2020
03.25

オリンピック延期が正式に決まった。

らかす日誌

東京オリンピックの延期が正式に決まった。

「アダノム・WHO事務局長の発言を受けて、バッハ・IOC会長が決める」

という私の予測は外れたが、早めに決まって良かった。ズルズル引き延ばされていたら混乱はさらに倍加していただろうことを思えば、それなりに評価する。
もっとも、

「世界中の国々で新型コロナの勢いが衰えない現状で、オリンピックなんか開けるはずがない」

というのは、イタリアやスペイン、フランスで死者が急増し始めた今月10日あたりからは誰の目にも明らかだったのだから、もう少し早い決断ができなかったかという思いは残る。

あまり言い出す人がいないようなので書いておくが、せっかく1年延期されたのである。後始末と準備にそれなりに忙しいだろうが、せっかくできた時間だ。この機会にオリンピックを根底から見直す議論を始めたらいかがか。

日本の、異常高温が続く夏場にオリンピックを開くことになったのは、大スポンサーであるアメリカのテレビ局の都合だった。口では

「アスリート・ファースト」

などと格好をつける方が多いが、真夏の炎天下、いや、ひょっとしたら高温多湿の日没後かも知れないが、そんな環境で競技をするようアスリートに強いるのは、アスリート・ファースト、なのか? アスリートなんて銭儲けの道具に過ぎないのではないか? 真夏の東京での開催に批判が相次いで切羽詰まり、マラソン会場は札幌に移すことになった顛末も記憶に新しい。

総ては商業主義化したオリンピックのなせる技である。いまやIOCにとってはアスリートの健康より、オリンピック開催資金の調達、あるいは彼等の高収入を支える金の確保が優先しているように私の目には見える。何度も書いたが、オリンピックはもはやアマチュアスポーツの祭典などではない。巨額の放映権料の見返りとして独占中継権を振りかざす大テレビ局の存在がなければ開催資金がないのであれば、スポーツをネタにした巨大な見世物に過ぎないのではないか?

スポーツを否定するわけではない。しかし、スポーツエリートの育成に、国の威信を賭けて巨額の資金が注ぎ込まれ、2兆円を超える金が競技場をはじめとした施設整備に投じられ、新聞はあげて広報紙となり、テレビはスポンサーもいないのに(これはNHKだけだが)オリンピックのCMを自主製作して垂れ流し続け、アスリートの間には勝つことを目指してドーピングすら広がっているいまの姿を見ると、

「なんか違うんじゃないか?」

といいたくなる。

昔は良かった、といいたくないが、

「参加することに意義がある」

オリンピックの再建は不可能なことなのか?
せっかくできた1年間である。そんな議論のきっかけでも生まれてくれればいいと願う私である。

しかし、オリンピックもそうだが、新型コロナウイルスは世界の各層に様々な変化をもたらしそうだ。変わることへの不安も大きいのだが、中には

「この際、変わってくれないか」

と思うものもある。
まず、アメリカ大統領。トランプの発言は支離滅裂なものが多いが、コロナ関連でも迷走は続いている。加えて株価が急落し、経済が減速したことでトランプへの評価も下落。このまま下がり続けて次の大統領選挙でその座を去ってくれれば世界は安心するはずだ。そして私も安心する。

中国の習近平国家主席。強権国家のトップとしてやりたい放題をやり、圧倒的な軍事力を背景に極東アジアの平安を乱してきた。まるでドラえもんに登場するジャイアンである。向かいところ敵なしと思われたが、コロナウイルスへの対応で批判が強まっている。その国民世論を背景に習近平を追い落とすことに誰かが成功すれば、極東の緊張が緩和する可能性がある。
と考えているが、中国がコロナウイルスの押さえ込みにどうやら成功しそうなだけに、望み薄か?

韓国。文在寅大統領も私には理解が難しい人である。理解が難しいから信頼などはとてもできない。
この方、様々な失政で支持率を減らしてきたが、今回のコロナウイルス対応でも避難が高まっているというから、4月の総選挙で与党が負けれて政権がレイムダックになるのもないことではない。

揺すって変わらないものはない。新型コロナウイルスがゆすり続けている世界はどう変わるのか? 不安と期待を持って待つしかない。

冒頭の写真は今日の桜である。ほぼ4分ほどの開花か。写真で比べると、ほぼ昨年4月1日と同レベルか。とすればちょうど1週間早いことになる。昨年は4月の11日には散り始めているから、同じ計算をすれば今年は4月4日に散り始めることになる。
今年の入学式ににはコロナウイルスがあり、加えて散り始めた桜のもとで開かれることになる。二重に寂しい新学期になりそうである。

せっかく撮っておいたので、昨日の桜の写真もここで公開することにする。上の写真と見比べていただければ、わずか1日での変化がおわかりいただけるのではないかと思う。