラスチックのケースや電源ケーブルなどとのセット価格とはいえ、これは便乗値上げとしかいいようがない。それに、こちらが欲しいのはRaspberry Piの本体だけなのだ。それを探すと、Raspberry Pi 4に12999円という値付けがされている。Raspberry Pi 3のバージョンアップ版だが、これとて平時は7000円程で買えたはずである。需要と供給で価格が決まるのが資本主義経済の減速とはいえ、あくどいとしかいいようがない。
私はRaspberry Piに、友人が作ってくれたDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)を組み合わせて音楽を聞いているので、いますぐRaspberry Piが必要なわけではない。必要になったのは知人のためである。
私の宣伝の仕方が良かったのか、
「私もネットワークオーディオで音楽を聞きたい」
という人が、桐生に2人現れた。
最初に登場したのは、Kさんである。刺繍の会社を経営する。
それなら、ということで、私はいくつかの指示を出した。
1)ヤフオクでクリスキットのプリ、メインアンプを落札すること
2)Terra-Berry DAC 3を購入すること
3)Raspberry Piを購入すること
以上である。もう一つ、外付けのHDDが必要になるが、それはいつでも買えるので後まわしにした。Kさんは、1)、2)は直ぐに実行した。しかし、3)はなぜか手つかずだった。
次に登場したのは、桐生市の立志伝中の人ともいえるNさんである。染色機械の修理から始め、液晶パネルに必要な偏光フィルムの製造装置を作るようになり、いまではリチウムイオン電池に必要なセパレーターの製造装置にまで事業を広げた。
そのNさんを交えて先日、東京から移住してきたMさん宅で飲み会を催した際、Mさんのネットワークオーディオに関心を示し、
「うちのステレオが壊れたのよ。これ、いいなあ」
ということになった。
Mさん宅のネットワークオーディオは、基本は私のものを譲り渡したものだ。加えて、クリスキットをヤフオクで落札するよう勧めた。割と安価に落札したMさんはいま、限りない満足感を持って音楽を楽しんでいる。
という歴史があるので、ここは私が調整役を引き受けるしかない。Nさんは80歳近いご高齢である(ん? 計算すると、私との年の差は一桁でしかないが……)。ネットでのでの買い物、ましてやヤフオクでの応札は難しかろうと判断、ヤフオクでクリスキットを落札した経験者であるMさんに
「Nさんのアンプを落札して」
と仕事を振り、同じ飲み会に参加していた、あの元有力者Oさんには
「あなた、ネットでTerra-Berry DAC 3を買ったよね。Nさんの分も買っておいて」
と命じた。
残りは私が買う。つまりRaspberry Piと電源ケーブルと外付けHDD、それにマイクロSDカードである。すべてが揃ったら、Nさんに精算していただく。
ということになったので、念の為Kさんに電話を入れた。
「Raspberry Pi、買いました?」
まだだというので一緒に私が買うことにした。
O氏も
「DACカードは買ったけど、まだRaspberry Piは買っていない。俺のもついでに頼む」
というので、合計3台のRaspberry Pi、それに電源コード、ケースを購入するのが私の仕事となった。
ということで、さて注文しようとしたのが、昨日であった。
いつもの通り、まずAmazonに行く。結果はすでに書いた通りである。それでは、と「Raspberry Pi 通販」でググり、10近いサイトにアクセスした。そのすべてが「品切れ」である。ヨドバシカメラのサイトでは、再入荷見通しは来年6月とある。
「なんでこんなことに?」
数秒考えて思いついた。
「世界的な半導体不足とは、このようなことなのか」
半導体需要には波があり、たまたま5Gの普及などで需要が急拡大する時期にコロナ感染拡大による工場の操業停止が起きた。加えて国内半導体工場で相次いで火災が起きた、というのが原因らしい。
まあ、半導体不足で車の生産ができないなどの影響が起きているのは知っていたが、まさかRaspberry Piにまで及ぶなんて考えても見なかった。迂闊といえば迂闊である。
というわけで、桐生市におけるネットワークオーディオ普及運動は、道半ばにして当面、開店休業とせざるをない。無念である。
念の為に、アメリカのAmazon、E-Bayも覗いてみた。どちらも1万円を超える価格がついていた。品薄に便乗して価格を上げるのは世界共通らしい。やはり、待つしかないのか。
今日は眼鏡を受け取りにいった。私用はデスクワークで使う「中近」、入浴時、布団に入ってからの読書に使う「単焦点」の2本である。合わせて、妻女殿用の近眼強を1本。計6万円なり。
私は遠視である。というか老眼である。いつぞや
「老眼はある年代になると度が進まなくなる」
と聞いた記憶がある。それなのに、すでに72歳にもなっているのに、これまで使っていた眼鏡の度が合わなくなった。活字を読めないほどではないが、読むのが辛い。
ということは、私はまだ「ある年代」には達していないのか? それとも、かつて聞いたのはとんでもないでたらめだったのか?
しかし、この新しい眼鏡、右目と左目で見え方が違う。右目だけではっきり見える距離に本を置き、左目に切り換えると文字がぼける。まず左目で合わせても右目ではぼける。というわけで、なんだか使いづらい。
眼鏡屋ではきちんと両目を測定した。それなのに、測定値通りレンズが装着されて出来上がった眼鏡が使いづらい。それを訴えると、改めて度数測定用の器具が出て来た。これだと、両目とも同じようにはっきり見える。作った眼鏡のレンズも、その測定用の器具で出した度数と同じになっているのだが、こちらだとはっきり見えない。何故だ?
眼鏡屋も
「原因不明」
といっていた。
「じゃあ、しばらく使ってみるわ」
と店を出て来たが、さて、どうなるか。
人生には不可思議なことはまま起こるものである。