10.04
ならず者国家は自滅を待つしかないのか?
今朝7時半頃、テレビを見ていらっしゃった方は驚愕されたに違いない。突然画面が切り替わり、北朝鮮が発射したミサイルが青森県、北海道に向かっているという。
「あの太っちょ、日本に戦争を仕掛けてきたのか!?」
私はザッピングしてみた。NHKといわず民放といわず、全局がほぼ同一の画面で、北朝鮮のミサイル発射を伝えていた。いかん、これは本当の危機なのか?
ミサイルが日本を飛び越して太平洋に落下したという情報が伝えられるまで、記憶によれば約15分間。テレビは
・地下に入れ
・丈夫な建物に入れ
・それがなければ家に入って外に出るな
・窓のないお部屋に行け
と繰り返した。
幸い、といっては青森県、北海道の方々に失礼かも知れないが、私の住む群馬県にはやって来ないらしい。しかし、本当に北朝鮮のミサイル攻撃が始まったのだとすれば、第3弾、第4弾がこちらに向かわないとも限らない。 あれこれ考えた。
地下に入れ、だって?
さて、青森県、秋田県に地下鉄はあったっけ? 札幌には確かあったが、他にはあるのか? 都会にはビルの地下もあろうが、農村地帯に全員を収容できるような地下はあるのか?
国民の生命を守るのは国の責任である。だが、日本政府はこのようなミサイル攻撃に備えた地下シェルターの建設には何も力を注いでいない。それなのに、政府広報は地下に潜れという。おいおい、ミサイルが群馬県桐生市に向かっていても同じことを言うのかね。桐生の地下? 知っているのは市役所の地下、隣のシルクホールの地下程度である。ひょっとしたら地下があるビルがもう少しあるのかもしれないが、私は知らない。
「直ちに地下に潜れ」
といわれたってどうしたらいい?
だからだろう。できるだけ丈夫な建物に身を隠せと来た。いま住んでいるのは木造2階建ての家である。住宅団地だから周りの家も同じようなものだ。とりわけ丈夫そうな家は見当たらない。
窓のない部屋に行けだって? 全ての部屋の採光を考えるのは住宅設計の基本である。窓がない部屋なんて誰が、何の目的でわざわざ作る? この家で窓がないのは屋根裏部屋だけである。だが、そこがミサイルに対して安全だとはとても思えない。
そもそも、である。ウクライナのニュースを見ていても、鉄筋コンクリートのマンションもミサイル攻撃にはひとたまりもない。窓のない部屋に行こうが、丈夫な建物に入ろうが、助かることはなさそうである。
「ま、ミサイルに直撃されれば痛みを感じる暇もなくお陀仏になるだろうから、諦めるしかないか」
どう考えてもそんな結論しか出て来ない。北朝鮮という無法国家を隣に持つ我が国の政府は、国民の生命をどうやって守るつもりなのだろう? 訓練1つせず、必要な施設も整えず、ただ安全なところに移動しろというだけ。実に無責任極まると言わざるを得ない。
にしても、である。あの北朝鮮の太っちょはいったい何を考えているのか?
ヤツは独裁国家の親分である。その座に座り続けようとするならば、
「俺は常識など通じない怖い男である」
という役を演じ続けなければならない。少しでも優しさ、気弱さを見せようものなら、配下から反逆者が現れかねないのである。だから、常に強腰に出る。
「アメリカ? 恐れることはない。俺が何とでもしてやる」
そんなポーズをとり続けるしかない。
「親分、いくら何でもそこまでは……」
と考える配下もいるかも知れないが、そんな意見具申をすれば直ちに首が胴から離れる。勢い、独裁国家の政策は、親分の都合次第で動くことになる。
それに、国民を団結させるには外に敵を作るのが効果的である。韓国、中国が何かあれば取り出す反日カードもその類だが、北朝鮮の敵は日本だけではない。日米韓、がっちりかどうかわからないが、とにかく手を組んで北朝鮮を包囲しようとする3国は、北朝鮮の仮想敵なのである。親分は
「どうだ、日米韓なんてたいしたことはない。俺に任せろ。片付けてやる!」
と見得を切らざるを得ない。こうして、北朝鮮から次々にミサイルが飛んでくる。
ミサイルって、1基いくらぐらいするのだろう? それを惜しげもなく発射して海に沈める。究極の無駄使いだとも見える。最貧困国家の北朝鮮にそんな無駄使いをするゆとりはないはずなのだが、親分は無駄使いが大好きなようだ。それとも、自分の地位を維持するために使うコストは無駄使いには入らないのか?
しかし、である。確か日本にはミサイル迎撃システムが配備されているのではなかったか? 日本に向かうミサイルはまずイージス艦が迎撃し、それで落とせなかったヤツは地上のPAC-3が処理するはずだが、北朝鮮が日本に向けた、あるいは日本を飛び越えるミサイルをこれだけ頻繁に打ち上げるのなら、一度ぐらい迎撃してみたらどうだ? これまで実践で使用されたことはないはずだから、本当にミサイルをすべて撃ち落とすことができるシステムなのかどうかを試すチャンスだとも思うのだが。
それとも、日本の上空を通っても、他国のミサイルを勝手に撃ち落としてはいけない、という決まりでもあるのだろうか?
かつては完璧な平和主義者であったはずの私が、何となくこのごろはその殻を破りそうな気分になっている。お隣の北朝鮮、ロシア、中国が揃いも揃って軍事的プレゼンスを高めているのが私を変えつつあるのだろう。
だが私は平和主義者であり続けたい。この.3国の政権が自滅することを願ってやまない私である。