2019
10.04

関西電力の3人は完全にアウトだな。

らかす日誌

関西電力の不祥事がまた少し動いた。3人の幹部が、関西電力が仕事を発注している企業から直接金品を受け取っていたという。今日のNHKお昼のニュースでやっていた。

こりゃあもう、この3人は完全にアウトですね。たいした給料ももらっていない下っ端が生活費が足りずにやったのなら情状酌量の余地もあるが、皆さん幹部ですよ。それなりの所得はあるはずで、それが

「これ、やばいよな」

ということは分かっていただあろうに金品を受け取る。言語道断とはこのようなことをいうのだろう。

もちろん、違った見方もできる。この3人、ガードが甘すぎる。
サラリーマンとは、植木等が歌ったような気楽な商売ではない一面がある。考えてみれば、社内はライバルばかり。機会があれば足を引っ張って出世レースから蹴落としてやろいうという不心得者が集まったのが企業である、ともいえるのである。

「全社一丸となって」

などは建前に過ぎず、

「その中でどうやったらトップに立てるか?」

という連中が少なからずいるのだ。
朝日新聞でも

「そう、君はボクの後釜のポストに就きたいの。だったら、俺の靴、嘗めてみる?」

と言ったとまことしやかにささやかれた人物がいた。現認したわけではないので伝聞に過ぎないが、その人物は後に役員となり、慰安婦問題や東電吉田所長の問題で社内がすったもんだした挙げ句。すったもんだのどこかにいたらしくて責任を問われ、ポストを追われた。

まあ、それはそれとして。
だから、サラリーマンは

「ホウレンソウを欠かすな」

といわれるのである。
ホウ、とは報告である。
レン、とは連絡である。
ソウ、とは相談である。
何事も報告、連絡、相談を欠かしてはならない。それは仕事をスムーズに進めるためではない。何か思わぬ事態が起きたとき、責任を上司に持たせるためである。報告も連絡も相談もしたではないか。社内的な手続ききちんと取って進めていたプロジェクトで思わぬ事態が起きた。その責任はプロジェクトを担当した私ではなく、それを認めて後押しした上司にある、ということになるからである。
上司と呼ばれる人たちが少し高い給料をもらい、少し偉そうな態度がとれるのは、何かが起きたときに責任を取るためだ、といえばいいだろうか。

もっとも、私が現役の時はそんなことは思いつきもしなかった。思いつかなくても、何となく定年まで概ね心地よく過ごすことが出来た。だから、かなりの部分、気楽な稼業ではあった。あまり出世はしなかったが。

もっともなあ、関西電力の3人はホウレンソウを受ける立場にあった連中だからなあ。その地位にある方々の身の守り方は、そんなポストには就いたことがない私には分かりかねる。ま、君子危うきに近寄らず、というのが正解ではなかろうか。そして3人は危うきに近づき、取り込まれてしまった。

今日は床屋に行った。行きつけの理髪店である。

「大道さん、今度私、独立するから」

私の髪を切りながら、いつもの彼女が言った。
独立? だって君はこの家の次女だろ? この商売は家業だろ? 独立って、家を出るのか?

家を出るのだそうだ。50歳の大台を目前にしての独立。隣の足利市に土地を買い、すでに上屋の建築に着手したのだそうだ。年明けには家を出て新しい店でたった一人、営業を始める。
聞くと、家族との関係があまりうまく行っていなかったようである。ずっと店で働いているのに、いまだに定額の給料しかもらっていない。ボーナスはない。

「出来高制にして欲しい」

と何度も綾にアピールしたが、全く取り合ってもらえない。
店内で新しくエステを始めようと計画を練り、一度は認めてもらったが、補助金申請の書類を書き上げ、明日提出しようという日になって

「やっぱり賛成できない。そのスペースは将来、俺たちの部屋にしようと思っている」

と拒絶された。

それに、今の店は、ゆくゆくは姉に継がせたいというのが両親の意向だという。
だからだろうか、いま、店内に住居に一人で住んでいるが、部屋代、水道光熱費を徴収される。

「ここにいてはやりたいこともできないし、お金も貯まらない。だったら、自分で何とか出来る環境を造るしかないと思って」

だから、桐生市を離れようと思った。そして、エステを取り入れた高級サロンを造る。

「じゃあ、その店に行くよ」

「でもねえ、今度は料金も上げるんです。いまヘアカットだけで3500円(前回まで。今日は3850円だった)だったでしょう。今度は5000円はいただかなくっちゃ」

あれまあ、そんな高級店になるのかよ。

「すべて一人だけでやるので、ネットを使った予約システムを入れて、男性のお客さんは紹介客だけにして。女性客なら問題は起きないだろうけど、初対面の男性だと何が起きるか分からないでしょう」

にしても、である。親子で仲良くやっていると見えた美容・理髪店にも、複雑な人間関係があったわけだ。そこからはじき出されるように出て行く私の担当者。
応援してやりたいが、髪を切るだけで5000円? ちょいと悩んでしまう私であった。