11.10
泌尿器科、2回目受診の報告。
10月27日の日誌に書いたように、私は前立腺に問題を抱えることになった。そのために行った1回目の泌尿器科受診では、とりあえず前立腺肥大の薬を2週間分処方され、
「とりえあえず薬で様子を見ましょう。飲み終えたらまた来て下さい」
とのことだった。そして昨日、薬を飲み終えた。よって、今日が2回目の受診である。
「いかがですか。薬は効いてますか?」
と医者が聞いた。薬が効いてる? 何をもって効いてると判断すれば良いのか? さて、どう答えよう……。
「ああ、そうですね。尿の出方はどうですか? 勢いよく出てくれますか?」
なるほど、ということは前立腺が肥大すると尿の出が悪くなるということなのか。
それはそれとして、私の尿の出方は……。
「はい、切れが良くなったようです。プラシーボ効果もあるのかもしれませんが」
「そうですか。だったら薬が効いてるんですね。もう少し薬で様子を見ましょう。今日は1ヶ月分処方しておきます」
ほう、とりあえずは投薬治療で何とかなりそうなのか?
「それから、今日は採血します。ええ、PSAの数値にも効果が出ているかも知れませんからね」
というわけで右腕から血を抜き取られ、処方箋をもらって病院を出た。今日はそれだけである。血液検査の結果が好ましいものであればと願うばかりだ。
そうそう、初めて知ったことが2つあった。
1つめ。採血をするとき、どうして肘の内側に注射針を刺すのか?
私から採血する看護婦さんが困り顔をしていた。最初に差し出したっひだり腕に、適当な血管が見付からないらしい。いつもはこちらから採血するのだが。
私は右腕を差し出し、
「こっちから採ったら?」
と提案した。ついでに、
「ほら、手の甲だったら静脈がはっきり見えてる。肘の内側から採るより、手の甲から採った方が簡単なんじゃない?」
といってみた。単なるジョークのつもりだった。
看護婦さんはマジメに受け取ったらしい。
「手の甲から採ると痛いんですよ。痛覚がいちばん少ないのがここ、肘の内側なんです」
はあ、採血場所にはそんな訳があったのか。
2つ目。薬の値段。590×2=800の怪。
今日は4週分の薬を薬局で受け取った。前回は2週分だったからちょうど2倍である。前回支払ったのは590円。だったら、今回は1180円のはずである。
財布から1000円札を抜き取り、小銭入れをポケットから出して支払いに備えた。
まず、
「おいくらですか?」
と聞く。答が戻ってきたら、直ちに1000円札と180円を渡す。迅速な対応。時間を有効に使う秘訣である。
答が戻ってきた。
「今日は800円です」
えっ! それって計算間違いじゃない? それとも、この薬局に通い詰めそうな潜在優良顧客に見えた?
「いやあ、御説明は難しいんですが、2週間分は590円で、4週分になると800円になるんですよね」
安くなって文句を言う客はいない。私はいった。
「じゃあ、次回は1年分にしてもらおうかな。もっと安くなるよね」
処方薬とは、まとめ買いすれば安くなるものらしい。不思議な世界である。
という具合に闘病生活を続けている。
全国の、私の健康を気遣っていただいている方々、
「ほう、大道がねえ」
と含み笑いをしている方々、
「えっ、大道が! それは良かった」
と高笑いしている方々、
「あ、そうなの、ふーん」
という無関心の方々。
まあ、それぞれで受け止め方は違うだろうが、私の現状はたった1つである。