02.19
2011年2月19日 夜の仕事
が増えると、日誌の更新がおろそかになる。神ならぬ我が身は1つしかない。パソコンのない場所に長時間留めおかれれば、パソコンのディスプレーとにらめっこしながら日誌の原稿をあれこれ考え、キーボードをたたくなどという時間は、当然無くなる。
今週は夜の仕事が多かった。よって、日誌の更新が滞った。ご寛恕を願う。
もっとも、私の夜の仕事とは、おおむね飲み会である。今週は飲み会が多かったのだ。
16日水曜日は、刺繍の先生と床屋さんを相手に酒を飲んだ。床屋さんは、かの原宿のカリスマ美容師を教えた経歴の持ち主とかで、実家を次ぐために桐生に戻ってきた。
もっとも、単なる床屋さんではない。一方でハサミとカミソリを持って人様の髪を整えながら、もう一方ではITの会社を経営されておる。数人の社員を使い、ご自身の車がベンツのEクラスのワゴン、奥様の車がアウディのA3とおっしゃるから、桐生の成功者である。
「ねえ、俺の頭、デザインしてくれない?」
酒の勢いでお願いしてみた。
「いいですよ。僕がやったら、うん、もっと若くなりますよ」
これ以上若くなったら、私は30代の独身に見えるに違いない。楽しみである。
少し髪が伸びていた方がいいというので、3月始めに刈ってもらうことにした。
17日木曜日は、とある社長さんに遊んでいただいた。
東京の会社から研修に来ているジュニアとの、やや時期遅れの新年会ということであった。
「大道さん、あんたも来ない?」
と1ヶ月ほど前に誘われた。せっかくの誘いを断るほどの野暮ではない。喜んで参加させていただき、たらふく酒を飲んだ。
18日は桐生出身の若手映画監督が相手である。近々、桐生で映画を撮り始めるのだが、いくつか問題があると聞き、よせばいいのに
「俺に話してみない?」
と、お節介にも飲みに誘った。
誘ったのはいいが、相談されても、解決策が示せる自信はない。こんな時は、桐生市の有力者、O氏を利用するしかない。
「ということなんだけど、相談に乗ってやってくれる?」
と言う私の依頼を断るほど、O氏は野暮ではない。
「分かった。出来るだけ協力するよ」
という次第で開かれた飲み会だった。会場は中川。と来れば河豚である。
ふぐ刺しをつつき、ふぐちりに舌鼓を打ち、ひれ酒の香りと味を楽しむ。すっかり出来上がった。
ん? どんな相談をされたんだっけ? いい解決策が見つかったんだっけ?
今朝になって頭を抱えていたら、昼近く、O氏から電話が来た。
「制作資金の件、何とかなりそうよ。一度彼(監督)と一緒に、向こうの企業に正式にお願いに行こうと思って。うん、大丈夫だと思う。それから、町場との関係、ちょっと時間を貸して。心当たりがあるから、あたってみる」
持つべきものは、有力者の友人である。O氏は有力者らしく、酒の席で以来指されたことをすべて記憶して、朝から動いたらしい。偉い。そして、ほとんどの課題に突破口を見いだしてくれたようだ。
よかった、よかった。でも、課題って、何だっけ? ま、解決しそうだから、そんなことはどうでもいいか。
で本日は、妻女を伴い、新里町の「古代乃茶屋」まで、蕎麦を食べに行った。何しろ、会話の少ない夫婦である。たまには美味いものを食いに出かけでもしないと、お互い、相手の存在を忘れかねない。
私を、時期遅れの新年会に誘ってくれた社長さんに教わった店である。
「このあたりの蕎麦屋でね、一番美味いの。僕ね、一番好きなの。大道さん、行く?」
ということで、私の車で一緒に食べに行き、ご馳走になったのは確か2週間ほど前のことだ。
なるほど、美味い。私が、最上の蕎麦を食べさせてくれると評価する横浜の山本と比べるのは酷かも知れないが、それでもなかなか頑張っている。細切りなのにもちもちとした食感がある。そして、紛れもなく上質な蕎麦の味と香りが楽しめる。
前回は、
「たれがいまいち甘いなあ」
と感じたが、今日は
「これはこれでありか」
と感想が変わった。
この地で食べることが出来る最上の蕎麦。しばらく通うことになりそうな予感がする。
そして、明日は午前8時前に家を出る。
電動アシスト自転車を電車に積み、前橋まで行って桐生を舞台にした映画を見て食事をする会
とでもいうのだろうか。そのような催しを市役所の若手が企画し、私にも
「大道さんも是非来てください」
と誘いがあったので出かける。
「若い女の子も沢山来ますので」
との触れ込みだったが、一昨日、
「本当にいっぱい来るの?」
と確かめたら、
「えっ……、うーん、あいつは来るはずだよなあ」
どうやら看板に偽りがあったようだが、こちらも今更引けない。
まっ、ひょっとしたら何かいいことあるでしょ!