05.07
平日が始まった。皆様、暮らしは多少変わりましたか?
あったような、なかったようなゴールデンウイークが幕を閉じ、今日から平日である。ひょっとしたら今日から通勤を再開された方がいらっしゃるかと思い、見出しを書いた。もう一度書こう。
「平日が始まりました。皆様、暮らしは多少変わりましたか?」
そして、私はというと……。
今朝方、市内の方に電話をいただいた。
「今年の桐生祇園祭ですが、神事の部分だけはやるんです。そこで原稿を書いていただきたいと会長がいってるんですが」
ほう、桐生の夏祭りは中止と聞いていたが、神事だけはやるんだ。それで何をしろと?
「祇園祭って、起源は疫病退散なんです。それなのに、疫病であるコロナが流行っている今年、まったく中止してしまうのは祇園祭が疫病に負けたことになっておかしいでしょう。人たちが密集する祭を中止するのはやむを得ないとしても、神事だけはやらないと。だからやる。そういうことをあなたに書いていただいて、新聞に掲載したいというのです」
ふむ、ということは広告欄を買うということか。それとも、地元紙にねじ込んでスペースをぶんどり、押し込もうってか。
確かに、祇園祭の起源は京の都で流行った疫病だと伝わる。ウィキペディアによると、内陸の湿地帯である京都に造営された都は高温多湿のところに多数の人々が密集し、衛生環境も整っていなかったため、マラリアや天然痘、インフルエンザ、赤痢、麻疹などが大流行した。朝廷は無実の罪を着たまま亡くなった早良親王らの御霊が祟っているためだと恐れ、863年(貞観5年)、御霊を慰めて疫病を退けようと御霊会を開いた。
しかし、怨霊はなかなか手強かったようで、疫病が流行り続けただけでなく、翌864年には富士山が大噴火、869年には陸奥国で大地震が発生し、大津波で1000人ほどが溺れ死んだ、と記録されている。研究者は、マグニチュードは8.3以上だったと推測している。
ここまで来て、恐れも頂点に達したのだろう。869年、午頭(ごず)天皇(平家物語に出てくる「祇園精舎」の守護神、であるらしい)を祀って御霊会を開いた。これが京都に始まる祇園祭の起源とされている。
と偉そうに解説したが、こんなことが私の頭の中に収まっているはずはない。
「確か、そんな風な話があったよな……」
という薄っすらとした記憶を頼りにググって知ったことを書き連ねているだけである。あ、あえて断らなくても、そんなことはすでにご承知かも知れないが。
だから、コロナという疫病が流行しているからこそ、祇園祭を途絶えさせてはならない。祭が無理なら、神事だけでも継続しなければ、という思いはよく分かった。
しかし、そのために俺が原稿を書く? なんか違うような……。
「ご趣旨はよく分かりました。しかし、それだったら私に原稿を注文するのではなく、メディアを使いましょうよ。この時期に『祭はしないが神事は続ける。祇園祭は疫病退散を求めて始まった祭だから、みんながコロナという疫病で苦しんでいる今年こそ、何としてでも開かねばならないのだ』と趣旨を説明すれば、メディアはこぞって取材してくれますよ」
と申し上げた。午後から桐生祇園祭保存会の会長さんも交え、3人で相談。
「私だって原稿料は欲しいけど、いまはメデイアを使った方がいい。コロナウイルスへの関心が高い間に発表すれば、必ず記事、ニュースになります。私が記者だったら『コロナ関連の明るい話題!』って飛びつきますもん。加えて、読者が読んでくれる率は絶対にそちらの方が高いですから。そうそう、テレビだって取材に来ると思いますよ」
と説得して御納得いただいた。
向こうからやって来たご馳走をお断りする私は、根っからの善人なのか、単なるバカなのか。いや、そのうち
「あの時黙って引き受けていれば多額(?)の原稿料をいただけたのに」
と後悔する日が来そうだから、相田みつを流にいう「人間」に過ぎないのか?
しかし、アメリカの死者数になかなか歯止めがかからない。すでに7万4817人に達した。一時は減っていた1日あたりの死者数も再び増え始めて6日は2528人である。
秋の大統領選挙を前に支持率が下がり始めているトランプは焦る。緊急対策措置の解除を何度も口にするのは、景気の底が抜けて支持率が急減するのを恐れているのだろう。だが、この数字を横に置いて、アメリカは日常生活に戻っていいのか? 感染が再爆発する恐れはないのか? 自分の再選しか考えない大統領を持つアメリカ国民は不幸である。といっても、トランプを大統領に押し上げたのはその国民であるのだが。
そうそう、そのトランプ政権が、コロナウイルス問題で中国をやり玉に挙げ続けるのも、国民の目を国内の惨状から外にそらすためだろう。仮想敵を作ればまとまるのが国民という物だ。
私だって、
「ひょっとしたら、ウイルスは武漢の研究所から漏れ出したのか?」
という疑いを捨てきれないでいるほどだから、この劇薬の効き目は強いはずだ。
しかし、醒めた目でトランプ政権の言動を見ていると
「武漢の研究所じゃないのかなあ」
という気がしてくる。
何しろアメリカという国の政権は、イラクにありもしない大量破壊兵器を
「ある」
と嘘を通し続け、ニューヨークタイムス、ワシントンポストなど一流と言われるメディアまで巻き込んでイラクに戦争を仕掛けた国なのだ。今回だって、なんの根拠もなく、証拠など1つもないのに、ただただ現職大統領の
Trump First
で、それこそフェイクを垂れ流しているだけかも知れないではないか。まあ、いずれ真実は明らかになるだろうが。
日本では4日に49人と急増した死者数が、5日は20人に落ちてやや落ち着きを取り戻す様子である。新規感染者もグラフで見れば確実に減少傾向にある。
もうすぐ抜け出せる。そう思いたい。