2022
03.08

3回目接種を終えました。

らかす日誌

昨日、コロナワクチンの3回目接種を終えた。2月12日の「らかす日誌」で書いたように、今回は集団接種会場は避け、開業医での接種である。集団接種会場はモデルナ、開業医はファイザーとあったため、迷わず開業医を選んだ。

周囲を見回すと、2回目まではなんとおなかったのに、3回目で副反応が出たといいう人が多数いた。一部は2月12日にご紹介したが、その後も

「打ったら全身の関節が痛くなっちゃって、ロキソニンを呑んで耐えたよ」

という60,代の男性。同じ日に接種した(仲がよろしい!)彼の奥さんは

「打った夜、ものすごい寝汗が出たのよ」

とおっしゃった。聞けば全員モデルナである。

1、2回目がファイザーの場合、3回目はモデルナを打った方が感染予防効果は高い、というどこかのアナウンスもあったが、いや、多少効果は下がってもいいから、ファイザーの方が副反応は出にくいだろう、とは私の考えであった。
それに、嫌われ者のモデルナ製ワクチンは大量にあるが、ファイザーは5000万回分しか在庫がなく、ために集団接種は軒並みモデルナを使う事になったという事も聞き知っていたから、

「3回目の効果についてのアナウンスは、余っているモデルナを消費したい政府の陰謀である可能性が高い」

という疑いを抱いた事もある。

いずれにしろ、昨日午前9時、私はファイザー製ワクチンで3回目接種を終えた。

昨日は緊張の1日であった。ファイザーでも3回目の副反応の恐れはゼロではない。
まず、私にワクチンを注射した看護師さんに

「ねえ、3回目ファイザーで副反応が出た人いました?」

と基礎データ集めから始めた。この開業医でワクチンを接種した人はそれほど多くはないはずだが、しかし、現場で収集するデータは権力者、権威者に騙されないための第1歩である、とは新聞記者時代からの習い性である。

「いえー、そんなのは聞きませんね」

ふむ、そうか。少数であるとはいえ、この開業医でモデルナを接種した人に副反応はないのか。
それでも接種が終わると、

「はい、こちらの部屋で15分待機して下さい」

1、2回目の集団接種時と同じ扱いである。持参した本(「松下竜一 その仕事13 五分の虫、一寸の魂の続きを読みながら15分。

「ハイ大道さん、お時間になりました。ご気分はいかがですか?」

集団接種会場でも同じことを聞かれたな。

「ええ、頭がクラクラし始めまして」

と口にしても、いままで本に読みいっていた私の言葉を信じる看護師さんなんているはずがない。

「はい、受付で書類を受け取ってお帰り下さい」

受け取ったのは

「新型コロナウイルスワクチン 予防接種済証」

である。2回目の接種で私は確かスーパーマンになった。さて3回目接種で何になるかと考えて、やっぱりウルトラマンしかなかろうと結論づけた。しかしなあ、打ったのはアメリカ製のワクチンである。それで純和製のウルトラマンになれるのかなあ……。
もっとも、この証明書があればマスクは要らず、大手を振って飲みに行ければありがたいのだが、日本はまだそのようにはなっていない。規制を緩めた結果第7派に襲われたら責任を追及されるという政治家、官僚の逃げなのだろうが、

「この馬鹿者ども!」

と抵抗を試みようにも、夜の町に誘蛾灯となる明かりを灯した飲み屋は見えず、じっと自宅に籠もるしかない。

自宅に戻り、とりあえず安静に。体力を過度に消耗する動きなど普段からしない暮らしなのだが、この日はさらに念を入れて原稿すら書かない。来るか、副反応?

午後になっても何事も起きないので、2時半頃外出。
この日首都圏から、桐生の刺繍作家、大澤紀代美さんを尋ねてくる男性あり。できれば私にも会いたいとの事だったが、

「ワクチン接種の日でさ。だから、副反応が出なかった行くよ」

と伝えてあったのだ。
彼と雑談を交わし、5時半頃帰宅。

「風呂、湧いてるよ」

という妻女殿に

「ワクチンを打った日だ。念の為に風呂は避ける」

と告げると、

「ああ、そうか。そうだったね」

私がワクチンを打ったかどうかなどにはあまり関心がないらしい。

夕食を済ませて映画鑑賞。

ラブ・ネバー・ダイズ

というミュージカルを見始めた。フレデリック・フォーサイスの「マンハッタンの怪人」が原作と聞き、それは見なければ、とTSUTAYAで借りたものだが、途中で見るのを諦めた。つまらないのである。1.3倍速で見た映画は数多いが、途中で放り投げた映画はこれが初めてである。

それを放り投げて、「HOKUSAI」と「北斎漫画」。いずれも葛飾北斎を描いたものだが、この2本の映画で北斎は全く違って描かれていた。1本は限りなき愛妻家で、妻亡き後は娘と2人暮らしながら絵を描き続け、やがて多数の弟子を抱える売れっ子になるのだが、後者はとんでもない道楽者。絵は売れているはずなのにいつもピーピーで、曲亭馬琴に金を借りてやっと暮らす。若い女の色香にうつつを抜かし、それなのに適当に振り回されてとうとう思いは遂げられないトンチキである。まあ、樋口可南子、田中裕子がこれでもかといわんばかりに裸体を晒しているのが、この映画の取り得といえば取り得か。

しかし、同じ歴史上の人物を取り上げてこの違いは何だ?
葛飾北斎って、その人物像に迫るための資料が極端に少ないのかな?

見終えてもワクチンの副反応らしき反応はなし。私はワクチンに強い体質らしい。