2023
04.02

マスクの普及率は?

らかす日誌

新型コロナウイルスの急速な感染拡大以来、マスクが暮らしの必需品となった。顔の上半分だけで

「おっ! 美人! でも下半分はどうだろう?」

「まあいいや、次行こ! いや、下半分で印象が変わるか?」

などという推測を余儀なくされる不自由な暮らしを強いられてきたが、3月13日からは、マスクをするかどうかは個人の選択に任された。つまり、マスクを着用するかどうかは個々人の判断次第となって、

「やっともとの風景が取り戻せる。推測などしなくて済む!」

と期待していたが、さにあらず。私が暮らす群馬県桐生市ではまだマスク全盛時代はちっとも終焉を見せない。病院など特殊なところではマスク姿はやむを得ないが、コンビニでもスーパーなど、マスクの使用が

「個人の選択に任された」

はずの場所でも、マスクなしの顔はなかなか拝めない。数日前、いま住む住宅団地内を歩いていたら、全員マスク姿の親子連れと行き交った。おいおい、閉鎖空間ではない陽の下でもまだマスクをするのかよ! ひょっとして旦那さん、マスクメーカーの方?

あまりといえばあまりである。そもそも、通常のマスクにはコロナウイルス感染防止効果はない、という韓国の研究結果がある。欧米各国だけでなく日本政府もマスク着用は必要ないといっているのに、なんでマスクが姿を消さないのか?

韓国の研究論文は、大手メディアが取り上げないから、普通の暮らしをしている方々が知らないのもやむを得ない。
政府がいっている? アベノマスクに始まり、トンチンカンなコロナ対策をやって来た政府なんて信用できないというのもありだろう。

だが、皆さん本当に、マスクは感染予防に効果があり、いまでもマスクを着用していればコロナウイルスから自分の身を守れると信じて、粛々と感染防止に取り組んでいらっしゃるのだろうか?

日本の社会には「同調圧力」という、日本を一歩出ればほとんどお目にかかることがない力が働くといわれている。仲間はずれになりたくない。だからみんなと同じ姿形をし、行動をする。
携帯電話の普及期、電車では携帯電話をポケットに収めるのではなく、握りしめている女の子を多数見かけた。電話が来た時にすぐに応答しないと仲間はずれになる……。
冬場、駅頭や車内で見かける女子高生のほとんどがバーバリーのマフラーを巻いていた。ほかにもファッショナブルなマフラー、たとえば松井ニットのマフラーもあるのに。
どう見ても不格好としか思えないルーズソックスが一世を風靡したのも、同調圧力の力だろう。
そして、マスク……。

「国はしなくていいというけど、買い物に行って私だけマスクをしてなかったら、周りの人からどんな目で見られるか」

と、呼吸が苦しくなり、眼鏡が曇るのも覚悟の上でマスクを付ける。

私が敬愛する夏目漱石大先生は、「草枕」の冒頭、

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」

と書いた。その日本社会の特質は、あれから120年近くたった今でもちっとも変わっていないのではないか?

日本の同調圧力には、チームワークが良くなるなどのメリットがあるという指摘もある。しかし、ただただ大多数の動向に流されるだけの人生って情けなくないか? 自分で考え判断することを放棄した多数が同じ行動をとって、一見チームワークがいいように見えても、そんなもの、何かの役に立つのか? それぞれが考え、判断し、相互矛盾が起きて困り、違いを乗り越えようとするから進歩が生まれるのではないか? それが弁証法なのだと思うが。

と考える私は、数日前から1人社会運動に取り組み始めた。原則としてマスクはしないのである。ここ1週間ほどを思い起こしても、マスクをしたのは泌尿器科の診察を受けた時だけである。人に会う時も、コンビニで買い物する時も、スーパーに出かけてもマスクはしない。

今朝もスーパー・ヤオコーに出かけ、ノーマスクで買い物を済ませた。店内を見回すと、マスクをしていないのは、目に見える限り私だけである。皆さん、きちんとマスク着用である。
睨みつける人がいるかと思った。しかし、気が付いた限りではいない。胡散臭そうな視線も感じない。ましてや

「あんた、なんでマスクしてないのよ!」

と詰め寄ってくる人は皆無である。皆、きっちりとマスクで顔の下半分を隠し、それが当たり前のような表情で淡々と買い物を続けている。ねえ、息苦しくない? 言葉がモゴモゴして会話に不自由しない?
花粉対策など何らかの事情でマスクが必要な人もいるだろう。しかし、私を除く全員が、何らかの事情を抱えているのだろうか? ほとんどの人が、人目を気にするだけで判断停止をし、大勢に流されているだけではないのか?

もう、マスクは要らないんじゃない?
そんなことをいいたくて、1人で始めた一種の社会運動である。さて、どこまで効果があるのか。あと何日続けたらマスク不要の社会を取り戻せるのか?
当面、たった1人の反抗を続けるつもりでいる。