2015
11.23

2015年11月23日 大阪

らかす日誌

よくわからぬ町である、大阪。
府知事選と市長選のダブル選挙が昨日あり、どちらも大阪維新の会が大差で勝った。

この町に住むぼんくらどもは、

「世の中なんて舌先三寸で渉ってみせます。いやあ、その程度のものですよ、世の中なんて」

とう公言しているに等しい橋下の舌の上でいつまで踊るつもりか?

これまで橋下は何度嘘をついたか。何度駄法螺を吹いたか。空虚な妄想を何度垂れ流したか。阿呆なジャーナリストを煙に巻く言い逃れを何度重ねたか。嘘と駄法螺と妄想と言い逃れがばれて何度言い訳したか。言い訳に突っ込まれて何度開き直って、逆に相手を脅したか。
この、始末の悪い男に、いつまで力を持たせ続けるつもりなのか。

実に困った町である、大阪。


今朝、新聞を見た第一印象である。まあ、選挙なんて結果さえ分かればそれでいい。それにくっついている記事なんて余分なものだ。読む必要などない。何が書かれていようと、選挙結果が変わるわけではない。

が、ふと目にとまった記事があった。昨日の投票率を、先頃行われた大阪都構想への賛否を問う大阪市民の住民投票と比べたものだった。

それによると、住民投票の投票率は66.38%。それに対して、昨日の大阪市長選の投票率は50.51%。15.87ポイントも低いのだ。つまり、大阪都構想が動くか動かないか、にくらべて、誰が市長になるかへの関心は遥かに低かった。

それだけではない。
昨日大阪市長に当選した吉村洋文の得票数は59万6045票である。これは、大阪都構想の住民投票での賛成票、69万4844票を10万票ほど下回る。

これはどういうことなのか。松井を府知事にし、吉村を市長にすれば、一度は死んだ大阪都構想がゾンビのように甦るだろう。それなのに、大阪都にしたいと投票した人のうち、10万人は吉村に投票しなかった。
大阪都構想には賛成。だが、それ推進するはずの吉村は嫌、という人が10万人いることになる。

また、今回落選した3人の票を加えても46万票少しにしかならない。大阪都構想住民投票では70万人を超える人が反対票を投じていた。70万人から46万人を惹いた24万人は、大阪都構想のゾンビ化を防ぐために、なぜ投票所に行かなかったのだろう? この人たちが次点の柳本に投票していたら、結果はまったく違ったのに。

といろいろなデータを並べてみると、だんだん

「そうだったのか!」

と思える構図が浮かんでくる。
要は、候補者に魅力がなかったのだ。

大阪都構想を復活させたい大阪維新の吉村は、大阪都構想賛成票をまとめきれなかった。
その構想を完全につぶしたい自民党、民主党だけでなく、共産党もが押した柳本は、大阪都構想反対票の6割もとれなかった。

どっちも、

「わざわざ投票所にいって名前を書きたくなるヤツじゃないわ」

と有権者に見放された。
まあ、土地柄、熱狂的な維新ファンがいる大阪で、落ちる支持者が少なかった吉村が、かろうじて滑り込んだ選挙ということか。

とすれば、本当にだらしないのは有権者ではなく、自民党、民主党である。もっと有権者の共感を惹きつける候補者を立てられなかったのか? 俺には打診もなかったぞ。
共産党? ま、あまり影響はないと思われる。

しかし、内実は内実として、選挙は結果である。
しかも、勝った方の親分である橋下は、負ければ

「これはいまの制度がおかしいんですよ。僕らは間違っていません」

などとわめき散らすが、勝ったとなると

「どのようなご批判も感受しますが、いまの制度のもと、自由な選挙で、有権者は我々を選んだんです」

と平然と語って恥じず、民主主義が産み落とす専制を楽しむ男だ。次はどんな手を打ってくるか。

にしても、だ。自民党、民主党の体たらくは、いまや常識化した。であれば、です。大阪の有権者の皆さんが良識を発揮するしかなかった選挙だったと思うのですが、大阪の良識は、まだ橋下の影響力を凌ぐ力を持ち得ないのでしょうかねえ、大阪の皆さん?!