07.10
2016年7月10日 参院選
さて、今日は参議院選挙の投開票日である。あなたはもう、投票はお済みですか?
我が家では今朝、妻女殿が
「ちょっと、投票にいってくる」
と、ヨタヨタする足でお出かけになった。屋外でパイプ煙草をふかしていた私は(屋内ではなかなか許可していただけない)、
「はあ?」
とお答えした。何であなたが投票所に足を運ばれるの? こんなにつまらない選挙なのに。
が、だ。見るからにヨタヨタする足で、投票所である公民館まではすぐ近くとはいえ、途中にはそこそこ交通量があり、でも歩道はついていない道を通らねばならない。ヨタヨタしてふらついたところへ車が突っ込む危険がないわけでもない。
「おい、ついていこうか?」
と打診したが
「大丈夫」
と1人でお出かけになった。
その自立心は尊敬すべきである。が、親切心から出た私の同行の申し出がにべもなく断られたのは心外ではある。
「ああ、だったら、勝手に車にはねられて。ガッポリ金を取ってやるから」
と思っていたら、
「投票してきた」
と戻ってこられた。つまらん。
というわけで、私は投票所に足を運んでいない。こんなどうしようもない選挙で、どうして俺までが足を運ばねばならん?
つまらない。何が? と投票所まで行かれたあなたは、反感を持たれるかも知れぬ。まあ、反感を持たれても私は痛くも痒くもないが、つまらなさの一端をご紹介しておこう。
今朝の新聞各紙は、日本経済新聞を覗く全紙(我が家に配達されるものに限る)が、1面トップで今日が投開票日であることを報じていた。
「憲法・アベノミクス 問う」=朝日新聞
「アベノミクス是非問う」=読売新聞
「改憲勢力2/3焦点」=毎日新聞
「私、選挙に行きます。」=東京新聞
「改憲勢力の議席焦点」=上毛新聞
「アベノミクス是か非か」=日本経済新聞
皆様は、新聞各紙を見比べる機会をあまりお持ちでないと思う。私はたまたま会社がすべて金を出すので見ているだけなのだが。
ま、見比べても仕方がないけど、でも、これ、面白いでしょう? だって、各紙の立ち位置がはっきり出ているんだから。
ここで、私の判断基準を明瞭にしておく。
今回の参議院選挙のテーマは1つしかない。憲法改正を主張する勢力が、参議院でも、国会の発議、つまり憲法を改正しましょうよと国民に問いかけるのに必要な3分の2の議席を取るかどうかである。ほかにない。
アベノミクス? だって、アベノミクスに代わる経済政策を我々に示している政党は、私が知るかぎり1つもない。主張の違いは、アベノミクスを是とするか非とするか、だけである。これ、翻訳すれば好きか嫌いかであって、そんなことで論争できるわけがない。だから争点になるはずがない。
「ね、ね、アベノミクスって嫌でしょ?」
と問いかけられて、まあ、嫌だわなあ、と思ったところで、彼らがアベノミクスではない、もっと効果がありそうな経済政策を見せてくれなければアベノミクス反対派に回るわけにもいかないではないか。
さて、そういう観点から各紙を採点する。
100点満点は毎日新聞である。
衆議院での圧倒的多数を力にして、安倍政権は安保関連諸法を成立させた。それは、有権者が与党に絶対多数を与えたことの結果で、誰を恨むわけにもいかない。もしけしからんと思うのなら、自民党・公明党で構成する与党を野党に叩き落とし、法改正するしかない。
ま、それは現実的ではないとすれば、少なくとも憲法まで戦時体制にしてはいけないので、参議院の与党勢力を3分の2未満にする、というのが当面の目標でなければならない。
それをストレートに表現した見出しである。
同じように、上毛新聞も高得点である。ただ、切れは毎日新聞に譲る。
東京新聞はのんきである。沢山の人が投票所に行けば世の中が良くなる、と思い込んでおられる。高校の倫理社会の授業の範囲を一歩も出ない知性しかないらしい。
そして朝日新聞。これ、中途半端。安倍首相の狙いは憲法改正である。いや、改正か改悪かはともかく、だから、選挙戦ではアベノミクスの信任を訴えて争点隠しを図ってきた。この見出し、半分は安倍政権の戦略に乗っかっている。
完璧に安倍与党として争点隠しに協力しているのが読売新聞、日本経済新聞である。
ま、新聞の見出しがどこまでの影響力を持つのかはべつにして、今回の選挙が何故につまらないか。結果が見えているからである。
だって、どう見ても自民党が勝つしかないでしょ。3分の2に届くかどうかわからないけど、与党が安泰であるのはどうしようもないでしょ。
だって、自民・公明連合が嫌いでも、
「じゃあ、ここにしよう」
という政党が皆無なんだから。私たちには、政治に関する選択肢が与えられていないのだから。
民新党? うん、こいつらがガンなのだ。受験優等生の坊ちゃんたちが一度は有権者の期待を集めて政権の座に座ったにもかかわらず、ことごとく有権者の期待を裏切ってくれた。あんたたちの体たらくが、選挙で選択肢のない状態を作ってしまったのだよ。
鳩山、菅、ドジョウ、そして岡田は、いまや政治の世界における諸悪の根源なのだ。自民党をいくら嫌っても、あなたたちに力を与えるわけにはいかないじゃないか。
さて、あと数時間たてば、参議院の大勢は決まる。
改憲勢力が3分の2を上回ったら?
私はそれほど懸念していない。だって、憲法を変えるかどうかは最終的には国民投票にかけなければならない。国会が憲法を変えるといったって、多分、国民投票では否決される。否決されて、国民の思いと国会の思いが食い違い、国会は国民の意思を代表していないという日本の代議制民主主義の病が明らかになる。
私はそう思う。
今日は久しぶりに車を洗い、ついでにエンブレムを取り替えた。
BMWのエンプレムは多くの方が御存知だろう。円を4つに割ってブルーと白に塗り分けている。かつて飛行機のエンジンメーカーだったことから、プロペラをデザインしたものだ。
いや、それはどうでもいいのだが、そのエンブレムが禿げていることに気がついたのは10日ほど前のことである。円形の基板に樹脂製のフィルムを貼り付けてあるらしく、そのフィルムが10年の歳月の結果、禿げちゃったのだ。
ディーラーに電話をした。
「えっ、後ろが禿げましたか。それは珍しい。取り替えると1万円ほどかかります」
10年を越えた車に、いまさら1万円を投ずる? エンブレムが禿げても見かけだけのことではないか。まあ、この車に乗るのはあと数年。我慢するか。
個人的にはそう思っていた。
ところが、妻女殿が異を唱えられたのである。
「みっともないじゃない」
ま、確かにみっともない。それが何か?
「惨めったらしいのよね」
そこまで言われて、アマゾンでエンブレムを探してみた。まがい物なら2000円ぐらいからあった。が、評価を見るとさんざんである。
「これは、正規品を買うしかないか」
と、買った。7000円もした。
買ったのはいい。でも、どうやって取り替える? これはネットに沢山取り替え方の手ほどきがあった。それを参考に今朝、取り替えたのである。
よって、我が愛車は、リアのエンブレムだけは今日から新車である。
もうひとつ。
スイスの会社に注文していたDACカードが今日届いた。Raspberry Piというミニコンピュータに差し込むだけで使える。差し込めば、超小型のネットサークプレーヤーになる。Raspberry Pi、DACカード、そしてこれもスイスに発注した金属製のケースを含めて約1万2000円。
私のお下がりのパイオニア製ネットワークプレーヤーを使っている長男が、プレーヤーの不具合を嘆いていたので、
「だったら、しばらくこれを使っておけ」
と組み上げた。
どんな音が出て来るか。私は聞いていないので何ともいえない。多分、DACを別に作ってRaspberry Piと接続した方がよりよい音が出てくるのではないかと思っている。が、前に書いたように、DACづくりが思ったように進んでいない。ま、それまでのつなぎである。
あ、このDACカード、日本のAmazonでは1万2000円の価格がついている。おいおい、直輸入すれば44.9ドルだぞ! スイスから取り寄せれば送料は別にかかるが、でも、それって暴利ではないか?
明日は朝が早い仕事である。ゆえに、そろそろ寝る。私が、参議院選挙のつまらない結果を知るのは、明日の朝になる。