2017
07.03

2017年7月3日 都議会

らかす日誌

しかし、である。これでいいのかね、東京都議会。私にとっては所詮人ごとながら、思わず目をつむってしまいたくなる結果である。

まあねえ、自民党が大敗するのは時の勢いでしょう。最近、いいことないもんね、安倍内閣。国会での圧倒的多数に我が世の春を謳歌したまでは良かったが、彼らは兜の緒を締めなかった。ご本人にしてからがすっかり舞い上がってしまい、本来は議論の場であるはずの国会を、単なる時間つぶしの場にしてしまった。

同情する余地はある。野党がおしなべて何ともならないのである。一度は政権の座についたはずの民進党がひどすぎる。たしかに、あの連中に何を言われようと、

「へー、おまえさんたちにそんなことをいう資格があるのかい? 味噌汁で顔を洗って出直したらどうだ?」

ぐらいのことは私だっていいたくなる。
いわなくったって、頭のどこかでは、頭から馬鹿にしている。だから、国会での答弁も木で鼻をくくったようなものになってしまう。

あえて茶化せば、国民の支持を安倍内閣から引き離すため、あえて道化を演じて不用意発言を引き出そうという民進党の高等戦術に安倍内閣は引っかかっているのかな?
国会は、国会議員に向かって答弁するところではない。国会議員の後ろに控えている国民に語りかけるべき場である。それが分かっているのか分かっていないのか、不用意な発言を繰り返した安倍っちは、脇が甘いといわれても仕方なかろう。

親亀がそうなれば、子亀どもは輪をかけて奢り、不用意になる。ここ桐生にも、きわめて評判の悪い会社員グループがあると聞く。原因を尋ねると、

「あの会社の社長があれじゃね」

と異口同音の答が戻ってくる。安倍内閣のミニチュア版はどこにでもある。

このように、自民党が負けた理由はいくつでも挙げることができる。

では、都民ファーストは何故勝ったのか?
一言で言えば、それしか選択肢がなかったからだろう。

何度も書くが、民進党は、あの悪夢のような民主党政権時代を思い起こせば、選択肢には入らない。共産党と公明党は、好き者だけの政党である。好きでない人の選択肢に上るはずがない。では、特に好きな政党などない普通の人はどこに投票する?

まあ、都知事になった小池は自民党攻撃を続けた。攻撃されると、自民党のすねの傷がいくつも明らかになった。代表は東京オリンピックと築地市場の移転問題である。あまりのことに、自民党支持者が自民党都連離れを始め、都民ファーストへの乗り換えが起きた。

だが、自民党都政のすねの傷を明らかにした小池が問題を解決できたか?
3兆円にも膨らんだオリンピック開催費のうち、数百億円を節約したからといって、それが成果か? 私は違うと思う。
築地市場問題も、結局豊洲に移すことになった。豊洲移転費用を捻出するために売るはずだった築地も、再開発して使うのだという。おいおい、東京都はお金持ち自治体かもしれないが、あっちにもこっちにも税金を使うのか? 羨ましいね、ぱんぱんに膨らんだ財布を持つ人は。

そんな問題が突き詰められる前に、安倍内閣の脇の甘さが次々と表面化した。都民ファーストへの追い風が吹いたのである。自民党が吹かせてくれたのである。

今回の都議選の結果は、それだけのことだ。

今朝、あのO氏と顔を合わせ、都議選が話題に上った。

「あんな素人ばかり、『当選したらじっくり勉強します』なんて連中が大量に当選してどうなるんだろう?」

 「1年、長くても2年もすればかつての民主党政権みたいなことになるから、それほど心配することはないんじゃない?」

 「ということは、都政の混乱のピークはオリンピックの年かもね」

今回の都議選の結果は、それだけのことではなだろうか?

かつて大阪で維新旋風が吹きまくったとき、いずれは橋下が首相になるのでは、といわれた。いまや、小池が日本で最初の女性首相になるかも、という。

橋下の目はなくなった、と私は思う。

では、小池の目は?
何度も書く。一時のブームに乗ってチルドレンを作る政治家は退場していただきたい。小泉チルドレン、橋下チルドレン、そして安倍チルドレン。彼らは多くの混乱をもたらした。しかし、一つとしていい結果を生んだチルドレンはいない。

チルドレンが生み出される基盤は、小選挙区である。黙々と努力を積み上げ、政治家としての力量を養うより、風向きを見てチルドレンの一員になるのが政治家になる、利権にありつく早道だとしたら、誰が努力をするか。だれが実力を磨くか。

アメリカでは、アメリカ・ファーストを唱えるトランプが、世界の笑いものになっている。
それなのに、日本では都民ファーストのブームである。東京都さえ良くなれば、神奈川県も群馬県も福岡県もどうなってもいい、という主張が大手を振ってまかり通っている。

アメリカと同じように、都民ファーストもやがて笑いものになる、と私は予測する。
小池首相? 願い下げである。