09.08
2017年9月8日 東京、死ね！
東京ではたばこが吸えなくなる模様である。小池のおばさんと、小池のおばさんのご威光にすがって都議会議員の甘い特権を吸い尽くそうという連中が、子どものいる家庭での喫煙を禁じる条例案を都議会に出すのだそうだ。
世界で初めて、たばこの健康被害を調べ尽くしたナチスもできなかった暴挙を、民主主義という美辞麗句の名の下でやっちまう。とんでもない連中のとんでもなさが、とうとう露呈し始めた。
いくつか申し上げたい。
健康に悪影響があるのはたばこだけか？
酒は百薬の長という。だが、過ぎれば立派に健康被害を引き起こす。「失われた週末」で描かれたアル中は害の最たるものである。加えて、アルコールには放射線以上の催奇形性がある。チェルノブイリの原発事故で、周辺から奇形児が見つかったのは、放射線被害よりも、妊娠中にも飲酒をやめないソ連（当時）の生活習慣のためであると専門家は指摘している。
子どもがいる家庭から酒を追放するか？ 妊娠中に酒を飲んだ妻は、罰するべきか？
車は便利な道具である。私なんぞは、妻の足が強くないこと、桐生に暮らすことのために、車は手放せない。車なしでは暮らしが成り立たない。
だが、車は排ガスを出す。空気を汚す。これも健康には良くない。電気自動車にしたら？ それだって、電気を生み出す発電所はいま、おおむねを石油と石炭に頼る。地球温暖化にはあまり関心はないが、発電所の浄化装置から漏れ出る排気は確実に空気を汚す。健康に悪い。
子どものいる家庭から車を追放するか？ 子ども連れで車に乗ることを禁止するか？ 車の多い都会に子ども連れで出てきた親は逮捕するか？
考えてみれば、我々の暮らしは妥協で成り立っている。
車は排ガスだけが問題なのではない。交通事故という問題とも切り離せない。では、交通事故をなくすために車を禁止するか？
飛行機は必ず落ちる。落ちれば多くの人が死ぬ。飛行機を禁止するか？
地球環境を守るため、夏は冷房を使わず、冬は暖房を諦めて、原始の暮らしをするか？ 熱中症で死亡者が出たらどうする？ 冬場には凍死者だって出かねないぞ。
何事をしても、いくらかは周りと自分に迷惑をかけるのが暮らしというものである。迷惑を根絶するには、人間が絶滅するしかない。だから
「この程度なら、まあ、仕方がないか」
という妥協がなければ70億人の暮らしは成り立たないのである。
それなのに、なぜたばこだけが特筆されて目の敵にされなければならないのか？
いくら少数になったからと言って、たばこ愛好家の暮らしをつぶしていいのか？
少数者の意見も尊重するのが民主主義ではなかったか？
たばこ絶滅は、あのナチスでさえもできなかったことだぞ。我々の自由に遠慮なく手を突っ込んでくる。小池都政はナチス以上のトンデモ政府だと言うことか？
そもそも、である。
いま、子どものいる家庭で、屋内で喫煙をゆるされているところは減っているのである。
我が長男は、こよなくたばこを愛している。高校時代からの長い付き合いだ。我が家に来てもまずすることは、ポケットからたばこを出すことである。いや、あったと言うべきか。
その長男に、やっと子どもができた。40歳を過ぎてからの初めての子どもである。
「お前、たばこはどうしているんだ？」
生まれて間もなく、聞いてみた。
「ベランダだよ。子どもができたって分かってから、部屋の中ではすわせてもらえなくなって」
長男は、実に嬉しそうにそういった。
長女の旦那は、敬樹が生まれてたばこをやめた。次女の旦那も瑛太ができてからたばこをやめた。長女宅も次女宅も、私はベランダに出なければたばこを吸わせてもらえない。
それでいいではないか。たばこが身体に悪い、受動喫煙は問題だ、という情報は、真偽は別として腐るほどある。今日本国民で、それを知らぬ人はおそらくいないだろう。知った上で、ではたばことどうつきあうか、と自分で考えて実行する。それが自由というものである。
私の子どもたちはそう考え、そう実行している。長男に聞くと、たばこ愛好家が多い彼の友人たちも、子どもができると室内での喫煙は避けているそうだ。そのような自由の枠内で自主性を持った国民が多数になりつつあることを喜ぶべきではないか？
何事も、力で押さえてはいけない。時間はかかろうとも、情報の正確さで国民の自覚を待つ。それが、力で押さえつける歴史を繰り返し、様々な悲惨な出来事を積み重ねてきた人間が、やっと学んだことである、と私は考える。私たちはそんな社会を作りたいと努力してきたのではなかったか？
小池都政、都民ファーストの会を、ポピュリズムのトドの詰まり、と呼ぶことを私は躊躇しない。何のことはない、喫煙者は少数派である。であれば、家庭内での喫煙を制限することへの賛否を問えば、賛成派が多いのに違いない。そう踏んで、多数派におべっかを使おうというのが、小池都政、都民ファーストの会の本質である。ちんころ兄ちゃん、ちんころ姉ちゃんが徒党を組んでいるにすぎない。
保育園落ちた日本死ね
そんな言葉が一時流布した。流布させた国会議員が不倫疑惑で離党する騒ぎになったから、ひょっとしたら手垢がついてしまった言葉かもしれない。しかし、今回はこれをお借りしたい。
たばこ吸えない東京死ね！
ちと下品な言い方かもしれないが、ナチスに劣る人権感覚しかお持ちでない方々には似つかわしいと思う。いかがだろうか？