08.12
2008年8月12日 興奮
私の職場でドーッと言う声が上がった。目を上げると、職場の8割の人間がテレビの前に群れていた。彼らが発した声である。見ると、開催中の北京五輪の100m平泳ぎで、北島康介選手が世界新記録で優勝した瞬間だった。
なるほど。五輪は人々を興奮させ、臨時の愛国者にする。
ん? 北島の泳ぎを見ようともせず、自分の席にいた私は何だ?
興奮したのは、私の同僚たちだけではなかった。
次女の長男、瑛汰も北島選手の泳ぎを見て興奮した。興奮して
「プール、プール」
と連呼した。自分もプールに入って泳ぎたいというのである。要求を入れて水泳教室のプールに連れて行くと、いつものように大はしゃぎで水と戯れていた。
今朝、娘からの電話で知ったことだ。今日も興奮は冷めず、これから(現在午前8時54分)水泳教室に行くのだそうだ。
まだ2歳。瑛汰、お前は北島の後継者を目指すのか? 五輪で日章旗を揚げるのか? やってみろ。お前には無限の可能性が開けている。
今日は四日市から、長女と長男、啓樹がやってくる。朝電話をした。
「もしもし、ボス、いまから来るからね」
3歳半の啓樹は言葉がクリアになった。なるほど、成長している。だが、まだcomeとgoの区別が曖昧だ。まあ、英語の試験を受けなければならなくなるまでには修正されるはずだ。
「そうか、ボスは待ってるから大急ぎで来いよ」
「はーい」
返事もいい。
電話の相手が娘と換わった。啓樹は昨夜から興奮のしっぱなしで、
「ドキドキして眠れない」
と12時近くまで起きていた。夜中に2、3度目を覚まし、今朝は6時40分に起きた。すでにお出かけの準備は完了、ワクワクしながら出発の時を待っているのだという。
そうか、ボスに会いに来るのがそんなに嬉しいか。興奮するか。
8月12日。幼き2人が興奮の絶頂にある夏の1日である。
これから瑛汰の水泳教室を視察に行く。午後には新横浜まで啓樹を迎えに行く。我が家にとっては今日から戦争が始まる。
我が戦闘準備は整ったかな?