01.18
2011年1月18日 宝くじ
桐生で、年末ジャンボの1億円が出たそうだ。上毛新聞、桐生タイムスが報じていた。売り場は小川タバコ店。
この店、地元では宝くじ成金で有名である。
元々はしけたたばこ屋であったらしい。その店頭で宝くじも売っていた。
それが、いつのことか分からないが、宝くじの高額当選者が続々とこの店から出るようになった。客は、当たりくじが沢山出る店に宝くじを買いに行く。こうした好循環に恵まれて、この店には宝くじで一山あてようという人たちが列をなすようになった。
桐生は、お年寄りまでもが車で移動する町である。町のたばこ屋さんに、宝くじを求める客が列をなすようになっては、店の前は不法駐車の車で溢れたのに違いない。
「これでは売り上げに響く」
と店が自主的に考えたのか。
それとも警察が
「何とかしろ」
と警告したのか。
そのあたりは分からない。が、いずれにしても、この店は、近くで空き地が出ると次々に買収した。当たりくじを求めてやってくる客のための駐車場用地である。
おまけに、店舗も改装した。外見からは鉄筋なのか鉄骨なのかは分からないが、かつての町のたばこ屋さんは、いまでは3階建てのビルである。
この店では、昨夏のサマージャンボで前後賞込みの3億円が出たのだそうだ。2回連続の高額当選である。桐生に資産家が続々とできているわけだ。
でも、なぜ私に当たらないんだろ?
あ、買わなきゃ当たらないか。今年の夏から、自分用に買ってみる?
私、くじ運悪いですからねえ……。
ここ1週間ほど、桐生も寒さが続いている。私は毎日、このマフラーを首に巻いて仕事に出ている。
私が、その美的センスを高く評価する松井ニット技研の、今シーズンの新製品である。松井ニットは今シーズン、オールウールのマフラーを初めて市場に出した。
「私どものマフラーの命は色なんです。色の組み合わせ。確かに、ウールの方が温かい。でも、ウールでは出せる色が限られて、欲しい色が手に入らない。アクリルの方が自在な発色ができます。だから、うちのマフラーはアクリル70なのです」
といっていた松井ニットの、初のオールウールのマフラーである。まさか、私が
「マフラーは暖房のためのもの。だったら、ウールの方が温かいでしょう」
と言い続けたからでもあるまいが。
ただ、そう主張したものだから、
「オールウールのマフラーを出してくれたら、すぐに買いに行きます」
ともいってあった。だから、昨年秋、約束通り買い求めにいった。
買おうと思っていたのは黒をベースにしたストライプである。何とも魅力的に写った。
「これを買います」
という私に、社長さんがいった。
「ああ、これもいいですよねえ。でも、大道さんにはこちらをして欲しいなあ。確かに、黒のストライプも素敵だけど、貴方にはこれくらい派手目の方がもっと似合いますよ」
おだてられれば、豚だって木に登る。すっかりのぼせ上がってしまって、黒のストライプとネイビーのチェックを買ってしまった、つまり、一度に2本もマフラーを買ってしまった私は、おだてられて豚以上に高いところに登ってしまった。豚以上に乗りやすい。その軽薄さは恥じる価値がある。
で、冷え込みが始まったころは、一昨年から持っているアクリル70のマフラーをした。やや冷え込んできてからは、黒のストライプにした。そして、一段と冷え込んだここ1週間ほどは、チェックのネイビーにしている。ネイビーの方が黒より幅が広く、二重にして首に巻ける。温かいのである。
このマフラーをしていると、出会った知人が
「大道さん、お洒落ですねえ」
と声をかける。黒のストライプマフラーを巻いていたときとは違った反応である。してみると、やはり、こちらの方がお洒落なマフラーなのか。
そういえば、何度か妻女がこのマフラーに手を出しかけた。
「お前がするのか?」
と聞くと、
「娘にやる」
という。その理由は
「これ、派手すぎて、貴方には合わない」
断固として拒否した。松井ニットの社長さんが、このマフラーが貴方には一番似合うと選んでくれたものだ。私はこのマフラーを誰にもあげない。欲しいのだったら、もう1本買ってきてプレゼントする!
こうして我が手元に留めおいたマフラーで、私はお洒落(本人にその自覚はないが)な冬を満喫している。
そうそう、松井ニットはネット通販もしている。あなたも1本お買い上げになってはいかが? 人生が変わりますぞ! 安堂さんとお揃いのマフラーが巻けますぞ!!
そこで、瑛汰である。
今日、済生会横浜市東部病院で検査をしてきた。夕方、報告があった。
瑛汰の病変は、マイコプラズマが原因と、ほぼ決まった。であれば、それほど心配することはない。
「で、肝臓機能はどうなんだ?」
残る心配はその1点である。
「今日も血液検査をしたんだけど、数値はよくなってるって。だから、次に病院に行くのは2ヶ月先でいい、っていわれた」
というのが、次女の報告だった。
胸のつかえが下りた。
「瑛汰、元気になったんだって?」
「うん、瑛汰、元気だよ。鰻が効いたんだね、きっと」
そうか、そうか。桐生もお役に立てたか。
「明日、餃子が届くからね。元気になったんだったらいっぱい食べろよ」
「分かった、瑛汰、餃子いっぱい食べる」
仕事をする意欲も衰えた日々だったが、これで平常に戻れる、はずである。