01.16
2011年1月16日 鰻
瑛汰に鰻を送った。
桐生の老舗、泉新で焼いてもらい、クール宅急便で発送した。明日午前中には瑛汰の元に届くはずだ。
話は昨日にさかのぼる。
我が妻女が夕刻、電話で瑛汰と話していた。話し終えると、事務所でギター練習に打ち込んでいた私のところにやってきた。
「瑛汰が鰻を食べたいって言うのよ」
妻女の回りくどい話を要約すると、次のようになる。
昨年末29日の深夜にやってきた瑛汰には、望みがあったらしい。桐生の鰻を食べることである。ところが、年末年始、鰻屋さんはお休みで、夢にまで見たかどうかは不明だが、とうとう鰻を食べないまま、横浜に戻った。心残りだったらしい。
食が進まない瑛汰は、
「何か食べたいものない?」
という妻女の問いかけに、直ちに
「鰻!」
答えたのだそうだ。
それで?
「今日はクロネコさんはもう取りに来てくれないから明日になるんだけど、鰻、買ってきてくれる? クール宅急便で送ってやるから」
さて、焼いた鰻をクール宅急便で送って味は大丈夫なのかどうか、疑問は残った。が。食欲がない瑛汰が食べたいといった鰻である。味は多少落ちるとしても、スーパーの鰻に比べればましのはずだ。一度美味いものを食べた口は、不味いものを確実に見分ける。
これは、桐生の美味い鰻を送らないわけにはいかない。
11時半頃、泉新に出向いた。すでに妻女が注文済みである。鰻だけ3人前。
「はい? あ、大道さん、ちょっとお待ちください」
待つほどもなく、パックにされた鰻が出てきた。まだほんのり温かい。
「お幾らですか?」
「4800円いただきます」
ということはあれか。この店の鰻重は2400円だから、ご飯、少量のサラダ、漬け物、肝吸い、それに食後のアイスクリームで600円ということか。
安くはない。いや、鰻だって安くはない。
ま、鰻は安くはなかったが、これを瑛汰が沢山食べて元気と健康を回復してくれるのなら、なんということはない出費である。なーに、飲み会の誘いを1度断れば、その程度の金は浮く。
瑛汰、鰻は明日着く。お昼ご飯に沢山食べろ。元気になれ。健康になれ。
ボスとババの願いはそれだけだ。
にしても、である。
新聞各紙を見ていて、
「何で?」
という思いにとらわれた。
菅内閣の支持率が上向いたのだという。内閣改造後の調査だ。
不思議である。
かつて民主党批判の先頭に立った与謝野が節操もなく消費税導入大臣に就任、参院選大敗の責任をとって幹事長を辞任した枝野を官房長官に使う。八ッ場ダム問題を抱える国土交通大臣は経済産業大臣から大畠が横滑りだって。こいつ、経産大臣のくせに、貿易自由化に歯切れの悪い発言しかしなかったヤツだぞ。
いったいどういう性格の内閣なんだ? そもそも元凶の菅は総理の椅子に座り続けるわけだし。
なぜ内閣支持率が上がる?
大衆とは阿呆の塊か?
と悪態をついていてすむのならいいけどねえ……。
ま、こんな内閣しかできないということは、まだ世の中、それほど困ってはいない、ゆとりがあるということでもあるけど。
だけど、お節介な私としては心配である。