05.07
2008年5月7日 休養日
魔のゴールデンウイークが終わった。本日は会社に行くことができた。久しぶりの休養日である。
ゴールデンと呼ばれる期間の前半は本棚作りに追われた。
5月3日からの後半は、四日市から長女の家族がやってきた。啓樹付きである。
3日は横浜のトイザらスに出かけた。
4日は銀座・松屋のエリック・カール展に行った。
5日は鎌倉の海に行こうと思っていたが肌寒かった。急遽予定を変え、横浜のボーネルンド遊園地に向かった。
すべて啓樹、瑛汰付きである。私は啓樹の手を引き、瑛汰を抱っこする係であった。
自ら望んで招いた事態とはいえ、肩も腕も腰もパンパンに張った。夕方からの、啓樹と瑛汰を伴った入浴が唯一の憩いだった。
6日午前中に長女一家が去った。張り詰めていた気が緩み、午前中は車を洗った。ぼんやり昼食を取り、たまったブルーレイ・ディスクの整理を始めた。隣家に救急車がやってきた。妻の父が夜中に徘徊し、転倒して腰を強打、動けなくなったのだという。もう88歳。決して頑健ではない。救急車で去った義父を追って、義母を病院まで送る。病院では処置中で義父に面会叶わず、そのまま義母を車に乗せて戻った。とりあえず義父は小康を保ち、夕刻に戻った。
魔のゴールデンウイークの概要である。
しかし、あれですな。あれだけ道路、観光地は渋滞するというのに、やはりゴールデンウイークにお出かけになる方が多いのですな。
いや、観光地を訪れての実感ではなく、我がホームページへのアクセスが激減して思ったことではありますが……。
そして、今日。休養日もぼんやりしていてはなかなか疲れが抜けない。頭脳をシャキッとさせるため、今日はお約束を果たす。そう、我が本棚作りの悪戦苦闘記である。
【そもそも】
恐らく、3年前からの計画だ。息子が家を出て部屋が空いた。3階の6畳間である。
この部屋に本棚を置こうと考えたのは妻だ。1階の作りつけの本棚はすでにして満杯である。3階にも4つ、5つの既製品の本棚はあるのだが、これも満杯で、溢れた本がそこかしこにあった。なのに、不埒な夫は次々に本を買い込み、瞬く間に読了した本の山を築く。
部屋をすっきりさせたい。そのために、息子の部屋を本の収納場所にする。妻の夢であった。
当初、IKEAの本棚を買う計画を立てた。港北区のIKEAまで出かけ、購入すべき本棚を選定した。1つでは足りない。少なくとも2つはいる。5万円近くかかるか。まあ、仕方あるまい。さて買おうかと想ったら在庫切れだった。1年半ほど前のことである。それがすべての始まりだったとはあとで知ることである。
しばらくはネットでIKEAの在庫をチェックした。ところが、在庫が確認できても、野暮用で足が伸びないことが続いた。続いているうちに迷い始めた。
どうやって運ぶ? 重い。1人では無理だ。IKEAまで息子を連れて行くか?
それはいい。しかし、車に入るか? 入らなければ配送を頼むのか? コストが嵩むぞ。
決められないまま日が過ぎた。本は積み上がる一方である。いずれはなんとかせねばならぬ。だが、人間は目先の難題からは目をそらしたがるものである。
どうしていま決めなければならない?
月日が経過した。
【天才のアイデアが】
経過する月日を無駄に過ごしたのではない。たっぷりある時間の中で、私はある思いにとらわれ始めた。
自分で作った方がいいのではないか?
コスト面でも、使い勝手の面でも、そちらの方が優れているのではないか?
そういえば、私は「日曜大工」を趣味の1つに上げる男ではないか!
そのアイデアがいつ形をなしたのか、いまとなってははっきりしない。だが、私の心の目には、素晴らしい本棚の姿がくっきりと浮かぶようになった。
釘、ねじの類はいっさい使わない。
ただ、張力だけで本棚を作る。
必要なときは直ちに解体できる。
それに、コストにも気を配った。使う部材は安価な2×4材とする。
そんな本棚の姿である。
我が家は重量鉄骨造りである。いずれは関東大震災に見舞われるに違いない。その時に、お近くで唯一生き残る住宅にしよう。そう考えて選んだ工法だ。まだ大震災は起きず、被災地に我が家だけがすっくと立つ図を見られないのが、残念といえば残念である。
重量鉄骨作りにはいくつかの欠陥がある。そのひとつが屋内に柱が出っ張ることである。下の図を参照されたい。
今回はこれを活用する。そう、私の天才的閃きは、短所を長所に変えてしまう優れたものである。
まず、柱の出っ張りを測る。27cmある。これを使う。柱と柱の間にあるくぼみをすべて本棚にする。
では、どうやって釘もねじも使わずに本棚を作るのか? 残念ながら私には、ほぞで板を組み合わせて立方体にする技術はない。なーに、そんな技術はなくてもできるのである。側板を、構造用棚板(という言葉があるかどうか分からない。私の造語であろう)で両方の柱に押しつければいい。側板を天井まで伸ばせば、地震にも強い本棚ができる。
これには、別のメリットもある。
普通であれば、いくつかの本棚を作り、それを柱と柱の間に並べる。これだと、部分的に側板が2つくっつくことになる。無駄である。その厚みの分、収納できる本の数が減る。側板の数はできるだけ少ない方がいい。
と考えて考案したのが下の図である。いかがであろう? 側板がすっくと天井まで立ち、側板と側板の間に構造用棚板を押し込む。これによって、すべての側板が束縛され、動きが取れなくなる。あとは、普通の棚板を間に入れるだけである。
安価に作るには2×4材の活用が欠かせない。だが問題がある。2×4材は厚さ38mm、幅89mmで規格化された木材である。厚さはともかく、幅が89mmでは27cmの柱の出っ張りと寸法が合わない。それに、奥行き89mmの本棚に本は置けない。
つなぐ。89mmで足りなかったら、つなげばいい。ダボでつなぐ。3枚つなげば幅267mmの板ができる。柱の出っ張りと、ぴったり寸法が合うのである。
と思いついたのは、もう2年ほど前のことだ。
今回はさらに考えを進めた。2×4材を3枚つなぐと、材料費が嵩む。ではどうするか? 2×4材を15cm程度の長さに切り、50cmに1箇所ぐらい入れて2枚の2×4材をつなぐ。穴あきの側板を作るのである。こうすれば、材料費を抑えられる。
天才はコストにも気を配るのである。
側板は丈夫にした方がいい、よって、2×4材を使う。だが、本を載せる棚板に38mmの厚さは必要ない。1×4材で十分である。これを3枚ダボでつなぎ、幅27cm弱の板を作る。
それが全体構想である。
【動く】
今年のゴールデンウイークは、使いにくかった。カレンダー通りだと、2日休んで1日出勤。3日出て4日連休。いずれにしても中途半端だ。
併せて、四日市の娘の家族がやってくるのが5月3日と決まった。4月初め頃だったと記憶する。とすれば、それまでは暇である。
この2つの条件が見えた時、突然心が決まった。
連休前半に1日休みを取って4連休とする。この期間を本棚作りに充てる。
心は固まった。固まれば脇目はふらない。それが男である。
それがどんな結果に結びつくかを考えるゆとりはなかった。
この項、続く。