10.19
2008年10月19日 点検
前回の日誌について、柴田さんの「しばた新聞」(いまは名前が変わっているようです)でまたまたきついお叱りをいただいた。
柴田さんは書かれていた。
「大丈夫ですよね?とありましたが、どういう状況か、どの程度のパンクなのか見ていないので、返答の仕様がないんですよね。実際」
それはそうである。プロたるもの、現物を見ずに、軽々しく
「大丈夫だよ」
などというものではない。相手は喜ぶかも知れないが、そんな無責任なことはしないのがプロである。
柴田さん、私が迂闊でした。私は、私で判断するしかありません。
というわけで、四日市への出発を5日後に控えた今日、いくつかのテストをした。
車で東京駅の大丸まで出かけた。四日市への土産を買うためである。結局妻が買ったのは たたみいわし。
「そんなもん、どこにでもあるだろう」
と口から出かかったが、ぐっと我慢した。我慢は、結婚生活を継続するためのご飯である。これなくしては命をつなぐことは難しい。私は結婚してこの方、いくつ我慢を重ねてきたのだろう? まあ、妻の方が5倍ぐらい我慢してきたのかも知れないが。
いや、それは本題ではない。わざわざ東京まで車で出かけたのは、タイヤのテストである。首都高速を最高で時速120kmぐらいで走った。助手席には次女の長男瑛汰が座って、相変わらずサザンオールスターズに曲にあわせて踊っていたが、今回はそれもどうでもいい。主題はタイヤである。そして、主題には何の問題もなかった。
自宅に戻り、車をガソリンスタンドまで運んでタイヤを点検した。
空気圧は正常。パンクしたところから空気は漏れていないということだ。
念のためジャッキアップしてもらい、パンクしたタイヤを目視点検した。釘が刺さったのはタイヤの内側から5cmほどの接地面である。その周りにタンこぶはなかった。タイヤの側面にも、膨らんだところはない。
というわけで、私は大丈夫だと判断する。ま、途中でおかしくなったら、その時考えるさ。
いい加減? いや、人生ってこの程度のいい加減さがないと、上手くつきあえないではないですか。
で、である。前回の日誌で
「空気が抜けた様子はないからビードワイヤーは大丈夫だよね? それにタンこぶも出ていないようだからカーカスの千切れもないってことだよな」
とガソリンスタンドの店員にいうと書いた。が、今日はいわなかった。いや、いえなかった。ビードワイヤー、カーカスという専門用語が、私の記憶からすっぽりと抜け落ちていた。タイヤを目視点検しながら
「あれをいわねば……」
と焦ったが、焦れば焦るほど専門用語は手の届かない距離に逃げていってしまった。
ま、店員君は、おかげで目を白黒させることもなかった。仕合わせだったに違いない。
にしても、俺もそんな年代になったんだなあ……。