わざわざ前橋市の耳鼻咽喉科病院まで行ってきた。今朝のことである。
のどの内側が腫れているような感じが続いて桐生市内の耳鼻咽喉科を尋ねたところ、内視鏡検査をするなり
「すぐに足利日赤に行きなさい」
と紹介状を渡されたのは2、3年前のことである。その時「らかす日誌」に書いたからひょっとしたらご記憶の方もいらっしゃるかもしれない。まあ、それでも念のために概略だけ書いておこう。
言われた通り、足利日赤の治部咽喉科に行った。声帯の表面に病変が見つかった。診断名は「低異形度異形成」である。これほど分かりやすい病名もない。体内の細胞は常に分裂を繰り返しているが、その過程で元の細胞とは少し違った新しい細胞を作ってしまった。それが「異形成」であり、「低異形度」というから、その程度はきわめて小さいことが分かる。いわば初期症状である。ただ、これが進むとがんになる確率も、小さいながらある。
次の診察時に、医者は内視鏡を見ながら声帯の表面をかきとった。
「培養をして診断が正確であったかどうかを見るのだろう。病名が正しかったら、声帯の表面をもっとかき取るのかな?」
その日はそれで終わった。次の診察日。
「今日から治療に入るのかな?」
と聞くと、えっ、という顔をした。
「いや、治療は前回終わりました。今日も内視鏡で見せてもらいますが…、ああ、かき取った部分は少し赤くなっていますが、これなら大丈夫です。はい、治療は終わりです」
何だかあっけない幕切れだった。それでものどの違和感は消えない。そう訴えると、漢方薬を処方してくれた。その漢方薬欲しさに、というか、のどの違和感が消えないので1年ほど足利日赤に通った。途中で担当医が変わり、それでものどの違和感は続いたが、治療は終わったという前提は変わらない。とうとう私は
「あなたが何かを見落としていて、それが重大事につながったら誤診で訴えられますよ。私ののどの違和感は消えないのだから、もっと検査をしたらどうですか?」
と半ば脅し、CT画像を撮ったが問題は見つからず、とうとうのどの違和感を残したまま、診察の打ち切りを告げられた。半年〜1年ほど前のことである。
それなのに、のどの違和感は消えない。本当に直ったのか?
と、AIのジェミニに聞いてみた。すぐにセカンドオピニオンを求めなさいといってきた。といわれても、大病院を受信するには町医者の紹介状が必要だ。だが、最初に足利日赤に宛てた紹介状を書いた医者には行きたくなかった。あの時の受診で頭にきていたのである。
ヤツは、すぐに大きな病院、足利日赤に行きなさい、といいながら、何が問題なのかをいっさい口にしなかった。
「どこが悪いんですか?」
という問いかけにも答えず、ただただ足利日赤に行けという。おいおい、それじゃあ患者の不安を煽るだけじゃないか。○○の疑いがある、程度のことを知らせるのをなぜ拒む?
私はこんな医者に自分の健康の維持をゆだねようとは思わない。
そこでジェミニに聞いたのである。どこの医者に行けばいい?
ジェミニが第1に推したのは群馬大学医学部付属病院だった。しかし、ここの門をくぐるには開業医の紹介状がいる。
次に推薦したのが「竹越耳鼻咽喉科医院」だった。こんな解説までついていた。
特徴:「咽頭異常感」の治療実績を明示しており、漢方診療にも力を入れています。
ポイント:すでに漢方を試されたとのことですが、こちらの院長(竹越哲男医師)は喉の違和感に理解が深く、映像的な「完治」だけでなく、患者さんの「感覚」に寄り添ったアプローチで知られています。
この情報を手にしたのはゴールデンウイーク前である。連休後の込み合いを避けようと、今日まで待っていたのだ。
約1時間のドライブ。なるほど、AIが推すのもそもためか、というほど患者が多い。9時半過ぎには到着したのだが、すでに20人ほどが待合室にいた。私の診察が始まったのは11時過ぎであった。
まだ40代かな? という医師だった。これまでの経過を説明し、やがて鼻の右の穴から内視鏡が入る。
「うーん、きれいですよ。念のために、がんかどうかが分かるモードにしましょう。がんがあると黒く見えるのですが、ああ、がんの心配もなさそうです」
しかし、先生、のどの違和感は消えないのです。
「そうですよね。どれ」
今度は私の首を両手で触った。
「甲状腺も大丈夫のようです。大道さん、あなたが腫れを感じているのはどのあたりですか?」
このあたりですが、と手で示す。
「ああ、のど仏の下ですね。我々耳鼻咽喉科の医師の守備範囲はのど仏の上までなんです。その下には内視鏡が入っていかないのです」
「では、どんな診療科目を選べばいいのです?」
「ええ、のど仏から下は消化器内科になります。そこで内視鏡検査をしてもらうことをお勧めします」
という次第で、私は再び足利日赤への紹介状を書いてもらった。今週は行けそうにないが、週明け、再び足利日赤の問をくぐることになりそうである。

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