2020
11.03

アメリカの大統領選挙、間もなく投票が始まります。

らかす日誌

とうとうやって来たアメリカの大統領選挙。勝敗はいかに?

マスメディアの報道を見る限り、選挙戦終盤になるに従って暗黙のうちにバイデン勝利を臭わせるものが増えた。世論調査で一貫してバイデンの支持率が上回っているのだから日本の常識では当たり前なのだが、アメリカの大統領選挙は得票数の多寡がそのまま結果に結びつかない不思議なシステムを取っている。確か、州ごとに多数を制した方が選挙人を総取りするおかしな制度だ。

日本に民主主義を教えたアメリカともあろうものが何でこんな不合理なシステムを続けているのか。考えてみれば不可思議なことである。4年前の大統領選挙で、得票数では上回っていたクリントンが敗れたのはそのためである。

だからだろう。事前の世論調査でどんな結果が出ようとも、

「トランプが勝つに決まっている」

と信じて疑わない人々がいる。私の友人にも一人。有名人で私が知っているのは元NHKの木村太郎。

「何の根拠もない(バイデン勝利には、少なくとも世論調査の結果というデータがある)暴論」

と切って捨てることがなかなかできないのは、

「アメリカならやりかねない」

という思いが、私のどこかにあるからだろう。トランプが再選する? そんな悪夢は見たくない!

が、である。バイデンが勝っても、日本人である我々は胸を撫で下ろすことはできないらしい。今月号の「選択」で知ったが、バイデンは尖閣諸島を守る気がないらしい。そもそもバイデンは、大統領選挙のさなかに

「台湾海峡をはさんでの紛争に、米国が自動的に巻き込まれるような権利を、台湾に与えるべきではない」

と騙ったのだそうだ。アジア、極東から一定の距離を取る。そんなバイデン政権が尖閣諸島ごときで軍を動かすはずはない、という読みである。
ふむ、日本は自力で中国軍と対峙し、尖閣諸島を守らねばならないってか。ということは、日本は本格的な再軍備をしなければならないことになる。しかし、どれほど装備を固めたところで、10倍以上の人口を抱える中国との軍事衝突は悪夢である。かわぐちかいじさんの漫画では、日本の自衛隊がみごとに中国軍を封じ込めたが、現実なると……。

着々と権力基盤を強化している習近平の早世を願うしかないのかなあ。

ところで、アメリカの大統領選挙。結果はいつ分かるのだろう? 結果が出たとき、アメリカで何が起きるのだろう?

・トランプ再選の悪夢が始まる。
・トランプが選挙結果の無効を裁判に訴える?
・それでも負けたらホワイトハウスにバリケードを築いて退去を拒絶する?
・ホワイトハウスの前で、トランプ派、反トランプ派が武力衝突する?
・警官が出動する?
・州兵が鎮圧に当たる?

しばらく、アメリカから目を離せそうにない。

選択」でもう一つ気になる記事があった。世界中で自由主義が死滅しかかっている、というレポートである。

それによると、引き金になったのはトランプの大統領就任だった。今回の大統領選挙の期日前投票ではトランプ派の白人グループが銃を持って投票所に現れたり、投票に来た人をビデオで撮影し続けたりする嫌がらせが各州で起きているそうだ。共和党が知事を務める州では黒人が多い地区の投票所が減らされたともいう。まったく、

「民主主義なんてどこの話?」

という無法地帯があちこちで起きているのである。トランプがもたらしたものであることはいうまでもない。

欧州を見ても、自由主義の退潮は明らかだという。
ポーランドで政権を握った「法と正義」、チェコの首相になったアンドレイ・バビシュ、ハンガリーのオルバン・ビクトル首相はいずれも移民・難民嫌いのポピュリスト。フランスではマクロン大統領が急激に右傾化、イギリスでもジョンソン首相のポピュリズム傾斜が甚だしいという。ポピュリズムとはトランプが積極的に打ち出した、国民の劣情を煽る政策をいうのだろう。

アジアでは軍事力による支配を鮮明にしつつある中国は語るに足りないとしても、インドのモディ首相はヒンドゥーナショナリズムを標榜し、イスラム教徒を差別する政策を進める。韓国のナショナリズムも選挙が近づくと与党・野党を問わず反日の色を深める。

さてさて、世界はどうなるのか? アメリカ大統領選挙の結果で何かが変わるのか?

Yahoo!ニュースによると、アンケートここ耐えた11万人あまりのうち、59.7%がトランプ勝利を予想している。日本にも、アメリカ流の劣情世論が高まっているのか?

世の中がよくなっているとはとても思えない昨今である。