06.14
2015年6月14日 バリ
愛車搭載のカーナビが不具合となり、意を決して「初体験」のヤフオクに挑んだ私は、いつまでたっても来ない
「あなたが落札しました」
のあと、メールがなかなか来ないことに気を揉んでいたのだが。気を揉むだけでは事態は一向に進まず、焦りにも似た気持ちでヤフオクのページをあれこれいじり回していて、やっとあることに気がついた。
ヤフオクの出品者からのメールは、私の通常のメールアドレスに宛てては来ないのだ。ヤフオクの「取引ナビ」というページでメールをやりとりすることになっているのである。
知らなかった!
やっと「取引ナビ」にたどり着いたのは12日。見てみると、すでに10日に
「はじめまして! この度は当方の出品物を落札して頂き誠にありがとうございます」
というメールが来ていた。
しかも、である。翌11日には
「ご連絡ありませんが、どうなさいますか? 新規様のようですので、本日中にご連絡頂けない場合は、落札者の都合で削除します」
という追伸まで来ているではないか! えっ、本日中って、すでに昨日のことだぞ。どうする? と焦りながら、このページからメールを送った。
「初めてのヤフオク利用で、戸惑っています。最初の設定で、代金についてはカード引き落としを選んだつもりなのですが、まだ入金されていないでしょうか? もし、カードをご利用になっていない場合、あるいは私の不手際で入金できていない場合はご連絡ください。すぐにご指定の口座に代金を振り込みます」
幸い、出品者は、少なくとも1日だけは待っていてくれたようだ。
入金は確認されていない、というメールが届き、直ちに
「だったら、月曜日に指定口座に振り込むので待っていてほしい」
というメールを送り、快諾を得た。
よって、明日、出品者の口座に、送料込みで6430円を振り込まねばならない。多分、今週中には完動品のナビ本体が届くはずである。
本日午後、弟夫婦と母が、福岡空港からバリに旅だった。
空港から電話をくれた。電話口に出た母に
「今からバリに旅行に行くとたい!」
と問いかけると
「うんにゃ(違う)、行くとじゃなか。今から帰るとたい」
ん? 早くもバリが自宅になったか? と瞬時思ったが、どうやらこれから飛行機に乗るという意識がないことに気がついた。ひょっとしたら、私を迎えに福岡空港まで出かけたような気持ちであったのではないか。
そばで弟が、
「そげんじゃなか。いまから飛行機に乗ってバリまで行くとたい」
といっている。母はそれに答えて
「ほんなこて? いまからバリに行くとね?」
と応答し、私に向かって
「うん、いまからバリに行くとげな」
93歳。危うい精神状態である。
「絵ばいっぱい描いてこなでけんたい」
というと
「絵は描かれん」
不思議な答えをする。先日大牟田に帰ったとき、母はバリで絵を描いて楽しむ、と語っていたのだが。
「絵の道具ば持ってきとらんもん」
えーっ、あれほど楽しみにしてたのに、絵の道具を忘れてきた? 弟たちは何をしていた?~
「あんた、なんば言いよっと。ちゃーんと道具は持ってきとるけん、心配することはなか!」
これも電話の遠くから聞こえた弟の声だ。そうか、93歳の現実認識能力とはこの程度のものか。この状態では長時間の会話は無理である。
「ほんなら、元気にしとって」
そういって、母との会話を打ち切った。
母は観光ビザでバリに滞在する。滞在期間は最長3ヶ月。だから多分、8月には帰国するはずだ。さて、そのあと、再びバリに旅立つのか。
あまり無理をしてほしくはないが、医者の見立てでは、足が弱っている以外は、何処も悪いところはないらしい。であれば、まあ、飛行機に乗れる間は、バリと日本を行き来するのも悪くはないのかも。
いずれにしても余生を楽しんでもらいたい。
年老いた母を弟に押しつけている私の、申し訳なさも手伝った願いだ。
さて、もう9時。そろそろバリ島に着いたろうか?