2017
11.15

2017年11月15日 OFFICE MAC

らかす日誌

OFFICE MAC 2016というヤツを、3週間ほど前に買った。

私は、マイクロソフト社が嫌いである。OSにウインドウズを使ったパソコンなど、見る気も触る気もしない。この世からマイクロソフトという会社がなくなれば、さぞやすがすがしくなるだろうと日頃思っている。

だから、かつて使っていたOFFICE MAC 2004が、MacのOSが変わって使えなくなったあと、つまり私が旧iMacを諦め、MacBook Airを買ってからあとはOFFICEなしで過ごしてきた。
それでも、表計算ソフトやワープロソフトは必要である。当初はMac標準ソフトのPages(ワープロ)やNumbers(表計算ソフト)を使っていたが、機能が少なくいまいち使いづらい。

それに、仕事をする上で、ネットを使ってのファイルのやりとりはごく当たり前になった。多くの方が標準ソフトとしていらっしゃるのが、マイクロソフトのOFFICEである。私が使うソフトも、せめてOFFICE互換でないと実用にならない。

というわけで、無料のOFFICE代替ソフトを歌うLibreOfficeを使ってきた。だが、これは不具合の寄せ集めで、使いこなすのに難渋を重ねた。何しろ、ワープロ画面を開くと、編集画面が真ん中にない。右に寄って、隠れている。書き継いで2ページ目に入ると、今度は編集画面が左に移る。3ページ目以降はどうなるのか分からないが、ひょっとしたら、右—左—右—‥‥、と続くのではないか。それに、こいつを立ち上げた瞬間、すでに保存してあるファイル名が画面に並び、強制保存を強いてくる。意味が分からないが、やむなくボタンを押す。そのうちいくつかは保存に失敗したとのメッセージが出る。もとのファイルを開くと別に何ともなっていない。この理解不可能な動きは、精神衛生上実によろしくない。

だから、迷っていたのである。

「やっぱり、OFFICE MAC 2016を買うしかないのか」

と。
何度もAmazonにアクセスし、2万3000円強するヤツの購入ボタンを押しかけた。押しかけては

「こんなものに2万3000円も払うのか」

と躊躇し、ためらい、押さずに、我慢を重ねながらLibreOfficeに頼ってきた。

「正規版なんか買う必要はないよ」

といったのは、桐生市の元有力者O氏であった。

「俺なんか、ヤフオクで買うんだわ。そうすると、IDとPassWordを送ってきて、多分海賊版だけど、ちゃんと動くよ」

言葉に促されて、ヤフオクを覗いてみた。ある、OFFICE MAC 2016がある。しかも、安い! 5台のパソコンにインストールできるヤツが、即決価格で2200円ではないか。

「2200円なら我慢のうちか」

そう思い定めて買ったのである。

海賊版。恐らく、中国あたりでせっせとコピーしているのだろう。だから、DVDが送られてくるのかと思っていた。しかし、来たのはメールである。メールに、マイクロソフトの、OFFICE MAC 2016ダウンロードサイトが書いてあり、ID、PassWordもある。

「これ、手続きは変だけど、手に入るのは正規版ではないか」

ふむ、こんな商売が成り立っているとは。これなら2万3000円もする正規版を買う人はいなくなるのではないか? マイクロソフトは倒産するのではないか?
などと、別に心配するわけではないが、考えてしまった。
まあ、心配するのはマイクロソフト社にお任せすることにしよう。

こうして、私の新しいiMacでもOFFICE MAC 2016が使えるようになった。とりあえずは、

「目出度し、目出度し」

と仕事への意欲を掻き立てられたのであったが‥‥

そうなのである。使い始めてみると、これもろくなソフトではなかった
まず、遅い。何とも動きが悪いのだ。ネットで検索すると、OFFICE MAC 2016への酷評と速度改善対策がわんさと出てきた。

「このファイルをゴミ箱へ」

という類である。皆様、このソフトの余りのひどさに怒り、次に対策をお考えになっているようだ。

教えられるまま、私もやってみた。指定されたファイルを次々に捨てた。それなのに、ああ、それなのにそれなのに。
動きはちっとも俊敏にならない。キーボードを叩いて、その文字が画面に表示されるまでしばらく待たねばならない状態は、まったく改善しないのである。

それだけなら、マイクロソフトの世界の話である。こんなソフト、使わねばよろしい。
困り果てたのは、ほかのソフトの動きも遅くなったことである。
たとえば、いまこの原稿は、SafariでWordPress管理画面にアクセスして直接書き込んでいる。ほかのエディタで一度書いて、それをコピペするようなことはしていない。
それなのに、なのだ。この画面でも、文字入力の速度が愕然と落ちたのだ。Wordで書いているのとまったく同じように、動作が遅いのである。OFFICE MAC 2016、自分の能力に問題があるだけでなく、ほかのソフトにも悪さをするらしい。
iMacそのものの起動も2、3倍の時間がかかるようになったことを付け加えておく。

なんでこのようなソフトが大手を振って流通しているのか。ホント、世も末である。さて、それではOFFICE MAC 2016をゴミ箱に放り込んで、代わりに何を使おうか、と考え出したのは、購入して1週間ほどしてからのことだった。

ところが、なのだ。

「あれ?」

iMacが素早く立ち上がるようになったのに気がついたのは、その数日後であった。OFFICE MAC 2016をインストールする前と同じ程度の時間で動き出す。
それだけでなく、WordもExcelも起動が速い。文字入力にも何の問題もない。いま使っているWordPress管理画面だって、極めて気持ちよく、サクサクと文字入力ができる。
つまり、OFFICE MAC 2016導入前と同じように、快適に動き始めたのである。

「何が起きたんだ!」

お断りしておく。
私は何もしていない。やったのは、WordとExcelの動作を改善する処方箋だけだ。やっても一向に改善されなかったことはすでに書いた。それなのに、何日かたったら、劇的に改善しちゃったのである。

まあ、良くなったのだから文句はない。文句はないが、気持ち悪い。原因不明だから、OFFICE MAC 2016をインストールして不具合に悩んでいらっしゃる方へのアドバイスもできない。
何しろ私は、何もしていないのである。何もしないのに事態が改善する。あってはいけないことが、私のiMacの中で起きた。

「何故だ!」

モヤモヤした気持ちからは解放されず、でも快適に動き始めたiMacに胸をなで下ろしている私であるのだが‥‥。

どなたか、この解説がおできになる方はいらっしゃいませんか? 右上の「お問い合わせ」からメールをいただければ幸甚に存じます。