2009
06.11

2009年6月11日 大安

らかす日誌

夕刻、午後6時29分、メールを受信した。BSデジタル放送のデータ放送局だったデジキャスでともに働いた仲間からである。

「デジキャスOBの○○さんが本日、6月11日(木)逝去されました」

メールに気づいてすぐに発信者に電話した。
○○さんは61歳。私より1つだけ年上だった。すでに定年退職の身の上で、昨日、ご近所の方とゴルフを楽しんだ。遊び疲れて自宅に戻ったが、そこは近所付き合いである。夕刻から反省会を兼ねた飲み会が、その知人の家で開かれた。近くなので、○○さんは自転車で出かけた。
それがいけなかったらしい。どうやら酒に酔って自転車で帰宅途中、道路の段差か何かで転倒したらしい。

「じゃあ、何、転倒したはずみで頭でも打ったの?」

そうではないらしい。窒息死だという。

「転んで気を失ったのかなあ。それでなのか、酒に酔ってたからかわからないけどげろをはいたらしいんだわ。それが気管に詰まったらしくて」

スリムで長身、頭はやや薄くなりかけていたが、遊び心を知ったナイスガイだった。それが、己のげろを気管に詰まらせて頓死。
人生、何が起こるかわかったものではない。

という話を妻にした。

「お父さん、お父さんは11月までに死ぬと3000万円だけど、その後だと150万円だからね」

突然、私の生命保険の話をし始めた。この女の神経、いったいどうなっているのやら。
長年連れ添っている私の境遇に思いを馳せて頂く方がいらっしゃれば心強い。

 

そんな会話をしてまもなく、我が家にファックスが届いた。私が契約社員として奉職する会社からである。

「△△氏は6月11日午前8時、食道がんのため死去されました。53歳」

本日2通目の訃報だった。

△△君は、札幌で私の後任だった。一緒に仕事をしたことはないが、酒は飲んだ。議論もした。社内最右翼ともいえる硬骨漢で、曲がったことが大嫌い。そういえば、数年間に食道がんになって入院したという噂を聞いたことがある。
それからしばらくして会社で会った。

「大変だったんだって?」

 「いや、まあ」

 「でも、顔色もいいし、もういいのかな?」

 「ぼちぼち仕事を再開してます」

だから、がんは完治したと思っていた。そうではなかったらしい。

大安の今日、2人の死に接す。同年代と後輩。私もそんな年になった。
黙祷。