2015
09.05

2015年9月5日 記念日

らかす日誌

ずいぶん前に、友人I君に作っていただいていた2台目のネットワークプレーヤーが、やっとメインシステムにつながった。だから、今日は記念日である。何記念日にしよう?

何度か書いたが、このネットワークプレーヤー、RaspberryPiという、見たところちっぽけな基板2枚をペナペナのプラスチックの板6枚で囲んだコンピューターと、それを動かすvolumioというソフト、それにI君自作のDAC(デジタル信号をアナログ信号に変える機械)で構成されている。中に使っているDACチップはFN1242Aという日本製だ。I君お気に入りのチップである。
どちらも軽々と手に乗る大きさ、重さだ。これまで我が家のメインだったパイオニアのプレーヤーN-50Aはかなり大型で、持つとずっしりと重たい。だから、このI君自作機は

「おいおい、これで大丈夫かよ」

といいたくなる代物である。

で、今日午後、メインシステムが入ったテレビ台を引きずり出し、このネットワークプレーヤーをNASとクリスキットにつないだ。

これまで、事務所ではI君作の1台目のネットワークプレーヤーをさんざん聞いてきた。2台目もまったく同じ構成である。違った音が出るはずはない。
ただ、事務所はクリスキットのシングルアンプで、スピーカーはテクニクスの16㎝のフルレンジである。これでは、実にすがすがしい音を聞かせている。
メインシステムは、クリスキットのマルチアンプで、スピーカーはテクニクスの30㎝と同じくテクニクスのドライバーを使ったホーン型の2ウェイである。流石にこちらの方が迫力のある音がする。

さて、このちっぽけな、確か2万円足らずのプレーヤーは、パイオニアのN-50Aと戦うことができるのか? それが本日のメインテーマであった。

初めての音出しには、Eric ClaptonのUnpluggedを使った。アコースティック・ギターの音、Claptonの声を、それぞれのプレーヤーがどう再生してくれるか。

音源は、NASである。どちらのプレーヤーも、同じNASから同時にデータを持ってくるのだから、條件は全く一緒である。ついでに言えば、クリスキットのプリアンプは、どの音源を選んでも回路構成は一緒だ。だから、これも両プレーヤーの條件は同じだ。

で、両方から音を出し、クリスキットのプリアンプで切り替えながら比較した。
無論、どちらもいい。こんなにいい音でClaptonを聞いてるヤツはそれほどおるまい、と思わず頬が緩む音である。
だが、しばらく聞いていて、

「なるほど」

と思った。
I君作は、パイオニアの音からベールを1、2枚取り去ったような、明瞭な音が出ていた。エッジが立つというのだろうか、一つ一つの楽器の音が実に明瞭で、他の楽器の音と混ざり合うことが少ない。

実は、レコードをCDにした時、同じ感想を持った。
CDをネットワークプレーヤーにしたときも同じ感想を持った。
技術とは、確かに進歩するものだ、と感心した。

今回は、3度目の技術進歩の確認であった。そうか、ネットワークプレーヤーが世に出てまだそれほど時間はたっていない。なのに、ここまで進歩するのか。デジタルの良さは、時がたつにつれて、急速に性能が上がり、価格は逆に下がることである。
数十万円のネットワークプレーヤーが大手を振っている中、I君作は2万円足らずにもかかわらず、実にすがすがしく、遠くまで見通せる気がする音を出してくれるのだ。

人によっては、あまりにスパッと音が出て来るので、

「きつい音だ」

という感想を持つかも知れない。そう、ふんわり柔らかな人肌の温もりがあるアナログレコードの音が一番いい、と言ういうようなものだ。
だが、レコードよりCDが、CDよりネットワークプレーヤーの方が、原音には近い。ロックのライブに出かけ、クラシックの音楽会も楽しみ、自分ではギターを弾く私の耳にはそう聞こえる。I君作は、その正常進化版である。

ということで、我が家のメインシステムは、I君手作りのネットワークプレーヤーになる雲行きである。不要になるパイオニア製は、息子のところに行くはずなのだが、どういう訳か息子殿はNASの選択に手間取り、いまだにNASを備えていない。ために、いま送りつけても使用不可能である。
電話で

「まだ決めないのか」

とせっついたのも、2度や3度ではない。それでも決断ができない。イジイジうじうじ、どれにしようか、これがいいか、と迷い続けるなんて、いったい誰に似たんだ?

息子殿がNASをお買い上げになったら、私は2テラぐらいの外付けHDを買い、音楽データをコピーして息子に送る。息子はそれを自分のパソコン、あるいはNASにコピーし、HDは私のもとに送り返す。そのようにして音楽データを共有しようと思っているのだが、

「おい、まだか!」


というわけで今日、I君に報告と感謝、遅れたお詫びを交えたのメールを書いたのはいうまでもない。

ついでに書いておくと、桐生のO氏も、私を通じてI君にネットワークプレーヤーを自作してもらった。すでに数ヶ月前に手元に届いているのだが、いまだにネットワークに接続されていない。

「うちのLANがグチャグチャになっていて、それを整理してからつなぐ」

といっていたのが、

「やっとLANがすっきりしたよ」

に変わったのが、すでに数週間前。

「もうつなぐから、その時は設定を頼むね」

といわれ、

「NASとネットワークプレーヤーのIPアドレスが分からないと設定できない。パソコンに、アドレスが見えるソフトを入れていおいて」

と言ってあるのだが、いまだに

「準備完了」

という連絡はない。

いったいどうなっているのか?
いつになったらつながるのか?

あと4ヶ月で新年を迎えますぜ!