12.15
2014年12月15日 戦いすんで
今朝から腰がのさばっておる。
そもそも、健康な臓器は存在を主張しない。不思議なことに、
「俺に注目せよ」
と大声で叫ぶのは、不健康になった臓器である。
そういえば、やるべきことを黙々と正確にやっている立派な人には注目が集まらない。損も得も計算せず、ひたすらに自分の責務を果たす人は尊敬されて然るべきなのに、
「俺、ここで頑張ってるっしょ!? ね、ね、分かるっしょ!?」
てな、仕事はまともにできない、有能なのはごますりだけといった、臓器に例えれば、不健康な輩にばかりが存在を主張し、結果として光が当たる。
体も世の中も、ま、おかしなものである。
ね、我が腰よ。そんなに存在感を主張しなくても、あんたの重要さは充分に理解しているんだけど、あんたがわめき続けるから、ほら、どうしてもあんたに金を掛けなくちゃならなくなるでしょ。もっと、心臓だとか、肝臓だとか、脳だとか、黙って黙々と奉仕してる臓器もたくさんあるのだから。お前さんもちっと考えてみたらどうかね?
恐らく、寒さがつのったことが原因だとは思うが……。
で、選挙の投開票から一夜が明けた。
結果は、まあ、こうしかなりようはなかったわな、という結果に終わった。好ましいかどうかは別にして、これが日本の民意の現状である。
投票率が史上最低だったのは、自民党の責任ではない。民主党をはじめとする野党のだらしなさが招いたことだ。
投票所に足を運ばなかった、私を含めた有権者は、自民党を支持していない。むしろ、困ったものだと思っている。だが、自分の住む選挙区で、自民党がダメなら、とほかの候補に目をやっても
「こいつなら」
というのがいない。日本をグチャグチャにした民主党は(例え候補者がいても)投票したくないし、維新の党はでたらめな上に落ち目だ。じゃあほかに、と考えても、ミジンコがいっぱい泳いでいるだけで、どれを食っても腹一杯になりそうない。
「これじゃあ、投票所まで足を運んでも、腹が減るだけだ」
と半分の人が考えたのである。そして、何があっても自民党のひとは、粛々と投票所に足を運んだ。
いってみれば、野党が壊滅した選挙であった。
壊滅した野党に、再び立ち上がる芽は見えない。だとすると、当面、再び自民党の一党独裁が続く。自民党の暴走を防ぐ役割は、朝から線香をたきながらお題目をあげるのでいつも線香臭い公明党の方々に頼らざる得ないという、何とも情けないことになった。
そうそう、最近はあまり聞かなくなったが、創価学会のスローガンのひとつは
王仏冥合
である。分かりやすくいえば、宗教原理による政治の実践。そう、あのイスラム教と同じである。ああ。恐わ!
それはそれとして。
やっと自民党の時代が終わる、と多くの国民の期待を集めた民主党が、政権を持ったとたんに迷走に迷走を繰り返し、有権者の失望を買った。
私は、小沢一郎が民主党の真ん中でふんぞり返っていたら違った、もう少しましな姿になっていただろうと思う。民主党で、政治というものを知る唯一のリーダーだったからだ。
その小沢一郎を検察権力がつぶしにかかった。捜査過程の透明化など、検察が絶対に受け入れたくない主張の主導者であったからだといわれるが、真相は知らない。そして、特ダネ主義の名の下に検察情報のおこぼれをほかより早く欲しいと走り回るマスメディアが検察の尻馬に乗り、
小沢一郎=悪の権化
の世論、イメージを作り上げた。
そして、民主党内のノータリンであるが故に小沢一郎に叱責され、無視されて小沢に反感を持つ連中が、マスメディアが検察のと共同作業で作り上げた小沢イメージを利用した。何かと煙たい小沢をはずして、政権を手中にしたことと併せて我が世の春を謳歌し始めたのである。こうして民主党は墓穴を掘り、奈落の底に落ちた。
と歴史を追うと、今日を招いた最大の戦犯は、民主党である。
にしてもだ。おい、その民主党の菅直人。あんた、小選挙区で落選して、比例で最期の1議席に滑り込むとは、どういう悪運の強さだ? 私にはジョークとしか思えないのだが。
仮にも、元総理大臣だよな。恥を知る人間なら、とても耐えられないのではないか?
「今回の選挙結果を見ると、もう私の時代ではない。若い人に頑張って欲しい」
などと心にもないことをいいながら、比例での当選は辞退して政界から引退する度量は、あんたには……、あ、これは期待した私がバカだった。
松島の出っ歯ババアが、うちわ問題で閣僚を辞任しながら再選した。ねえ、選挙区の皆さん、恥を知りなさい。あなたたちは、いつまで日本の恥をさらし続けるおつもりか?
小渕のねえちゃん。それが群馬の民度であると割り切るしかない。20歳の女を1回4万円で買った佐田も再選する風土なのである。知名度全国最低もむべなるかな。
そして私が住む群馬2区。当選間違いなしの自民党候補は、ただ若いだけのバカ。国会議員になって2年もたつのに、全く成長の跡が見えない。対立候補は、政党を渡り歩いて維新の党にたどり着いた風見鶏=変節漢。もうひとりは、自分の頭で考えることを放棄して党のテーゼを繰り返すだけの(全国何処でも同じ)共産党。
これで、どれを選べっていうの?
しかも、せっかく小選挙区で大差で落ちた維新の候補者が比例で復活したりして。いったい、この選挙って何だったの?
と細かなことをあげつらっていても仕方がないなあ。
要は、我々は民主主義の機能不全時代を生きているということである。いや、これまでもずっとそうであったのかも知れないが。