昨夜から今日にかけてMacMiniと格闘した。ヤツが突然動かなくなったのである。
昨夜のことだ。メールを見ようといつも立ち上げている「メール」を前面に呼び出した。やってきたメールにカーソルをあててクリックしても開かない。えっ、これじゃメールを読めないだろ! じゃあほかのメールを開いてみるか。とほかのメールを選ぼうとするのだが、選べない。ありゃ、これはメールソフトが固まっているわい。MacのOSが漢字Talkの時はよく起きたが、いまのMac OS Xになってほぼなくなった。たまにそんなことがあるが、強制終了してたちあげ直せば、平気な顔で動いてくれる。MacのOSは堅牢になったのである。
そんなことを考えながら、メールソフトを強制終了しようと、Comand、Option、Escキーを同時に押した。こうすれば強制終了のウインドウが現れ、いま立ち上げているアプリがずらりと並んで固まっているものだけ(反応なし)とでてくる。それを選んで強制終了ボタンを押せば治療は終わりである。
そのはずだった。ところが、強制終了ウインドウが出てこない。
「キーを間違えたか?」
とAIに尋ねるが、間違っていない。どうしたんだ?
やむなく、再起動を試みた。ところが、マウスで再起動が選べない。何だか本格的におかしくなっているらしい。漢字Talkの時代に戻ったようである。
やむなく、電源ボタンを長押ししてOFFにし、改めて電源を入れる。これで問題は解決するはずだった。ところが、それは迷宮への入り口に過ぎなかった。私のMacMiniが立ち上がらないのである。
Macでは起動時にはプログレスバーが現れ、起動準備がどこまで進んでいるかを知らせてくれる。そのプログレスバーが70%ほど進んだ所でピタリと止まり、それ以上進まないのだ。おかしい。
もう一度電源を落とし、立ち上げた、同じである。もう一度試みた。変わらない。わがMacMiniは、就労を拒んでいる!
もう夜である。アップルケアが対応してくれる時間ではない。かといって、とにかくMacMiniが動かないのだ。このままではAIのジェミニに解決策を聞くわけにも行かない。どうする?
備えあれば憂い無し。わが家にはもう一台Macがあった。MacBook Airである。こいつを持ち出し、ジェミニを呼び出した。あれこれの解決策を示してくれたが、ついには
「このままでは何ともならない、一度MacMiniのメモリを消去し、OSを新しくインストールするしかない」
といい出した。えっ、そんなに重症なのかよ! だが、それ以外にMacMiniを救う手がないのなら、私に選択肢はない。
ジェミニの教えに従ってMacMiniの内蔵メモリを消し、新しくOSをインストールした。これ、結構時間がかかる。しかし、MacMiniが健康にならねば仕事もできないのだ。私に選択肢はない。
OSのインストールが終われば、次はタイムマシンからデータを呼び戻さねばならない。これもジェミニの指導に従って作業した。それほど大量のデータではないはずなのだが、
「残り時間4時間23分」
などと表示される。まもなく日付変更線を越える時間である。私は
「だったら、勝手にやっておいて」
とさっさと寝た。以上が昨夜のできごとである。
そして今日。なるほど、MacMiniは動き始めた。が、何かおかしい。再起動すると、私のユーザーアカウントが「大同」となっているのだ。どこかで私が誤入力したらしい。あ、これはいかん、ちゃんと「大道」に戻さなくては(実は、これも間違いだったのだが)。
今日は金曜日である。朝である。であれば、ジェミニを頼る必要はない。アップル社はアップルケアというサービスを持っている。アップル製品のトラブルに解決策を示してくれる頼もしい連中だ。
朝からアップルケアに電話をした。丁寧に応対してくれたが、この問題を解決するには、もう一度MacMiniの内蔵メモリを初期化し、OSを再インストールする必要があるという。それに、「大同」になっているためか、メールの中身がない。ほかの動きも何となく変だ。
「そうですか、また最初からのやり直しね」
OSの再インストールが済めば、再びアップルケアに電話を入れ、タイムマシンからのデータ呼び戻しを指導してもらう。数時間かかるというから、一度電話を切る。データの呼び戻しが終わり、我がMacMiniが正常に働き始めたように見えたが、icloudに置いている「デスクトップ」「書類」の中身がずいぶん少なくなっている。再びアップルケアに電話。
「ああ、少し時間がかかるのです。30分ぐらい経って再起動してみてください。戻っているはずですから」
ということで、まともなMacMiniに再開したのは今日の午後3時前のことであった。仕事がほとんどできなかった。
しかし、何故にこのような面倒なことが起きたのか?
それは昨日のことである。何かの操作をしていたら、Macでは「不可視ファイル」と呼ばれているものがたくさん現れた。普通のファイルに比べるとテキストの濃度が薄く、まるで幽霊みたいなファイル群である。しかも、全く記憶に内ファイル名が付いている。
「何でこんなものが現れる? 気持ち悪いから捨てちゃえ」
と、私はかなりの数の不可視ファイルをゴミ箱に入れた。
ところが、である。後で知ったことだが、不可視ファイルはMacOSの隠し技らしいのだ。不可視ファイルを作ってスムーズな仕事をしているというのである。「作業メモ」みたいなものだという。それを私が勝手に捨ててしまったものだから、MacMiniは動くに動けなくなったらしい。
辿ってみれば、私が引き起こした混乱であった。
いまの暮らしにコンピューターはなくてはならないものである。だがいまだに、人と完全に共存できるまでには至っていない。コンピューターを使うには、コンピューターの婢にならねば彼ら(ひょっとしたら彼女たち)は仕事をしてくれないのである。奴らは人間の間違いを許す度量の広さがない。
コンピューターよ、進化せよ! 我が間違いを飲み込むことができる受容能力を身につけよ!
だけど、そんなこと、できるのかね?

コメント