07.19
後期高齢者の医療保険ってべらぼうだ!
「それはないんじゃないの!」
思わず、しゃがれ声で叫んでいた。昨日、「後期高齢者医療保険料額決定通知書」なるものが舞い込んだ。開けてびっくり悪魔の手紙。何と
41万400円を支払え
というのである。41万?! そんな金、どこにある?
ご存知の通り、勤め人をやめると、健康保険は国民健康保険になる。サラリーマン時代は社会保険で、これは会社が半分、個人が半分負担し、個人負担分は給料から天引きされていた。サラリーマンとはすべての天引きがなされた後の手取額にしか目が向かないものである。だから負担感はあまりなかった。
国保になれば半額負担してくれる会社がない。納付も個人で全額行わなければならない。だから、勤め先なし、になって以降、毎年納付してきた。年額、約30万円である。
「そんなに高いのかよ!」
と納付するたびに恨み節が口をついた。だって、サラリーマンではなくなるということは、収入は年金のみになって激減するということである。サラリーマン時代の収入に比べれば雀の涙ほどの額。その中から30万円を出すのは辛い。
とはいえ、高齢になるということは医者通いが増えるということである。我が家では妻女殿が膠原病で毎月1回は必ず診察を受ける。そのほかにも、やれ風邪だ、膀胱炎だ、皮膚炎だ、歯医者だと、目に見えて通院回数は増えている。
私にしたって慢性腰痛の持ち主で、整形外科医通いは欠かせない。その上、一昨年秋に前立腺にがんが見つかって、昨年秋には重粒子線による治療を受けた。裸の治療費は約200万円と聞いた。それが保険適用で3割負担の60万円になり、さらに高額医療制度があり、私の負担額は約9万円だった。保険様々である。
国保に加入しないという選択肢はない。
だが、である。朝日新聞を離れてから、毎年の国保税は先に書いたように約30万円であった。それが半月ほど前に届いた今年の納付書背は
6万9000円
に減っていた。30万円から6万9000円へ。
「うわあ。後期高齢者になると国保税がこんなに安くなるんだ!」
私は天下を取ったような気分になった。歳を取るのも悪いことばかりではないではないか!
その喜びを追いかけるように到着したのが「後期高齢者医療保険料額決定通知書」である。41万400円である。
これ、何かの間違いではないか? 市役所に問い合わせた。
「収入額に一定の率をかけて出しております。間違いはありません」
にべもない返事だ。ま、担当者としてはそう答えるしかないだろう。
だが、である。私はすでに、6万9000円の国保税を払ったではないか。こんなに減ってありがたいと舞い上がりながら振り込んだではないか。あれは何の金だ?
「奥様はまだ、後期高齢者になっておられません。6万9000円は奥様の負担分です」
ということは、
41万400円
とは私の負担分なのか。
あのね、去年までは2人で30万円だったの。それが今年は2人合わせると48万円かよ。6割増だぜ。
「あなたにいっても仕方がないが、これ、後期高齢者になったたら早く死ねっている制度か?」
iPhone,に向かって、思わず口走った言葉である。
来年は妻女殿も後期高齢者入りされる。そうなったら、毎年の国保税はいったいいくらになるのだ?
対策を考えねばならない。
世知に賢いO氏に相談してみた。
「会社にした方がいいでないかい? 社会保険にした方が安いんじゃないかな」
会社にするには費用がかかる。その費用を補ってあまりあるほど負担額は減るのかな?
「いま休眠法人があるんだわ。あんた、そこの専務になって社会保険にしたらどうかね」
だが、社会保険の場合は、保険料は半額会社負担である。あなた、その半額を負担してくれるの?
「いや、それは会社負担の分まであなたが出すんだわ」
それで本当に負担額が減るのか。そもそも、その会社から1円の報酬も受け取らない私が専務に就任することができるのか。
現役時代に比べれば、今の収入は4分の1から5分の1である。それだけ減った収入から50万円に迫る国保税が持って行かれる。
日本は高齢者を大事にしない国に成り下がった。いや、昔からそうだったのかも知れないが。
適切な対応策をご存知の方がいらっしゃったら、対応策をご教示いただきたいと心から願うものである。