2022
07.27

樹徳高校が甲子園に行くことになりました。おめでとう。そして、Get Back!

らかす日誌

夏の甲子園大会群馬県予選は今日決勝戦が戦われ、桐生市の樹徳高校が健大高崎を下して甲子園への切符を手に入れた。樹徳高校は30年ぶり3回目の快挙。桐生勢としては2008年の桐生第一高校以来となる。しかも今回は、ノーシードから勝ち上がっての栄冠だ。素直に

『よくやった!」

といってやりたい。そういえば、テレビで見ていたら監督さんが泣いてたなあ……。

にしても、折角甲子園に行くのなら、私が桐生支局長の間に実現して欲しかった。私が赴任する前年の2008年は桐生第一だったわけで、まるで私を避けるかのように桐生から甲子園行きが出るのだから皮肉なものである。私、そんなに嫌われているかな?

樹徳高校は桐生市の中心部にある。すぐ隣の浄土宗寺院・浄運寺が経営する仏教系の学園だ。何度かお邪魔して取材した記憶がある。確か、科学関係の全国大会で上位に入賞した1年生がいて、その子を記事にするのが目的だった。
樹徳高校には「スーパーサイエンスコース」という、成績優秀者を集めたクラスがあり、彼はその1人だった。
取材には担任の先生が付き添っていた。話の本筋は本人に聞いて数十行の原稿にまとめたが、驚いたのは担任の先生の話である。

「この子、学校では余り勉強しないんですよね。授業も余り熱心に聞いている様子はないし」

まあ、高校生時代は、ダンディズムの時代でもある。自分が勉強している姿を人に見られたくない。ガリ勉という風評でも立てられたらことである。高校生活を謳歌している自分をいアピールしたい。
だが、そんな子は人が見ていないところで必死に勉強している。そうでなければ、最優秀のクラスにいられるはずがない。この子もその1人だろう。
そう思った私は、彼に聞いてみた。

『家に帰ったら勉強してるんだよね?」

意外な言葉が戻ってきた。

「いやー、教科書や参考書は余り開かないんです」

ん? 私に向かってもダンディズムを押し通すか?

「じゃあ、自宅では何しているの?」

追い打ちをかけるのも取材の常套手段である。

「はい、好きなのは数学の専門書を読むことです」

数学の専門書?

「だって、君はまだ高校1年だろう。数学の専門書を読んで理解できるの?」

当然の質問だろう。

「ええ、1回目はよく分からないけど、3回ぐらい読んでると何となく分かるんですよね」

読書百遍意自ずから通ずる、という言葉はある。だが、高校1年生が数学の専門書を理解する? ありえないだろ!?
担任の先生の顔を見た。先生はいった。

『この子は、ですね。いま東大の入試を受けても通っちゃうんですよ。頭のいい子です」

彼が現役で東大に入ったのを知ったのはそれから2年半ほど後のことである。学校の勉強には熱心でなく、好きな数学書を読んでいて東大にすんなり入る。そうか、あの時私は、天才の1人にインタビューしていたのか。そう思い知らされたのであった。

その後、確か教頭先生にお目にかかった。取材ではなく、単なる雑談である。
しかし、雑談も時として、びっくりするような知識の源泉になる。

「相田みつを、ってご存知ですよね」

教頭先生のそんな一言でその知識への扉が開かれた。

「もちろん知っています。書家というか、詩人というか、独特の書体と詩的な言葉が、私が知っている範囲では、経営者に好まれています」

相田みつを。私は余り好きではない。あの丸っこい字には心惹かれるものがあるが、全てを

「いいじゃないか、人間だもの」

でまとめてしまう彼の哲学は、

「俺もこの地位まで上り詰めるには、人に言えないことをたくさんやってきたもんだ」

という方々が自分を慰める、贖罪する支えにしかなっていないと思うからである。相田みつをの世界に惹かれるようになったら人間終わりだ、とも思う。

ま、だが、ここは雑談相手の教頭先生が持ち出した話題である。そこまで自分の想いを開示する必要はない。何かを私に伝えたくて、先生はこの話題を始めたのだから。

「相田さんとは随分縁がありましてね」

へえ、それはまた、どんな?

「あの方、足利の生まれでしょう。あの方も苦労されて、まだ書が売れない頃、暮らしに困るとうちにおいでになってました。ええ、相田さんの書を、うちは結構買ってるんですすよ」

いまでは東京。丸の内に相田みつを美術館がある。彼の主要な作品はそこに展示されているはずだが、

「ということは、未公開の相田さんの書がたくさんここにあるということですか?」

「ええ、そうなんです」

樹徳高校の甲子園出場を知り、あれこれ樹徳高校に思いを巡らせていたら、こんな古い記憶が蘇った。これ、ひょっとしたら町おこしの武器の1つになる? そう思ったので、ここに書き記す。

樹徳高校、甲子園出場、おめでとう! コロナに注意して、無事に甲子園いけよ!

それはそうと、とうとう我が家に、The Beatlesの「Get Back」がやって来た。Blu-rayの3枚組。我が家に届いたのは24日である。
この映像は、ディズニープラスという有料チャンネルで昨年11月から放映されていた。見たいとは思うものの、その為にディズニープラスの会員になるか? 他に見たい映像はないのに。
そう考えた私は、

「いずれはDVD、Blu-rayで発売されるに違いない」

と判断。ディズニープラスには入会しなかった。
それが、やっとBlu-rayで発売されると知ったのは今年の春だったか。しかし、その価格を見て驚いた。Blu-rayの3枚組で、何と1万6500円

「おいおい、何処をどう押したらそんな価格になるんだ?!」

と怒り心頭に発した私は、待つことにした。ヤフオクに中古で出るまで待つか? 中古でも再生できればいいのだから。しかし、中古の価格が下がるまでには随分時間がかかるだろうなあ。
などと考えていて、ふと思いついたのである。

「アメリカのAmazonではいくらで売ってる?」

なかなか始まらなかった予約受付がやっと開始されたと知ったのは5月下旬だった。さっそくアクセスすると、輸送費も含めたトータルで46ドル39セントである。1ドル=140円で計算しても6500円。直ちに予約したのはいうまでもない。そして、それが24日に届いた。

しかし、である。アメリカのAmazonで6500円のものが、日本のAmazonに来ると、なぜ1万円も高くなるのか? 全く不思議な価格のからくりである。
Blu-rayにはリージョンコードがない。ということは、どこで買っても必ず日本語字幕が呼び出せるということである。だから、日本のAmazonで、日本発売のものを買おうと、アメリカのAmazonでアメリカ発売のものを買おうと、中身は全く同じであるはずだ。それなのに、日本のAmazonから買うと、なにゆえに1万円も余計に金を取られるのか?
腹立たしいこと、この上ない。

といいながら、実はまだ鑑賞していない。トータル8時間の長丁場である。

「よし、見るぞ!」

と心を定めなければなかなか挑めない世界なのだ。
よって、視聴しての感想は後日になる。

にしても、だ。ディズニーがビートルズにまで手を出す時代になってしまったか。
ディズニーが製作するようになって、映画「スター・ウォーズ」の質が下がった。ビートルズまでクオリティを下げるのか? と瞬間思ったが、まだ映像を見ていない。
この鬱憤も完勝してからゆっくり吐き出すことにしよう。