2012
12.27

2012年12月27日 総決算

らかす日誌

泣こうが笑おうが、2012年を総決算せざるを得ない時期になった。皆様、帳尻はきちんと合いましたか?
こんなはずじゃなかった、なんてことはありませんか?

「あった!」

という、見目麗しい女性の相談にはいつでも応じます。この下のメール差し出し口(「*ご意見・ご感想・お問い合わせはメールで」というところをクリックして下さい)からどうぞ。

私も、1年の総決算に追われている。

「えっ、お屠蘇って、お酒の中に何か入れるの?」

新聞を読んでいた妻女殿が本領を発揮し、素っ頓狂な声を上げたのは、昨日午前中だった。なんでも、新聞に屠蘇の話が書いてあったらしい。

「知らなかった。元日に飲むお酒をお屠蘇というんだと思ってた」

この方、4年制大卒である。しかも、すでにして62歳。なくなったオヤジは名代の酒飲みでもある。なのに、知らなかった?

屠蘇とは、1年の健康を祈って元旦に飲む薬酒である。通常、百貨店や漢方薬屋、酒店などで屠蘇の元(屠蘇散、というらしい)を求め、日本酒に一晩つけ込む。つまり、大晦日につけ込み、翌日、元旦に屠蘇器にて飲む。

縁起物、ともいえる。しかし、この縁起物は、玄関を出るときに右足から踏み出すか、それとも左脚からか、などというどーでもいい縁起担ぎとは違い、科学的な裏付けがある。

屠蘇散は、山椒・細辛・防風・肉桂・乾薑・白朮・桔梗などからなっている。健胃作用があったり、解熱・鎮痛作用があったりの漢方薬ばかりである。その成分を、百薬の長ともいわれる酒に溶け出させ、年の初めに飲む。立派な健康法なのだ。
屠蘇とは

一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し

というありがたい酒なのである。
それを、60を過ぎて知らない?

そういえば、我が家でもしばらく前から、元旦には日本酒が出るようになった。数の子や白菜漬けをいただきながら年の初めを言祝ぐ。飲み終えて雑煮をいただく。日本の伝統に則った元旦を祝ってきた。
が、だ。いわれてみれば、屠蘇を飲んだ記憶がない。

まだ九州にいた幼きころ、元旦は屠蘇で始まった。

「あんたはまだ子供ばってん、今日は正月やけん、お屠蘇ば飲まんとでけんとたい」

欲しがりもしない私に、祖母が屠蘇を注ぎ、無理強いに飲ませた。臭い。子供だから、日本酒も臭い。しかし、日本酒の香りに加えて、強烈な薬草臭がある。

「なして、こげん臭かとば飲まんとでけんと?!」

そう思って、嫌嫌飲んだのが屠蘇なのである。それを、知らなかった?

妻女殿が知らなかったということは、その両親が一度も元旦の屠蘇の式をしなかったということである。おそらく、そのような日本の風習を両親とも知らなかったのである。ま、うちの妻女殿、氏も育ちもその程度のものである。

ということで、昨日は午前中を賀状の添え書きに費やし、昼食を済ませて賀状を投函、あわせて、屠蘇を求めに街に出た。漢方薬店で、一包み200円。これを1合の酒に一晩浸すのだという。
皆様、わずか200円で1年の無病息災が得られるのなら、安い投資だとは思われませんか?

かくして2013年元旦、我が家は始めて、屠蘇を味わう。

 

今日は朝から、整形外科に行った。年末年始の休みを見越すと、どうやら薬が足りなくなる。年内に2週間分の、腰と肩の薬を手に入れておかねば、年を越した私の身体の自由が保障できない。

整形外科は混んでいた。私と同じ立場にいる患者が多いのであろう。午前中いっぱいかかった。

午後からは再び買い物である。

「あのさ」

と妻女殿がおっしゃったのは、朝だった。

「Oさんの店に和凧があったんだよね、この間行ったとき。あれ、欲しいな」

Oさんとは、あの、元桐生市の有力者のことだ。妻女殿の「欲しいな」は、私に向けて発語された瞬間、命令となる。

「それと、今度璃子が来るでしょ。羽子板も欲しいんだけど」

羽子板? そんなもん、あの店で売ってたか?
などといってはいけない。命令なのである。O氏の店になければ、黙ってほかで探すほかない。

昼食後、まず株式会社アートに足を運んだ。ここ、本業は染色屋さんなのだが、群馬産の蚕を生かして化粧品分野にも進出した。群馬産のシルクエッセンス入りのクリーム、化粧水などを発売しているが、中でも評判がいいのだシルク入りの石けんだ。
これ、肌に優しい石けんではない。肌にいい石けんである。四日市の啓樹、横浜の瑛汰、ともにアトピー持ちである。この石けん、保湿力が素晴らしく、アトピーの肌をやさしく守ってくれる。この石けんで体を洗うと、アトピーで荒れた肌が1週間もすればスベスベになる。
その石けんを買い求めに行った。

「社長、また5個下さい」

 「おう、安堂さん、石けんはいいが、また作っちゃったよ、シルクエッセンスの入ったクリーム。今度は本当に自信作だ。ね、娘さんに使ってもらって。モニターで意見を聞いて欲しいのよ」

石けん5個を買い(1個、通常であれば2100円)、モニター用のクリームをいただき、次の目的地はO氏の店である。

「凧が欲しいんだけど」

助六を描いた凧が2種類、「迎春」と大書した凧が1種類、そういえば「商売繁盛」凧もあった。
妻女殿の思惑は、凧を室内に飾り、正月気分を盛り上げることだ。ふむ、どれにしよう。うちは商家ではないから「商売繁盛」は不要である。そうだな、助六2種に「迎春」が挟まれているなんて、いいかも知れない。3つ買おうか。

と思いつつ、値札を見た。1つが2000円近くする。即座に決断した。

「3つは買えない。せいぜいふたつ」

助六を2種買った。

近くの玩具店に足を運び、羽子板を2つ。1つ1500円。子供のような絵を描いただけの板っきれにしては高い。が、羽子板は2つなければ遊べない。3000円。

「瑛汰はね、幼稚園で年明け、コマの大会があるんだって」

玩具店を出ようとしたら、朝聞いた妻女殿の話が甦った。木のコマか。

「ある?」

 「はい、あります」

500円。
O氏の店に戻り、羽子板のはねセットを1つ。1000円少々。
結構な散財ではある。

自宅に戻り、2階の妻の寝室の窓から、和凧を吊す。それだけで、我が家に正月が来た。でも、啓樹や瑛汰が気づくかどうか。

明日は、恐らく年内最後の買い物である。そして、29日夜には瑛汰一家が来る。啓樹と長男夫妻の到来は年明けの予定だ。

また、多忙な日々が来る。