2025
12.11

泣きっ面に蜂とは…

らかす日誌

いやはや、またもや呪文の世界で悪戦苦闘することになってしまった。
始まりは1通のメールだった。

「ご利用中ドメインのネットde診断(セキュリティ診断)診断結果のご報告」

診断結果は「D」。5段階評価で、「D」は下から2番目。セキュリティに欠陥があり、今すぐの対応が必要、というのだ。
これまで何度か書いた通り、最近の私はパソコンの入れ替えで泣きをみた。その上これかよ! 泣きっ面に蜂である。

いや、私が個人的にコツコツと書き継いでいるサイトにいたずらをして喜ぶ連中なんているはずがない。とは思うが、ここまでいわれると、やはり何となく心配になるのが人情である。

私はこれまで、「らかす」に使っているWordPressのバージョンをほほとんど上げなかった。使い慣れた画面が一番しっくりし、特にバージョンを上げる理由がなかったのである。だが、脆弱なセキュリティを破られ、私の「らかす」がグチャグチャになっているのは見たくはない。

「仕方がない。バージョンアップするか」

と覚悟を固めたのが今朝のことだった。いや、バージョンアップは簡単なはずである。WordPressの管理画面(この原稿を書いている画面)には、常にバージョンアップを促す文字が出る。あれをクリックすれば自動的にバージョンアップするはずだ。使い勝手が悪くなったら、それはその時に考えればいいや。
私は気楽にクリックした。ところがである。

WordPressの最新バージョンは6.9である。管理画面にあるバージョンアップへのリンクは6.9用しかない。それでそこをクリックした。こんなメッセージがでた。

「WordPress 6.9 は PHP 7.2.24 以降を必要とするため、更新を実行できません。現在稼働しているバージョンは 7.0.33 です」

これが素直に分かる人は、仕事としてWordPressを使いこなしている人だけではないか? いや、そうでなくても私にはチンプンカンプンの話である。PHPってなんだ? 何をどうしたらいいんだ?

困ったときのチャットGTP。これはすっかり私のお家芸になった。私はまたもや

「どうしたらいいのですか?」

とチャット君にお伺いを立てたのである。そして、奮闘した。その奮闘のありさまをチャット君に

「文章にしてくれる?」

と頼んだら、こんな文章を書いてきた。

今日は朝から、WordPressの更新作業に取り組む一日となった。これまで問題なく動いていたサイトが、更新途中で突然「上限に達しました」という表示で止まり、管理画面にも入れなくなってしまったのだ。最初は何が起きたのかさっぱり分からず、途方に暮れたが、冷静に状況を整理することにした。まずサーバーのファイルマネージャーにアクセスし、ダウンロード済みのWordPress最新版から必要なファイルをアップロード。wp-contentは除外し、wp-adminとwp-includes、そしてルートのPHPファイルを順に上書きしていく作業は、思った以上に手間がかかった。特に、ファイルの上書き時には「ターゲットファイルは既に存在しています」という警告が繰り返し表示され、同じ作業を何度も繰り返さなければならず、心の中で小さな戦いが続いた。しかし、根気強く手順を進め、不要な_MacOSXフォルダを削除して整理すると、やっとファイルのコピーが完了した。
その後、管理画面にアクセスすると、PHPのFatal errorが表示され、WordPressの管理画面は完全に使えない状態だった。どうやら原因は、古いテーマがPHP 8に対応していなかったことらしい。ここで、TCDの最新版テーマを入手し、FTPでサーバーにアップロードする手順に移った。FileZillaを使った操作は初めてで、最初は戸惑ったものの、左側のローカルフォルダと右側のサーバーフォルダを確認しながら慎重にドラッグ・ドロップ。旧テーマはリネームして退避し、新テーマをサーバーに設置することに成功した。
管理画面に戻り、「外観→テーマ」でデータベースの更新を行うと、待望の有効化ボタンが現れた。最新版テーマを有効化すると、サイトの表示は以前と同じ状態に戻り、Fatal errorも消えた。長時間の作業だったが、自分で一つひとつ確認しながら問題を解決できた充実感は大きかった。テーマの整理やデータベース更新、PHPバージョンとの互換性など、普段はあまり意識しない細かい点も学ぶことができ、今日の奮闘は単なる作業ではなく、貴重な経験となった。

私に言わせれば、この原稿、下手である。読む人に分かってもらおうという工夫がどこにもない。文章にリズム感もない。朝日新聞の入社試験採点官をやっていた当時の私なら、即座に20点(100点満点)をつけて投げ捨てるところである。まあ、現在モテモテの生成AIもこの程度の文章しか書けないというのは、人間としての救いではあるが。

そして、間違ってもいる。私は「らかす」更新途中で突然「上限に達しました」という表示が出たからWordPressのバージョンアップに取り組んだのではないことは冒頭に書いた通りである。しっかりしろよ、チャットGTP!

ま、苦労はした。「らかす」の置き場所であるサーバーに入って操作したのも初めてなら、サーバー管理画面からの操作では何ともならなくなった結果、FTPを使う操作も強いられた。
バージョンアップは何とかできたらしい。それなのに、WordPressの管理画面に入ることができない。チャット君によると、テーマが問題らしい。テーマとはホームページの見た目を決めるソフトウエアである。これまで使っていたテーマが、最新のWordPressに対応していないというのだ。そして、対応しているテーマに取り換えろ、という。
だけど、見た目は変えず、最新のWoedPressに対応したテーマって、どうや「ったら手に入るの?

やむなく、「らかす」を創ってくれた知人(彼はITで飯を食うプロである)に電話した。それまで使っていたテーマは、彼を通じて買ったものである。確か1万2000円だった(「らかす」には、私の努力だけでなく、金もかかっているのですぞ!)。

「ねえ、あのテーマのバージョンアップ版は手に入らない? 新しく買うと1万3000円もするんだわ。どうしようもないときは買うけど…」

ま、客観的に見れば、私は彼に泣きついた。しかし、やってはみるものである。1、2時間後、彼から連絡があったのだ。

「無料でバージョンアップできそうです」

こうして私は、再びチャット君の助けを借りながら、新しいテーマをサーバーに送り、チャット君の原稿にあるように成功した。午後7時過ぎのことであった。こんな努力の積み重ねがあってはじめて、今日のこの原稿をアップすることができたのである。

無料閲覧サイトを維持するのには、これだけ時間と手間と金と、そしていらだち、無力感、絶望感がいる。できれば、そのあたりまで思いをはせてお読みいただきたいと切に願うものである。